タロット寓話 いろいろな国を旅する若者の話
こんな話があります。
ある所に風のよく吹く、雨の降らない乾いた小さな国がありました。風が強いため、風の力を利用して風車を作ることはできていたのですが、水不足に苦労していました。
隣の国も同じような感想地域なので同様に悩まされていたのですが、独裁者による強大な力を持って、よその国を従えることにより、水や食料、人までも自国に運ぶ込むことで隆盛を誇っていました。
ある時、小国の若者は「このままでは国は水不足か隣国に支配される」と危機感を抱き、一人解決を求めて放浪の旅に出ました。
苦しい旅の末、若者はある国にたどり着きました。
そこでは若者の国とは正反対に、豪雨でいつも悩まされていました。洪水が起こり、家々も流され、毎年多くの方が水害の被害を受けていました。
「雨が止めばいいのですが・・・」人々は口々に言いました。
若者はかわいそうに思いましたが、どうすることもできず、また旅に出ました。
今度たどり着いたのは、うっそうとした森に囲まれた陰気な国でした。
この国の人々は茂りすぎた大木をうらみ、毎日外に出ては木を切っていました。切った木がたまって、それがまた山のようになっていました。
「この木が生えてこなければいいのに・・・」この国の人もまた悩んでいました。
若者は確かに木もありすぎると困るなとは感じましたが、やはりここでも何も策が浮かばず、この国からも離れました。
そして、最後にたどり着いたのは、それはそれは小さな国でした。若者の国よりもはるかに小さいのですが、人は多いようでした。
それでもこの国の人は何とか飢えずにいられるようです。
聞くと、どうやら必死の研究の末に、通常より何倍もの収穫のできる作物を開発できたため、かろうじて生き延びられているようでした。
「広い土地があればいいのに・・・」この国の人も苦しんでいました。
若者は考えこみ、これまで旅してきた国々と自分の国を回想したのです。
すると、突然、あるひらめきが起こりました。
森の国の木々で風車と堤防を作り、雨の国の水流を利用し、狭い土地の国の作物技術を使えば、すごいことになるのでは・・・!と。
若者はその後、訪問した国々と自分の国の協定に尽力し、やがてそれらの国々のそれぞれよいところを持ち寄ったすばらしい共同体ができました。
自分たちがないものねだりをし、よいところを活かし合うという発想が今までできていなかったことを反省したのです。
一方独裁者の国は豊かに見えましたが、独裁者の恐怖政治で人々は精神的に疲弊し、独裁者は革命によって倒されました。その後は内乱が起こり、大変な争いがいまだ続いているということです。
皆さんはこの話に何を思いますか。この話におけるそれぞれの「国」というのを皆さん「個人」に置き換えてみるとわかりやすいかもしれません。
昨日、タロットが教えてくれた寓話でした。
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