タロットの組み合わせを入れ替える

タロットの展開法、いわゆるスプレッドというものは、いくらでもあります。

もちろん、伝統的・代表的で、広く知られている基本のようなものもあるのですが、今この時でも、自分のオリジナルなものを発明している人もいるかもしれず、しかも、タロットの種類によっても違うものがありますから、それこそ、無数にあると言えるでしょう。

展開法にとても重要な意味を置く人と、ほとんど重要視していない人が、タロット使いの人の種類として存在します。

私の立場・考えで言いますと、ある展開法にはこれでなければならないという強い思い入れや展開法のルールを順守する姿勢があるのですが、一方、展開法・スプレッドは、実はなんでもいいという思いも同時にあります。

タロットは一種のゲーム(お遊びとかの意味ではありません)として考える部分があり、ゲームにはルールが必ずあります。

そのゲームのルールを途中で変えることはタブーと言えます。ただ、ゲームをしている者たちの間で了解が取れれば、途中変更もありですが、しかし、ゲーム自体を成立させているルールの変更は問題です。

スポーツで言えば、例えば、サッカーをしていたのに、これからはバスケのルールにしますね、では、まったく違うスポーツになります。

これが、サッカーで最初は11人制でしていたけれども、人数が集まらないので(やる人が減るので)、5人までというルールで、ゴールとフィールドも狭めたものに変えましょうか?というのは、双方のチームが了解ならば可能ですし、サッカーという本質のゲームも変わっていません。

タロットの展開法の適用も、つまりは、そういうことです。

そして、タロットでのセッション、リーディングの目的が、クライアントの問題解決やアドバイス、癒し、気づきに導くことにあるのなら、それができる(目的が達成できる)ものであれば、タロットの展開法など何でもいいということになります。

さて、前置きが長くなりましたが、私は、展開法は結構、オリジナルや自由でやるのが好きなところがあります。(セッション・リーディングでは、ある決まった展開システムとルールのもとで、厳格にやることが多いですが)

そんなもののひとつには、カードを数枚引いて、すべてを自分(または問い)の象徴と見て(まあ、タロットとはそういうものですが)、いろいろとその出たカードを並び替えてみるという方法があります。

この方法を行う場合、一枚だけだと、正逆の位置くらいしか入れ替えができませんから、まずは最低、二枚のカードは引かねばなりません。

ですが、二枚では情報量として少ないと言えますから、やはり3枚を基本として、慣れれば5枚くらい増やして行けばよいでしょう。

正逆は取らず、正立だけで見ます。(すなわち、いい悪いを含めて、あるいはそれらを超えて、そのカードそのものの象徴総体として意味を取るということ)

シンプルに見たい時は3枚、もう少し深く見たい時は5枚という感じでしょうか。

本当はテーマを掲げずに、ただ引くだけでいいのですが、テーマをあえて最初に設けてやっても構いません。

では、ちょっと例示してみたいと思います。

今、皆さんの関心としては、新型コロナウィルスのことがあると思いますから、それをテーマにして5枚引いてみましょう。

引くカードは大アルカナ22枚の中からとします。

では、私が引いてみます。

はい、出たカードは、マルセイユ版の私が使う名前の言い方で述べますと、数の小さい順から、1「手品師」、3「女帝」、14「節制」、18「月」、20「審判」でした。

今は数の順で挙げましたが、これらは実際にはバラバラに引いて出て来たもので、それを並べ替えをして観察します。

マルセイユタロットをお持ちの方は、自分でもやってみてください。

並び替えは、引いたカードを裏向きにしてシャッフルして整列させてもいいですし、自分の感覚で、表向きのまま、なんとなく並び替えてもいいです。

図像を見ないように裏向きにシャッフルしてやったほうが面白いかもしれませんが、あえて図像を見ながらのほうでも気づきがあります。

今回の例としは、「新型コロナウィルス問題」としてのテーマ(問い・大テーマ)がありましたが、カードを引いたあと並び替えをする時に、もっと具体的テーマ(小テーマ)に絞って、さらに小テーマごとに、入れ替えて見ることも可能です。

「ウィルス問題」を大テーマとして、「今後どうなるのか?」という小テーマで並べ替え(シャッフルして出す)てもよいですし、「今自分にできることは?」でもよいでしょう。ほかにも、「自分はこの問題をどのように見たらよいのだろうか?」というもので、やってみるのもありです。

事例は、皆さんが気にしているテーマにしましたが、もちろん、自分特有のテーマ、問題(問い)にしても使えます。

そして、先述しましたように、テーマも問いも決めずに、ただタロットを数枚引いて、いくつかのパターンに並び替えて見ることで、自分に気づきが起こることはよくあります。

並び方も横一例にきれいにする方法もあれば、ある図形になぞらえたり、ランダムに、自分の置きたいところに置いたりするというのでもよいです。

何回かやっていると、不思議なもので、数枚のカードのそのカードたちにおける組み合わせは(枚数にもよりますが)たくさんあるにも関わらず、なぜか、「これだ!」「この展開(並び)だ!」と思う、唯一のものがわかるようになります。

たぶん、その並びこそが、あなたに対して、あるいはテーマにとって、今タロットが告げたいことなのでしょう。

出た(選ばれた)タロット自体に強い意味があると考えられるうえに、さらに、並び替え、組み合わせにおいても、確かなメッセージ性やインパクトを残すのなら、それはやはり特別な意味があると考えるのが、タロットでは妥当かと思います。

自己リーディングでは客観的になれずに、難しいところがあるのですが、この方法だと、意外にタロットを俯瞰して見ることができ、普通に問いを思って、自分でタロットをある展開法によって引いてリーディングするより、読みやすいかもしれません。

実はリーディングの練習にもなりますので、興味のある方は、ぜひ一度、やってみてください。

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