恋と愛の違いの一考察

恋愛」という言葉は、「」と「」という文字の合成でてきていますよね。


私の恋愛セミナーにおいても、参加者の皆さんに『「恋」と「愛」の違いは何だと思いますか?』とお聞きすることがあります。


回答はいろいろあって面白いです。まさにその人の恋愛(恋と愛の考え方)観が出ているように思う時もあります。


答えは人それぞれであり、その人なりのものでいいと思いますし、また答え自体も経験や知識によって変化していくものでもあるでしょう。


さて、それでも「恋」と「愛」との違いについて、ひとつの考え方をご紹介したいと思います。


それは先述したように、この違いは人によっては異なるものなのですが、両者(恋と愛)を考えること自体に意味があり、タロットでいえば「恋人」カードが象徴していることの啓示を得るヒントにもなるからです。


一般的に「恋」は「愛」よりも限定的だと言われています。「恋」のほうが「愛」よりも狭い範囲で、対象が限定されていることが多いというものです。逆にいえば「愛」は「恋」よりも広く、限定されないものだと表現できるかもしれません。


これは「広さ」から見た場合ですが、では「深さ」ではどうでしょうか? 「恋」のほうが深いですか? それとも「愛」のほうが深いでしょうか? 


こうなってくると、また意見が分かれてくるかもしれません。ただやはり深さでも「愛」のほうが本当の意味てば勝る気がします。「恋」のほうは深いように見えて細い矢のようでもあり、実はあまり深くない印象がしますね。


それはさておき、ここで私なりのひとつの意見を言わせていただくと、「恋」は波の振幅が大きく、「愛」は穏やかだと感じます。


そして「愛」の振幅は穏やかではあっても、波の細かさは非常に小さく、いわば振動数が高いというように思えます。反対に「恋」は振動数は低いという印象ですね。


「恋」の場合、振幅が大きいということは喜びも大きいように見えますが、逆に悲しみもそれだけあるということです。


これを対象へのエネルギーとして考えると、結局「恋」は自分に向いているのであり、「愛」は他者に向いていると考えられます。


ですから「恋」は自分方向なので、自分がどうなのかということが中心となり、自分の感情や気持ちに注意が向けられ、感情は「快・不快」で判断して「快」を求めますから、いつも「自分が快であること」が命題として横たわります。


一方の「愛」は他者中心なので、初期の段階では他者の快になるような命題が下されることになりますが、他者の快は実のところ、他者の感覚なので難しいことになり、最終的には快・不快を超越したもっと高次のレベルでの他者に対しての「善きこと」を命題とするようになります。


そして、ここが「恋」と「愛」のもっとも大きな違いになると思えるのは、「恋」はつらく、「愛」は楽しいということです。ここで言う「楽しい」は単なる遊びの楽しさではなく、歓喜というものに近い喜び在る楽しさです。


「恋」ももちろん楽しくてうれしいのですが、相手の気持ちや行動にによって自分の感情も変化することが多いので、実はつらいこともあり、楽しさとつらさが表裏一体で存在しています。(これが波の振幅の大きさです)


従って、もしあなたがつらいと感じているのなら、それは「愛」ではなく「恋」だということです。

 

では「恋」は「愛」よりも劣っているのかといえば、ある面はそうかもしれません。


しかしながら、実は「恋」は次元の異なる「愛」の表現でもあるのです。つまりは本質的に同じ部分があるのです。恋によって愛を知り、恋から愛へと自分の意識とフィールドを変容させることが可能なのです。


どんな「恋」であれ、そしてそれが限定的で身勝手と思えるものであっても、その衝動の奥には「愛」が隠されています。


成就する「恋」も喜びを味わえるでしょうが、成就しない「恋」にも大きな別の可能性が秘められており、むしろ「愛」に気付く飛躍のきっかけになることもあります。それは自分から他者へと意識がシフトしていくからです。


「恋」と「愛」の違い、そしてその合一から生まれるものについて、タロットカードの「恋人」とともに感じてみることは大変意義のあることだと思います。

コメント

  1. ありのまま より:

    恋は相手にこうしてほしい。と望むことで、
    愛は相手のために、行動することじゃないかなと思いました。
    言葉では愛してるといっても、相手が本当に困ってるときに自分が何をしてあげれるのか。
    プレゼントもそう。
    自己満じゃなく相手が何をしたら喜ぶのか何を求めているのか、目の前の相手ではなく相手がいないときに、相手を思いやれるのが愛かなあ。
    愛をもらうと安心感を感じますよね~。
    相手に気に入られたいとかじゃなく相手の喜びが自分の喜びみたいなね。
    深いです。
    でもなかなか愛って安心感があるし、さらりとしてるから気づけなかったりするんだけど、
    嬉しいものです。
    人からしてもらって嬉しかったことは、私も大事なひとにしていきたいと思います。
    恋愛でもそれができたら結婚するんだろうなあ

  2. >ありのままさん
    恋と愛との違いの解釈ありがとうございます。
    ホントに愛をいただくと自分からも与えたくなりますね。それが愛の力なのでしょうね。

  3. S より:

    出産後のママは、小さな天使ちゃんに対し、恋してるときと同じホルモンが分泌されてるらしいですね。(オキシトシンかな?)
    無条件の愛へのステップ・・・
    お得意の分野(笑)、なるほど!!と読ませていただきました。

  4. >Sさん
    なるほど母子の関係にも恋が潜んでいるのですね。愛だとばかり思っていましたが。。。
    以前は大アルカナの説明時で、少々力(りき)が入り過ぎだった「恋人」カードの解説も、最近は穏やかになっていることに自分で気がつきました。不思議ですが。

  5. S より:

    >タロット講師 宮岡和宏さん
    大きな波に揺られて天国と地獄を体験するのでなく、小さな出来事にささやかな幸せを感じる穏やかな毎日を送りつつも、官能の真髄を追求することになりそうです。(笑)

  6. >Sさん
    すごい表現ですね。
    穏やかな中にも激越なものがあり、その逆もまたありでしょう。真理の追究、頑張ってくださいませ。

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