タロットの能力の開花のために
私は公務員をしていた時、最初の職場が児童相談所でした。
ここでの経験とエピソードは枚挙にいとまがないほどですが、とはいえ、場所も田舎でしたし激務をしていたわけではなく、今より複雑な問題も少なかったと思います。
相談としてはいろいろなケースがあったのですが、中に子どもの言葉の発達の遅れが結構あり、当時の上司はよくそういったお子さんを抱える親御さんにこんな話をされていました。
「この子が言葉を覚えるのは、言葉をためていく必要があるのです」
「いいですか、ここにコップがあるとしますね、これにはまだ水が入っていません」
「ここに水をどんどんためていくのです、そうするとどうなりますか?」
「そう、コップに水がいっぱいになって、やがて水があふれ出しますよね」
「この水こそが言葉なのです」
「そしてコップ、つまりお子さんの中に水を注ぐのは親御さんの役割なのですよ」
と。
もちろん、言葉の発達の遅れの裏には機能的なもの、もともとの脳や器質の問題もあるのですが、それでも言葉かけをせず、放任して子どもと皮膚感覚で関わろうとしない場合は、ますます言語の発達は遅れることになるわけです。
子どもと一緒になって遊び、感情的な楽しい起伏と幅をもたらせ、同時に言葉のシャワーを親や人の肉声で浴びさせていく必要があるのですね。
そうして溜まった言語と感覚は、先の上司の説明のようにコップからあふれ出し、実際に喃語(バブバブとか言葉にならない最初の言葉)となり、そして「マンマ」のような初めの意味ある言葉が発せられるようになるのです。
それはほんと、突然話し出すという感じのことが多いのです。でもそれは偶然ではなく、コップの水が蓄積されていたからにほかなりません。
実はこのことは、タロットリーディングにも言えるのではないかと私は思っています。
というのはタロットもいわば絵で伝え合う言語だからです。
それでまずはタロット的な言葉を自分の中に入れていく段階がいります。
それは象徴の理解やリーディングにおける感覚も含めてです。自分だけでやっている場合と、先生や複数の人と学んでいる場合では違ってきます。
いわば言葉のシャワー度の違いです。シャワーの量が少なくても質がよければ、ため込むスピードは速くなります。
いずれにしろタロット的な言語・知識が自分の中に蓄積されていけば、ある日を境にして突如タロットの理解やリーディング能力が進むことがあります。
それがコップの水があふれだした瞬間です。
私の講座でも、たとえば基礎講座では残すところあと二回か一回というところから急に能力を開花される方が多いです。
それはご本人の蓄積によるところが大です。たとえ講座中に開花しないように見えても、努力している人は必ずあふれ出します。
自分には向いていない、才能がないと言って、あともう少しなのにやめてしまう人もいて、とてももったいないと思います。だいたい何事も夜明け前が一番苦しく、不透明なのです。このことはタロットの「月」がよく表しています。
あまりうまくリーディングができない人も、今のあなたは自分の中にタロット的言語の水をためている段階だと思い継続していきましょう。
いつもブログ拝見しております。
私は、タロットを始めて1年になります。
なかなか上達しなくて諦めかけていましたが、こちらの記事を読んで、励まされました!
いつか上手に読める日が来るまで、続けていきたいと思います。
なにより、タロットは楽しいですし。
ありがとうございましたm(__)m
>ユンナさん
コメントありがとうございます。
タロットか楽しい、その言葉が出ることが
もっとも大切だと思います。
楽しく努力されていればきっとタロットの
言葉はユンナさんからあふれ出してくること
と思います。がんばってください。