「秘伝カモワン・タロット」の本

以前、学研から発刊されていた「秘伝カモワン・タロット」(大沼忠弘、フィリップ・カモワン共著)の本が増刷されないこと(つまり絶版)になったため、もはや通常での新品は入手ができなくなっています。


この本は、日本での唯一といってもいいカモワンタロット(カモワン版マルセイユタロット)の教本でした。


言ってみれば、もしカモワンタロットを独学するとしたら、この本以外では普通はできないというくらいのものだったのです。それが今やほぼ不可能という事態にあります。


もちろん中古品などで取り寄せる方法もありますが、すでに相場は定価の倍くらいになっています。


現在、この本を持っていらっしゃる方は、貴重なものといえますので、大切に置いておかれるとよいでしょう。(いらない人は求める人に譲ったり、売ってあげてください)


そしてカモワンタロットをすでに習った人でも、ふり返ってもう一度ゆっくりと読んでみることをお勧めします。


しかし不思議なもので、こういう状況でも、まるで導かれるかのように偶然本屋さんで残っていたこの本を見つけてしまうことがあります。(または誰かから譲ってもらうなどして手元に来るなど)


実は私もそうなのです。


私は自分用、そして講義用として当然ながら数冊持っていますが、それでも新しいものがあれば何かと便利なので、見つかったら買おうと思っていました。すると、何のことはない、地域の本屋に置いてあったのを発見したのです。地方ゆえの有り難さでしょうか。(笑) 


いずれにしても、今見つけた人はラッキーです。あなたはカモワンタロット(マルセイユタロット)と、もしかするととても縁が深いのかもしれません。(南仏に関係したり、弾圧されたりしたものとも関係があるかも?です)


ただ、実はこの本を読むだけでは、なかなかカモワンタロットは理解しにくいところがあります。


たとえば大アルカナの説明の項目を読んだとしても、その行間にある「書かれていない文章」「説明されていない言葉」があるのです。


「○○は△△の意味である」と書かれてあっても、なぜ「その○○が△△という意味になるのか」という過程説明の部分が大幅に省かれているからです。


また動的展開法といわれるカモワン流独特の、カード人物の視線を追った展開方法も、掲載されているルールだけではおそらくきちんと理解することは難しいでしょう。(しかも本には旧バージョンともいえるものが載っています)


百聞は一見に如かずで、実際見て覚えた方が早いのです。タロットゲームの説明書を読んでも、ゲームができないのと同じです。


そして大アルカナの部分もそうですが、小アルカナは特に本だけではわかりにくいと思います。そのほか、カモワン流の神髄ともいえるタロットマンダラの解釈、シンボルの連繋の詳細なども断片的に書かれているだけです。


正直言って、本だけの独学はかなり困難ではないでしょうか。


あの本の価値は、本当は講義後に増してくるのです。講義で説明を受けたあとに確認の意味で本を読むと、まるで水が染み渡るかのように自分の中に入ってきます。


講師としてタロット大学で教えていた私でも、読む度に新しい発見と納得の再確認がありました。カモワンタロットを習えば習うほど、味の出る本だともいえます。


手元にこの本のある方、もう一度言いますが、再読してみてください。

コメント

  1. 最近もう一度読み返してみようと手に取ったところでした。
    タロットを習う前にはたぶん理解できなかったであろう事が、再読してみると、とてもわかりやすく頭に入ってきます。こんなに良い本だったんだ!と改めて認識したところでした。
    繰り返して読みたい本です。
    絶版になってしまったのは残念なことです。私も地元の本屋さんを探してみようかしら・・・。

  2. >響凛花さん
    そうなんですね、最初に読んだときはさほどと思うのですが、繰り返すと味の出る本だと思います。見つけたら買われておいて損はないと思いますよ。

  3. terimu より:

    こんにちわ。ここしばらくPCを開けないでいました。わたしの場合は精神本ばかり読みあさって居た時に「魔法カバラー入門」で大沼忠弘さんのことを知りました。タロットが出てきて読めなくなり、本屋さんで「秘伝カモワン・タロット」を取り寄せました。タロットカードまでセットされていて、余計なものまでついてきたと思いました。イシス学院で大沼理事長の元、勉強するはめになるとは夢にも思ってもいないことでした。まだ先生にはお会いできていませんが、人生の羅針盤的にかかわっていきたいと思っています(^O^)/

  4. >terimuさん
    人生の羅針盤、とてもよい表現ですね。まさにその通りだと思います。
    大沼先生は、私など足下にも及ばない深く膨大な知識をお持ちでいらっしゃいますから、いろいろとご質問されて、学ばれるとよろしいかと存じます。

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