マルセイユタロットの小アルカナを読む利点

以前に マルセイユタロットの小アルカナ、特に数カードのリーディング方法についてお話しました。


ところでカモワンタロットもマルセイユタロットなので、やはり小アルカナの数カードは記号状になっており、そのために読みにくいとおっしゃる方がいます。


ただカモワン流のリーディングは、主に大アルカナ22枚だけで展開することが多いので、極端な話、小アルカナがわからなくても十分にリーディングは可能です。


いや、むしろカモワンタロットを長い間やっている方でも小アルカナはさわらない、使わないという人もいるくらいです。


カモワン流一本でタロットをされる方はそれでも全く構わないと思いますし、自己探求の道においてタロットを使うという場合でも、大アルカナの象徴のみでも相当深いところまで行き着くことができるでしょう。


しかしながら、次に述べるふたつの理由において、小アルカナもリーディングできるように訓練するとよいです。


ひとつは、占いとしてタロットをする場合に、抽象的なことから具体的なことに絞っていくことができるという利点があることです。


これはたとえば、仕事という大きなくくりの中でも、小アルカナを使うと、営業的なことか事務的なことか、あるいは堅い仕事かサービス業のような柔らかめの仕事かといった具合に分類できますし、さらに堅い仕事の中でも公務員なのか弁護士なのかというようなことまでも細かく見ていくこともできます。


そしてもうひとつは、シンボル・象徴を読む(イメージする)訓練になるということです。私自身はこちらの意味で小アルカナを修練することをお勧めします。


マルセイユ版の小アルカナ数カードが記号のように単純化されていることで、大アルカナのような絵柄のついたカードから特定のイメージを想像することはとても難しく感じます。そういうことに私たちは慣れていないのです。


しかしながら、一見何の変哲も意味もないような形から、自由にイメージをふくらませていくということを訓練していると、非常に想像力というものが鍛えられます


「想像」は「音」が同じように、「創造」と結びつきます。人はイメージしたものを実現していくという過程を通るからです。(逆にいえばイメージされないと現実に下ろせないということでもあります)


また、記号からいろいろなものをイメージできるくらいになってくると、日常の何気ないことについても「シンボル・象徴」としてくみ取ることができてきます


たとえば「出勤時にカラスが三羽、羽ばたいていた」というありふれた景色から、あるシンボル、自分へのメッセージというように想像することも可能になるのです。


ということは、今まで気がつかなかった自然(宇宙)からのメッセージにも気がつくということになります。いわゆるシンクロにも敏感になってくるのです。


しかしながら、記号とはいっても、小アルカナの数カードにも原理のようなものがそれぞれあります。それは四大元素と1から10までの数の示す原理です。すなわち4×10によって40枚の象徴的世界があり、それによって世の中の事象が表されるのです。


これは易の卦が64の単純な形をしていても、森羅万象を表すということと同様です。


原理を理解しつつ、イメージを膨らます修練を積むと驚くべきことがあなたの中で起こってくるでしょう。


私もまだまだ訓練の途上にいます。

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