うつの認識も変化し、また治療も変化する。
「うつ」ということも、かなり社会に認知されてきたように感じます。
それと同時に、従来の範疇では収まりきらない「うつ」症状というのも現れてきているようです。
しかし、それは今現れたというよりも、前々から存在してはいたものの、うつ自体あまり社会に知られていないものだったので、ようやく「うつ」の世界が本当の意味で本格的に姿を見せ始めた(社会がとらえられるようになってきた)といえるのかもしれません。
たとえば、うつといえば元気がなく、文字通り抑鬱的であり、何もする気力も起こらないと考えられがちですが、プレッシャーやストレスのかかる(たとえば職場)から離れると、急に元気になって活動的になるという、一見怠けや逃避でしか見えないものもあるようです。
そうした人には、これまでいわれてきたような「励ましてはいけない」「がんばれというのは禁物」「外に無理に連れ出してはいけない」ということが必ずしも当てはまらず、むしろ状況によってはそれが好転のきっかけになることもあると聞きました。
そういえば、私自身も何もやる気や力が入らない、いわゆる典型的なうつ症状の時がありましたが、それとは別に特定の時だけうつ症状がひどくなり、ある場面になると普通に近い元気さが戻ってきていたということもありました。
そうかと思えば自分の身が崩壊してしまうよなう恐ろしい不安症状や、いても立ってもいられない激越なイライラ感にも悩まされた時期があります。この時は活動的ともとれるほど外に出ていました。というより、じっとしてられないので、外出せざるを得なかったというのが本音ですが。
このように考えてくると、「うつ」と一口に言っても、その裏には様々なタイプが隠されているのがわかります。もっと細かい分類がいるのかもしれません。タロットでいえば小アルカナで細分化していくような感覚です。
おそらく「うつ」も物理的には脳内物質の分泌異常だと思えるのですが、脳内は複雑です。
脳自体も危険を認識して、なんとかバランスを保とうと必死で調整しているはずなのですが、その過程や回復作用の困難さで、いろいろなものが症状として現れてくるのではないかと想像できます。
いずれにしろ、うつや心の問題はまだまだわかっていないところがあるので、うかつに自己判断してしまわないことと、他の人も単純にパターン化して考えないことが大切だと思います。
逆にいえば、今の治療以外のものでも活路が見いだせる可能性が多くあると予想できます。「私のうつはもう治らない」とあきらめることはまだまだ早いのです。
先ほど「パターン化して考えない」とはいいましたが、それは安易にあてはめないということであり、医師や専門家の人にはどんどんとパターンを細かくわけていってほしいと思います。
そうすることで今度はそれを再統合していく中で、今までとは違ったパターンが現れ、そこから有効な治療に結びつくこともあるかもしれないからです。今まで見えなかったつながり(共通点・要因)が見えてくるという感じですね。(これはタロット的な考え方です)
もちろん私などの素人が考えるようなことは、すでに医師の方々は行っているのでしょうけれども。。。
今うつで苦しんでいる人は、医師の相談のもとで、違った治療などのアプローチ、たとえば薬だけではないもの、場所や家、人の環境、フィジカル、食べ物、鑑賞するもの(映画・絵画・風景)、ストーリー(本・影像など)等、様々なことから取りかかれることもあると想定してみるのも何らかの出口の発見につながるかもしれません。
私ももがきながらも、なんとか「うつ」と「不安神経症」から回復しました。皆さんにも回復が訪れることを願っています。
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