締めくくりと希望、隠者の光。
タロットカードは一部、数・数字を持っていますので、数の技法(数秘術)とシンクロさせたり、関係させたりすることはよくあります。
ただ、このブログでも何度か書いてきましたが、タロットはあくまで絵・図像が主体で、数は付随されたものに過ぎません。もちろん、無意味に数を与えられているわけでもないので、数と無関係でもないというところが、かえってややこしいことにはなっているのですが。
誤解しやすい点で言いますと、やはり数秘術は、1から9(そして0を入れた10のこともありますが)を中心とした数で考察していくのに対し、タロットは一桁の数の象徴性というより、システムやセット、組としての数のほうが重要になっているということですね。
つまりは、ひとつずつの数の意味合いより、組・セット、一連のシステムとしての構成数に注意を払うことのほうが、タロットにおいては大切になっているということです。
それでも、数を知ることは、タロットを理解するうえで、無駄どころか、有益なところはあると思います。たぶん数について学べば学ぶほど、タロットのおける数との整合性も自分の中で取れてくるでしょう。
逆にいうと、浅い段階で無理矢理、タロットの数と、数秘術的な数とを融合させようとすると、矛盾が出てきて、自分の中でますます混乱を来すことになるでしょう。
とはいえ、数には、直観で知る智慧もあるので、非常に優れた直感性を持つ方ならば、学ばなくても、理解できる(どの分野ででの数の使われ方の意味とその違い、根源的共通部分を理解する)人はいると思います。
ところで、今日は数の話をしておりますが、これまで言ってきたこととは離れて、今からの話は、どちらかと言えば、感覚的に見るようなものになります。
そこに、確かな論理性とか、根拠はないので(あるといえばあるのですが、長くなりますので割愛します)、気軽な気持ちで読んでいただければと思います。
年末にもなってきますと、今年一年を締めくくりたいとか、来年はどんな年になるのかとか、年の意味を知りたくなるものです。最初は全体(日本とか世界とか大きな括り)での意味を思いますが、やはり、関心の中心は、自分にとっての年の意味になってきますよね。
こういう時には、占いの世界では、いわゆる命占と呼ばれる、主に生年月日をデータのもとにした占いで、一年の傾向を見ることがあります。占星術などはその典型ですね。
では、タロットでそのようなことができるのだろうか?と問われれば、厳密な命占的な意味では難しいですが、おおよその流れとか傾向はタロットでもできないわけではありません。
その方法は、本当にたくさんあるのですが、一番シンプルなものは、その年の象徴(来年だったら2019年として)一枚引いて読むというものがあります。
一年は12か月ありますから、3か4の単位で見ていくことが便利で、つまり3か月スパンとか、4か月スパンでカードを引くことができます。そうすると、三枚引きだったら、その一枚を4か月と見ることができますし、四枚引きだったら、まさに春夏秋冬でありませんが、三か月、四半期ごとの一枚と見てもいいわけです。
あと、数秘的計算から見るのもあって、見たい年と自分の生まれ月日を全部一桁ごとに足して、ある数字を導き出し、その数を持つタロットが、その年を表すみたいな技法があります。(イヤーカード)
これとは別に、個人的なオリジナルなやり方ですが、2018年だったら、下一桁の18と関連させて、全体の傾向が大アルカナでの18の数の「月」のカードにあり、個人としては、生まれ月と日をばらして足して一桁にしたものと、途中の二桁の数(22の枚数と比べた、22を引いて出る数)のふたつの数、つまり合計で三つの数と、その数を持つタロット(大アルカナ)を関連させて三枚で読むのも、意外に当たっていることが多くて(これは感覚的なもので、論理的根拠はありませんが)、面白いと感じています。(個人的な数ふたつは当然いつも同じになるのですが、三枚を関連させていくことによって、毎年違った読みになり、興味深いものとなるのです)
もちろん、数とは関係なく、今年、2018年は私にとってどんな年だったか?とか、 今年は何を学ぶことが必要だったか?みたいにテーマを決めて普通に展開してみるのもよいでしょう。これは一年の締めくくり的な感じで行う時ですね。
年を見るには、シンプルな展開のほうがよいので、あまり枚数を多くしたり、複雑にしたりせず、数枚で読んだほうが理解しやすいかもしれません。
ただ詳細に知りたい人は、いつもやっているような展開法でやってもよいです。
今年一年、まだすっきりしない、積み残しのような課題がある、心がもやもやしていて年を越せないという人もいらっしゃるかもしれません。12月には、そのような方のご相談が増える傾向も確かにあります。
やはり、人は一年の区切りをもって、新年に臨みたいという気持ちが、これだけ年と月の認識が標準化されてしまうと、12月と1月とではまったく意識も質も違うので、改まりたければ、浄化しておきたい、すっきりさせておきたいと思うのは当然、心理的にも働くと思います。
物理的に大掃除するのと同じということです。
まあ、思い込みだけではなく、暦にも意味があり、やはり太陽と地球の動きを中心として、年末には冬至がありますから、そうした天体の動きと呼応する部分は、人にもあるわけで、冬至といえば、古来より、重要視されてきた時のポイントであり、太陽の復活再生の象徴性をもって(今は世界中がイエス・キリストと同化していますが)知られています。
とすると、私たち全体もそうですが、個人個人にとっても、冬至の時期を切り替えとして、また一年の概念としては、大晦日から元旦という切り替えの時で、締めくくりやそぎ落とし、浄化、掃除を行いたい衝動、そして、気持ちも環境も改まって、フレッシュな自分が蘇り、再生した新たな自分としてスタートしたいという思いも出てきます。そうしたほうが、自然の流れにも叶っているわけです。
ということで、タロットを使って、いろいろとすっきりと整理して、次に向かうのもありでしょう。自分でできない場合は、タロットリーダーとか占い師に見てもらうのもよいですよ。(宣伝しておきますが、私も一応プロのタロットリーダーです。(笑))
でも、完全にすっきりできなくてもOKです。積み残しがあってもいいのです。あるポイントで劇的に変化する場合もあれば、少しずつ、ゆっくりと変わっていくパターンもあるからです。
完璧を目指すと、余計つらくなります。少しでも、癒されたり、前向きになったり、希望が出てきたりすればOKです。
この時期は寒くなっていく季節ですが、イルミネーションが街にきらめいていたり、クリスマスの雰囲気で温かい感じになったいたりと、人や雰囲気のほうは逆に温かさ、ぬくもりを感じやすい時でもあります。象徴的に言えば、天使や観音が舞う(活躍する)時期と言っていいかもしれません。
苦境にあったり、たまたま一人で、強く孤独を感じたりする人もいるかもしれませんが、あなたのところにもプレゼントはあり、見えなくても、温かさ、救いを感じようとすれば、感じやすい時なのです。
一見、人によっては影を強く感じるこの時期かもしれませんが、影が強くなるということは、裏を返せば、それだけ光も強いのです。影ではなく、光のほうを見てみましょう。
例えば、マルセイユタロットの「隠者」は、その名の通り、普段隠れた存在ですが、その手にはランタン・光明があり、見ようとすれば、見ることも可能な時があります。
それはいわば、自分の内にもあるものですし、そんな風に見えなくても、かつてのよい思い出として見てもいいのです。探せば、必ずあなたの中に光明はあるものです。
もう一つ言えば、あなたが愛した人もあなたの中にいるのです。
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