カードの関連から「机上の空論」を見る。
カモワン版マルセイユタロットの解釈には、カード同士に同じ象徴(シンボル)があれば、それに注目してリーディングするというものがあります。
今回はそれに関連した話です。
大アルカナと呼ばれる22枚のカードに「手品師」(ほかのカードの名称では「奇術師」「魔術師」)と「世界」というカードがあります。
この二枚には同じ象徴がたくさんあるのですが、中でも「手品師」に描かれているテーブルの上の手品の道具類と、「世界」における人物・動物類との関係には深いものがあります。
その根本的なことと詳しいことについては講座でお伝えしているところですが、ここでは講座の内容とはまた別のものを書きます。
「手品師」の手品の道具と「世界」に描かれている動物たちは、同じ意味合いをレベルや状態の違いで示したものなのです。
従ってその相違を見ることによって、カードがその時、示唆していることを導き出すことが可能です。
「手品師」の道具は「モノ」であるのに対し、「世界」の動物は「生き物」です。
「手品師」も「世界」も、描かれている人物は自分が中心であることに変わりはありません。
ただ「手品師」にはほかの人物(生き物)が出てきていません。
もしカモワン流でいうところの問題カードが「手品師」として登場し、さらに解決カードに「世界」が出るようなことになっていれば、「生物」であるかどうかというポイントはとても大事なことになってくるでしょう。
つまり、「手品師」はモノや技術で何とかなると思っているのであり、そこには血が通った生のものがないのです。まさに机上の空論状態といえましょう。(「手品師」の図柄にはテーブルもあります)
反対に「世界」は「生き物」に囲まれています。
これはモノだけではないつながりも理解しているということになります。ちなみに「世界」の中心人物は、その手に小さく道具をもっていますので、モノを軽視しているわけではありません。
また仮に「世界」のカードが問題で「手品師」が解決を示しているのならば、その逆も考えられます。
これは、せっかくの技術や道具があるのに、他人(の意見や考え)に振り回されて、それを活かしきれていないということになるでしょう。
また、考えすぎていつも動けないことになってしまう傾向の人は、「手品師」の問題と考えるとわかりやすいかもしれません。
象徴的にいえば、「あれこれ机上で考え、“一人手品”をするばかりで、観客に自分の手品を見てもらうことをしない」ということです。
こんな風にして、カード同士の象徴を比較することによって、自分の問題をわかりやすく見ることができるのがカモワン流メソッドのよいところなのです。
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