タロット講座は自己変容の旅。

私はタロットリーディングととともに、タロットを教えることもしておりますが、どちらかといえば教えることのほうが向いているかもしれません。


もともと私は何でも教え好きなところがあり、趣味の釣りでも、以前釣り場で出会った見ず知らずの人から「釣りを教えてくれ」と言われ、目の前に魚がたくさんいたにもかかわらず、、自分の釣りを忘れて教えることに何時間も熱中してしまったくらいです。


幸い、その人も無事魚を釣ることができて、本当にうれしかったことを覚えています。



カモワン版マルセイユタロットを習っていた時も、比較的初期の頃から「どう説明すれば理解しやすいだろうか」という教え目線で考えていたところがありました。


ですから私にとってタロットの講座をすることはとても楽しいことでもありますし、またそれだけに、人にものを教えることの責任や重要さについて、いつも考えているところです。


さて、そのタロット講座なのですが、これはタロットリーディングの方法を学ぶだけには留まりません。


もちろん、タロットに親しみ、タロットの使い方を学ぶことが最初の目的ではあるのですが、実は講座を受けていく中で、一種のワークショップのような参加者自身にも変化が起きるような仕組みがあるのです。


その一端をご紹介しましょう。


タロットは人を占う道具だと皆さんは思われるかもしれませんが、実は自分の心を映し出す鏡のような役割があり、いわば自己観察に適しているツールでもあります。


従って、講座が進んでいくにつれ、いつも自分をタロットとともに見ていくことになります。


そこには普段あまり意識したこのない自分の隠された面(長所であったり、問題の部分であったりします)も次第に浮かび上がってきます。


言ってみれば、タロットとのコミュニケーションを通じて、自分自身の内面ともコミュニケートするという二重の会話をこなしていくことになるのです。


さらに複数での講義の場合、タロットリーディングの実践練習を通して、受講生同士の生の人間のコミュニケーションもあります。


こう聞くと、ちょっと大変なイメージもあるかしもれませんが、そんなことはありません。


いつもタロットという貴重なツールが間に介在するので、直接土足で踏み込まれるような感覚はなく、むしろカードを通して自分を客観視することで、それまでの悩んでいた自分を笑えるくらいの解放的な気分も味わえるのです。


また人の問題をリーディングすることにより、自分ともリンクしていることに気付き、人間の潜在的なつながりと助け合う共助の心を確認することもできます。


不思議なことに、受講生の中には、最初の頃に自分の問題として出ていた象徴的なカードが、講座が終了する頃には、 「過去のカード」として、問題状態ではなくなって登場することもあるのです。


これはタロット学習の過程で自分を見つめることにより、漠然としていた自分の問題をはっきりとタロットによって認識したことにより、すでに問題が自分の支配下に収まったことを示しています。


つまり大きな自己改革を、タロットを学んでいる間に自然にやってのけていたことになります。


タロット講座の本当の意義はここにあります。


タロットの使い方を学びながら、実は自己変容の旅を行うのが私のタロット講座なのです。


タロット講座を終える時、皆さんのひとつの旅も終わります。


受講生さんたちの活き活きとしたお顔を拝見することができれば、私はとてもうれしく感じます。そして、私自身も受講生の皆さんとともに成長させられていることを実感するのです。

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