直感的シンプルな一枚引き

タロットの引き方・並べ方、いわゆるスプレッドは数多く存在します。

それには最少の一枚引きのものから、カモワン流のような、枚数が固定されず、何枚出るか、やってみないとわからないものまであります。

占い的に有名なのは、ケルト十字かもしれませんが、これは合計10枚のカードを、意味の決まった位置にカードをおいていくスプレッドです。

ともあれ、枚数が多いスプレッドは、それだけカードの情報量も増えることになりますので、読み手(タロットリーダー)の技術や経験によるところも大きくなります。

このうち、出す(引く)カードの枚数は多くても、カードが単体で切り離されたように置いていくものだと、比較的ルールに従って単純に読めますが、カードが近接し合い、複合してくるような場合は、コンビネーションと言って、カード同士がつながって、さらなる意味合いが表現(創出)されてきますので、より複雑になってきます。

いわば、情報の多重化のようなことが、カードをコンビネーションしていくと現れて来るわけです。

でも、それだけ読み手として、まさに読みがいがある(笑)というもので、たくさんのタロットの情報をいかに整理し、ひとつの(人間的に)役立つストーリーに変えていくか、というのもタロットリーディングの醍醐味でもあるわけです。

タロットは直感性のものとよく言われますが、このような情報分析を必要とする分、カードの中に描かれている細部の象徴の意味はもとより、それを知的につなぎ合わせて行く、ある種の選択性論理性、全体への統合力が必要とされます。(そのような読み方をする場合ですが)

タロットをきちんと学ばなければならない理由のひとつは、ここにあります。

さて、一方で、人間の直感性というのも、優れたものとして活用できます。直感は、時には自分や他者の命を救うことすらあります。

直感が何なのかは、今回は議論しませんが、とにかく、タロットの絵柄を直感的に把握して、メッセージや意味合いを判断する読み方があります。

この場合、たくさんのカードの枚数を引くやり方よりも、極端なことを言えば、一枚引きのような少ない枚数を引くやり方のほうが、直感が活きやすいのではないかと思います。

直感というのは、あまり、思考の情報(判断)が入らないほうがよく、従って、ノイズとなるたくさんの絵柄からの情報がないほうが(少ないほうが)、より直感性からの示唆を得やすいと言えます。

ということで、直感性を重視したものでは、タロットカードをシンプルに一枚だけ引くというものがお勧めで、カードを引いて、絵柄を見た瞬間にどう感じたかというところが重要になるでしょう。

それは言葉で表すと、思考的なものになって、意味でとらえようとしがちになりますので、まさに「感じ」「感覚」として、とらえていくとよいでしょう。

あとて思考や覚えた意味を当てはめて、論理的な理解の手助けを得ても、それは構いませんが、それとは矛盾するようなことが、直感で得たものにはありますので(本当の叡智レベルになりますと、思考と直感とが矛盾することのない次元に行き着きますが)、その場合は、最初に感じたことを主とするのが、まさに直感性をメインとする読みの場合ではよいと思われます。

この世の中、多くの情報にあふれかえっていますので、私たちは、いつも頭・思考をグルグル巡らせている(溺れている)ようなものです。

そのために余計に、迷いが生じていることがありますし、決められないということも起こってきます。

ですから、迷路みたいに陥ってる人は、シンプルに、タロットの一枚引きをして、直感的に受け取るという方法で、意外にすっと収まることもありますから、やってみるとよいでしょう。

この場合は正逆はとらないほうがよく、正立だけ出るトランプシャッフルで出すほうがよいと思います。タロットカードの正逆自体が思考的情報になっていることがあり、素直な直感性を阻害することがあるからです。

同じタロットをする友人(タロット仲間)がいれば、その人に自分の問題やテーマを一枚引いてもらう(あるいは自分が引いたものを相手に直感で見てもらう)というのもありです。人にやってもらうと、主観が入りにくいので、よりフラットな見方ができます。

相手が感じたものと、自分が感じたものとは違うかもしれませんが、直感と言えど、自分の癖とか価値観のフィルターを通っていますから、相手のものと自分のもの(あくまで意味ではなく、直感として感じたもの)とを比較することによって、より中立的なメッセージを得ることができると思います。

そんなわけで、複雑なことだけがタロットではありませんので、シンプルな一枚引きを直感で感じるという方法も、試してみるとよいでしょう。

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