「思い」と「行動」の関係について

マルセイユタロットでは、特に「女帝」と「皇帝」で象徴されていますが、「思い」と「行動」ということについて、書いてみたいと思います。

「思い」と「行動」は、人間にとって、それが一致することは、実は一般に考えられているより、少ないのではないかと思います。

これが本能で生きる動物となると、ふたつは矛盾することなく、思い即行動、行動=思いの表現・動作ということになるでしょう。

しかし人間の場合、なまじ思考・想像という力をもっているために、なかなか行動に結びつかなかったり、思いと裏腹な行動を取ってしまったりします。

「行動」は、現実・実際においてわかるもの(見えるもの)ですが、逆に「思い」は見えないものです。

この点がまた誤解を呼びやすく、対人関係、人との交流において特に問題となります。

知識と情報は、私たちを進歩させますが、一方で、様々なデータを抱えることで、選択としては難しい状況を生み出していきます。

単純なコンピュータのように、データをある決まったルートで分析し、判断するのであれば、すぐに答えは見つかり、むしろデータはたくさんあったほうが確信を得やすいのですが、人間は、データをもとに、あれこれと想像を巡らし、結論へのルートが多様に散らばって行くため、いわゆる混乱や葛藤の状態を生みやすいと言えます。

ただ経験則によったり、何か自分なりの信念が強くあれば、知識、つまりデータが多くても、明確な答えは早く導き出せるでしょう。

ここのところが、経験を活かすことの良さ、強い意志や信念を抱くこと、あるいは何か使命や目的というものがあったほうがいいという理由につながります。

つまり、データをまとめるためのルート、または分類基準がはっきりしているということです。

こういう人は、悩むことが少ないので、行動も素早く、ストレートなことが多くなります。

そして、行動は自ずと結果を呼びます。

その結果が失敗か成功かというのは、その人の価値観が決めることなので、結局、いずれであっても、結果としてのデータがまた入ることになります。

これは実際の行動に関係したデータですから、あれこれ思考していた時のデータとはまた違います。

よって、かなりフィードバックとしてのものや、経験的・実際的データとして使えることになります。

すると、強い信念や目的意識のある人は、これらのデータをもとに、ますます、物事を有利に進めていく(シミュレーションを改善していき、よい結果にしていく)ことができます。

だからこそ、行動力のある人は、自分の思う、よりよい結果・成果を出しやすいのです。

ここから考えると、行動のためには、思いを整理して、シンプルにすることが重要であることがわかります。

面白いことに、マルセイユタロットでは「女帝」は「3」の数を持ち、同じ「3」つながりでは、そぎ落とすことを象徴する、「13」という(数だけの)カードがあります。

この二枚からも、思考を整理して、そぎ落とし、シンプルにしていくことで、次の数を持つ、「皇帝」の行動や、「節制」の救済につながっていくことが謳われているわけです。

しかし、整理する「方法」も重要です。

たくさん出た思考と想像、これをまとめ、整理し、シンプルにするには、やはり先述したように、目的を絞ることです。

人は多くのことをポジティブにもネガティブにも想像(つまりは創造でもあります)することができます。

それ自体は創造力としてすばらしいことです。(たとえネガティブなことであろうと)

心配性の人は、それだけいろいろなことを想像(イメージ世界の創造)することができるのです。

問題は自分の方向性を決めることができない、それが整理されていないことにあります。

単純な整理法でいうと、「今の自分は何をもっとも大切にしているのか」という「基準」「整理の観点・括り」を入れることです。

迷いは、いろいろなレベルでの正答を求めようとしていることに問題があります。

言ってみれば、たくさんの「自分」が、あれこれ、それぞれの価値観とレベルで意見しているようなものです。

ここでまとめ役として、「テーマ」を自分の中で掲げることです。

そのテーマが、「今、もっとも大切(重要)なこと」となるわけです。

それは「大きな意味での成長」ということかもしれませんし、「今の心地よさ」かもしれません。

また「愛情」の場合もあるでしょうし、「楽しさ」「損得、特にお金の得」「時間の効率」「スピード」「量」「味のおいしさ」などかもしれません。

選択における、その時その時のもっとも重要なひとつの基準を入れることで、思考・想像・感情(思い)を整理し、行動へと進ませます。

それから、「思い」から「行動」への方向を見るだけではなく、「行動」から「思い」へと逆の方向も見るとよいでしょう。

行動していること(外に表現されていること)が、自分の思いと一致しているか、そこに大きな違いがあれば、それは葛藤や歪みとして、自覚がなくても、奥底にねじれの感情として溜まっていく場合があります。

そのねじれがひどくなると、心身のアンバランス・不調として症状が現れることがあるのです。肉体がおかしくなるか、心がおかしくなるか、その両方の時もあります。

あるいは、スピリチュアル的に言えば、これまでのやり方では対処しづらい、外の現象の問題として現れます。

人は「思い」と「行動」が違うことが多くなる生物であることは、最初に述べた通りですが、それゆえ、両者がなるべく矛盾しないよう、整理と浄化(メンテナンス)を図っていく必要もあるのだと言えます。

タロットは心を絵柄として見える形て浮上させますので、まさに思いと行動の間を整理し、調和させていくツールとして、有効なものでもあるのです。

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