タロットカードに流れる「マグダラのマリア」のエネルギー

昨日は7月22日でしたが、この日はマグダラのマリアの記念日(西方教会)でもあります。


マグダラのマリアといえば、近年、小説「ダ・ヴィンチ・コード」でも有名になりましたが、イエス・キリストの妻であったといわれる女性です。(イエスジュニアを身ごもり、産んだという伝説もあり)


ただマグダラのマリアについては様々な伝説があり、一般的にはイエスによって自分の罪を悔い改めた人物、イエスの磔刑後、その復活を最初に見届けた女性として知られています。(当然ですがイエスの妻であるとは公式には認められていません)


カモワン版マルセイユタロットでは、マグダラのマリアとの関連を説きます。


タロットカードの絵柄(単体もしくは複数のカードの組み合わせ)によって、マグダラのマリアの数々の伝説を見ることができるのですが、ここではそれらについては言及しません。


ただ、一枚だけ挙げるとすれば、17の数を持つ「星」というカードを示すことができます。


西洋の宗教画において聖母マリアと違い、マグダラのマリアは長髪の金髪であり、裸で描かれることが多かったようです。


星のカードをみると、まさにそのような女性が二つの壺から水を流している姿で描かれています。


私たち日本人が見てもすぐにはわかりませんが、きっとキリスト教、特にラテン系の国の方々にはこの「星」の女性を見ると、マグダラのマリアだとすぐ思われることでしょう。


マグダラのマリアは伝説によれば、イエスの受難のあと、イエスの子をお腹に宿しながら、イエスの秘儀を受け継ぐ者たちとともに地中海に船出し、今の南仏マルセイユ界隈の海岸に漂着したのち(「サント・マリー・ド・ラ・メール」という地名で残っています)、その地に留まってイエスの教えを広めたといわれています。


イエスジュニアを産んだあと、マグダラのマリアは山の洞窟にこもって修行を続け、悟り(というと仏教的ですが)を開いたとも伝えられています。裸の姿と長い髪の毛はこの時の修行状態を表しているとの説もあります。


ちなみにこの洞窟はマルセイユ郊外のサント・ボームという山にあり、中腹にはやはり洞窟が存在し、そこにはマグダラのマリアを祭る教会もあります。私も実際にタロット学習の関係で行ったことがありますが、いろいろな意味ですごいところです。


マグダラのマリアが伝説の通りに実在したかどうかはわかりません。ただマグダラのマリアと語られる存在は、古代からの女神崇拝、女神・地母神信仰が反映されていると見てよいでしょう。


従って、女性的な癒しのエネルギーが「星」のカードには体現されています。


多くの女性の方がこのカードを見て特別な感情を抱いたり、自分の女性性について思いを馳せたりするのもそうした理由があるものと考えられます。


また女性だけでなく男性も含めて、このカードから大いなる浄化と癒しのパワーを実感することでしょう。


私自身も行き詰まっていた時、このカードと瞑想対話していますと、マグダラのマリアのような存在が現れ、「そのままでいいのですよ、がんばっていることは私が知っています」と告げられた感覚があり、涙がとまらなくなった経験があります。


カモワン版マルセイユタロットには、確かにこのマグダラのマリアに象徴されるような女性的な力が流れているように感じます。


それは、今の世で失われがちな何かだといえるでしょう。

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