月への願い事と月の役割

月に願いをかなえるという方法が、よくスピリチュアルな世界では使われているようです。


その効果のほどはわかりませんが、これだけ話題になっているということは、それなりにあるのだと思いますね。


タロットカードにも「月」というカードがあります。


タロット自体、主に心の分野を担当するものですが、中でもこの「月」はさらに心情や心理に関係の深いカードといえます。


月は昔から人々の想像をかき立てる存在でした。


狼男の伝説や、満月の夜には興奮するとか、カニが卵を産みにくるとか、伝説や事実も含めて不思議な雰囲気を漂わせているのは確かです。


願望をかなえる月メソッドがあることから、おそらく月には人々の思いを増幅する作用があるのではないかという気がします。


ということは、よい思いを月に投影すればそのままよいことが返り、悪い願いを託せば悪いものが反応するということになります。


これと最近は前にも書きましたように、タロットカードでいえば「運命の輪」の加速が増して行っている ように感じますから、余計に自分(自分だけではない集合的なものも含めて)の想念の反響も、これまで以上にストレートになってくると考えられます。


マルセイユタロットの大アルカナの数の並びでは、「月」のカードの次には「太陽」となります。


順列的に前のカードが次のカードの前兆や何かの示唆を表すのだと考えれば、「太陽」の前に「月」の作用があるということになります。


「月」のカードには二匹の犬が対立するかのように描かれており、「太陽」のカードには二人の人物が手を取り合って共存しているように描写されています。


そこから、統合や共存の前には葛藤や分離があることがわかります。


月によって増幅される私たちの想念には、よいものも悪いものもあるでしょう。


今までは現実への影響もゆっくりとしたものだったのですが、これからはそれにスピードとダイレクトさが増すであろうことは先述した通りです。


ということは、月によって私たちは鏡のように自分を見るよう試されていると言えないでしょうか。「こんなことを思っていると、本当にそうなる」のだということを見せられるわけです。


それは来るべき太陽のような輝きの時代になるための、ある意味、試練かもしれません。


単に「月に願い事をかなえてもらう」というお陰(月はまた「陰」を意味します)行為も、月の反響作用を知る上では効果的なことでしょう。


ただそれだけではなく、「自分がなぜよい思いができないのか」「その裏には何が隠されているのか」を見つめていくことも必要だと感じます。


表(よい想念、願い)と裏(悪い想念、願いをかなえたいと思う心、叶えられない理由)を、月の鏡像装置によって見ていくのです。


そういう意味ではタロットを利用し、特に「月」のカードで描かれている二匹の犬や、水たまりに出てきている本能を意味するザリガニなどの象徴によって考察してみるのも、その手助けになるでしょう。


せっかく太陽の前に月が出てきてもらっているのですから、ありがたくも月に感謝しつつ、太陽への準備を私たちは進めていくことが求められているように思います。

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