社会不安と占い、タロット

社会不安になりますと、占いが流行ると言います。

これは日本だけではなく世界的傾向もあるようです。

例えば、昔の話になりますが、フランスにおいて、有名なフランス革命後、社会情勢が不安定になり、やがて左傾が反転、右傾化してナポレオンによって帝政時代を迎えるようになります。

その間の時代では、占い、特にカードやタロット占いが流行したと言われています。かのナポレオンも実は占いで戦争を決めていたといううわさもあるくらいです。

日本では、タロットと言えば占いの道具という認識が一般的ですが、おそらく、この頃のタロットの使い方(占いとしての)が、世界的に汎用化されたのではないかと、歴史的に見れば考えられます。(それまでは、タロットはゲーム道具の要素が強かったと見られます)

まあ、要するに、占い、そしてタロット占いなどは、社会不安ととも作られてきた面があるわけです。

さて、今や新型コロナウィルスのパンデミックから始まった、世界的社会情勢の不安、問題が広がっています。

さらにアメリカでは、人種差別が発端のデモや暴動のようなことも起こっています。とはいえ、これについては、陰謀論ほどではないにしても、かなり策略的においがするのに、多くの人は気かづいているかもしれません。

ですが、たとえ何かの陰謀や策略であったとしても、つまりは、人心や社会が不安な様相を呈しているから、それを利用する輩・勢力も出てくると考えられます。

さきほど、フランス革命とその後の話にふれましたが、この時と今の時代とでは、不安の要因は違うとはいえ、左的なものの運動・革命の機運から、結局は全体主義とか右的なものが台頭してしまうという流れは、第二次世界大戦時のドイツのナチス支配の流れを見るまでもなく、似たようなことを繰り返しているように感じます。

思想自体はあってもいいですが、もう右や左とかで、どちらも暴力や支配で決着をつけようと争うようなレベルから脱却したいものです。国や環境、技術が変わっても、やっていることやシステム的には、、数千年、同じなのが人類と言えます。

ちょっと話が占いやタロットからそれていますが、話を元に戻しますと、このように、社会不安が起きると占いが流行るというセットみたいな話があるわけです

それで、今日言いたいのは、ふたつのことなのです。

ひとつは、人々が不安になれば、やはりその不安を解消したい、癒しを求めたい、希望を持ちたいという思いで、何かに頼りたくなります。

占いの流行も、そうした心理的不安から起きてきているわけですが、とはいえ、占いと言っても、意外にも、機械やコンピューターの占いでは安心できない、癒されないということがあるのではないでしょうか。

となると、実は、人は占いを求めながらも、、誰か「人間」に話を聞いてもらいたいというところがあるのがわかります。

人に相談して解決策を求めたいという気持ち以上に、悩みや気持ちを吐露して聴いてもらい、少しでも自分をわかってほしいという感情があるのです。

もちろん、占いにおいては、普通の情報以外の、目に見えにい力に頼りたいということもあるでしょうが、人に話を聴いてもらい、また聴いてもらうだけではなく、占い技術によって、通常わかりえない情報を得ることができる期待もあるので、対人占いは、不安な時期には特に流行るのだと思われます。

前置きが長くなりましたのが、だからこそ、今、もし占いを学び、実践したいと思っている人には、それで稼ぐという意味よりも(それはそれでよいですが)、何より、身に着けた占い技術によって、人々の安心・癒し・常識を超えた情報提供などで、貢献していくチャンスだと言いたいわけです。

コンピューターの時代にあっても、やはり、人々は生身の会話を求めています。オンライン鑑定は増えましたが、それでも、オンラインを通してやっているのは、人と人の会話・コミュケーションです。求められているのは、あなたという「人間」なのです。

ここで、私は占いの技術に自信がないという人もいるかもしれません。

それはうまくできなかったことの評価へのおそれ、他人に提供するには、よいものをなさないと失礼になるなど、結局、過剰な自分への関心ベクトル方向と、経済的価値と自分の価値をイコールにしていることが多いのです。

まずは、自分のことより(関心ベクトルを他人のほうに向ける)、そしてお金のことより(仕事や作業はお金でしか評価、換えられないものと思い込み過ぎない)、世のため人のため、今のできる範囲で精いっぱいやってみるという姿勢が大切だと思います。

自分は意識していなくても、タロット占いやタロットリーディングをすれば、それは相手のためになるだけではなく、いや、もっと言えば、相手のためにたとえならなくても、実はほとんど自分のためにやっていることであり、それは自己浄化につながるのです。

ある意味、対人タロット占い、対人タロットリーディングという形を借りた、自己対話なのです。

ですから、マルセイユタロットの「力」と「手品師」の並びのように、新しいことに一歩踏み出す勇気を持ってみましょう。

次に、ふたつめは、占いの話をしておきながらなんですが、社会不安になったら占いが求められ、だから占いをするという、その、ずっと続くパターンから変化をつけてみたいということです。

時代的にも、次元が変わりつつあり、これまでのような、昭和的ともいえる占い・占いしたものをやるには時代遅れのところもあり、また元のパターンを強化したループに落とし込むような問題があるように思います。

ですから、占いをしながらも、ただ気持ちを安心させたり、先行きの情報を与えたり、物事の現実選択の悩みを吉凶的(現世利益的)に判断したりするのではなく、もっと別の次元やレベルの情報も提供し、悩める人々の意識を転換していく姿勢が、これからの占いにも求められる気がします。

不安をただ沈めるのてはなく、もっと意識そのものを上昇させていくような感じです。

いわば、マイナスからゼロに戻すだけではなく、プラスに変えるもの、いや、マイナスやプラスと思っていた世界から脱出していくような気づき、意識を獲得してもらうような内容です。

タロットで言えば、読みのレベルを上げる(たくさん持つ)ことであり、それには、レベルの違いとは何なのかということをタロットを読む側がよく認識しておく必要があります。

この区別ができていないことで、自分のやっているタロットリーディングが、占いなのか、セラピーなのか、チャネリングなのか、何をしているのか、何をしていいのかわからなくなり、結局、クライアント・相談者の求める情報レベルに合わせて、相手に迎合したものになる方がいるのです。

もちろん、相手の求めるものに応じること、悩みを解消していくことは重要ですが、それだけだと、これまでの占いレベルのままで、人や社会をよい意味で、改革させる(無限ループのような罠から脱出させる)ことは難しいです。

相談者の悩みや葛藤の階層に一緒に住むのではなく、占いやリーディングしている時だけは、その技術・ツールをもとにして、自分の階層レベルを上げ、悩める人を新たな世界へ導ける視点をもってやっていくとよいでしょう。

私の講座や勉強会でも、特に時代・次代を意識したタロットリーディングを解説しているところです。

タロットを習った皆さん、あるいはこれからタロットを学習してみようかという方、タロット占いやタロットリーディングによって、社会不安の中でも、自他に役立てることにチャレンジしてみてください。

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