変化の季節にあたって
4月になりました。新年度の始まりですね。学生の人も社会人の方も、新しい環境に飛び込んでいる人たちが多いことでしょう。
新しいことはわくわくしたり、フレッシュな気持ちを抱かせますが、変化というものに弱いタイプという人の場合、かなりのストレスにもなる季節だと思います。かくいう、私が実はそうでした。今でこそ、タロットなぞ扱い、いわば少し変人として生きています(笑)ので、変化を楽しめるようになってはいますが、昔は極端に「変化」に弱く、慣れた環境でないと能力を発揮できない典型的な神経質タイプでした。(今でもまだかなりナーバスですが。。。)
さて、こうした人間に生まれついてしまった場合、あまり転勤が多かったりと、環境の変化が激しい職場などはお勧めできません。できれば専門家か技術職として、同じ状態で打ち込める環境が望ましいと思います。しかしながら人生は修行の場です。また人間には慣れがあるので、あえてそれらにチャレンジして、自分を変え、順応性を養うことも大切なことでしょう。人間にはそれが可能だからです。
ただ、変化に弱かった私からアドバイスさせていただきたいこともあります。春のこの季節、そもそも体の構造的にも体が開いていき、落ち着かなくなるという精神状態になりやすいといわれ、それに持ってきて「新年度」「始まり」という社会慣習が合わされ、いわば外からも内からも“激変”が要求されているという事態になっています。それでも皆さん耐えて順応できるのは、人間の能力のすばらしさなのですが、ふたつの点でのバランスが崩れると、危なくなると考えています。そのふたつとは、月並みなのですが、「心」と「体」の負担の許容量のバランスのことです。
環境の変化があっても、そのふたつのバランスにおいて許容量の範囲であると、人は安定さを何とか保つことができます。しかし、どちらかが許容量オーバーな状態になってしまうと、ピンチが訪れます。
具体的に言いますと、「体」は身体的疲労度であり、「心」は精神の疲労度を示します。つまり、体が疲れていても、心が安心感に満たされていると大丈夫であり、また逆に心にストレスを抱えていても、身体的に疲労が少ない状況では、まだ赤信号ではないということです。ですから、よくあることなのですが、精神的に疲れているからと言って、それを解消しようと睡眠もとらずに遊びまくっていたら、身体的に疲労度が増して、バランスが崩れ、逆効果ということになります。
ただこの両者は密接に関連しており、切り離せるものではありませんから、心が疲れれば体も疲れてくるという作用が生じ、結局のところはどちらも健康でなければ問題となってきます。それでも、この環境の変化の激しい季節に早く慣れようと、どちらかを犠牲にしてまでやりすぎるのは危険だと思います。特にメンタルヘルスの面でいえば、本当に「ほどほど」ということを念頭に置いていただくほうが、長い目で見ればあなた自身のためになるでしょう。身体的健康・不健康は目に見える形が多く、回復の仕方も効果を自分で確認しやすいのですが、精神的・メンタル的には目に見えないだけに、周囲からも誤解を招きやすいですし、自分自身も状態をつかめることがしにくいものです。それだけに留意していただきたいと思います。
まずは疲れたら、気心の知れた友人・家族に弱みを話してストレスを軽減し、そして食事や睡眠など身体的なケアーにも注意すれば、ある程度の変化には対応できるでしょう。精神的にちょっと大変だなと感じたら、専門家を頼るべきです。相談することに躊躇しないほうがよいです。友人や家族だけでは、その方たちにストレスがたまる場合もありますから。それから、心と体の疲労度の許容量数値を普段から上げていくことをしていると、変化への対応度合も上がっていくということにもなります。人間関係のスキルを学んだり、体力アップに努めるというようなことですね。
仕事では、あなたがいなくても実は代わりの方で回っていくものです。ですが、あなた自身はかけがえのない存在であり、あなたがここにいること(生きていること)は、他の誰にも代わることはできないものです。自分で自分を痛める必要性はありません。責任感は大事ですが、その取りすぎには注意いたしましょう。