タロットによる分析あるいは俯瞰
タロットの大アルカナと小アルカナ。
このふたつの使い方には、様々な方法があります。
ところで、人は、困ったり、悩みや問題を抱えていたりすると、その解決策を模索します。
この時、分析的な解決の指向性と、俯瞰的あるいは直感的な解決指向性との方向があるように思います。
そして、大アルカナは統合的・直感的(直観でもあります)に使え、小アルカナは分析的な方向性に奏功します。(考えによっては、その逆の使い道もありますが)
小アルカナは4組に分かれているので、それを分析要素として見るわけです。
大アルカナは、全部で22枚ありますが、一枚一枚が、実は第五元素的なものと見ることができ、この第五元素というのが、小アルカナの4組(四大元素を象徴)の大元にになっている概念なのです。
従って、4組が統合されたもの(第五元素)として、大アルカナを考察することが可能になります。
悩みや問題は、要素別に分析したほうがはっきりと対処方法がわかったり、優先事項が判明したりすることもあるので、小アルカナを使って要素別(4組・四大元素別)に見るとよいわけです。
一方、細かな要素を見過ぎるがゆえに、大局的な見方ができず、かえって迷ってしまうこともあります。
「要するにこういうことなのね」「一言で表せばこうだ」「全体的には間違っていない」とか、そういう視点だと楽になる場合もありますし、どこに向かえばいいのか、ゴールのようなものから、今必要なことが逆算できるケースもあるでしょう。
分析的に見る場合、小アルカナを単純に使う方法があります。
ひとつご紹介すると、小アルカナの数カード(スート・数札)の一番(エース)を代表とし(特にマルセイユタロットは一番が絵になっているので、1の数札で代表するのに適しています)、剣・杯・杖・玉(ソード・カップ・ワンド・コイン)の4枚を取り出します。
ついで、大アルカナ22枚をシャッフルし、さきほどの小アルカナ・エース4組の位置に引いて、1枚ずつ置きます。(重ねてもいいですし、すぐ下に置いてもよいです)
正逆は取らない方がわかりやすいので、トランプシャッフルをして、カードを繰るとよいでしょう。
そうして、4組別に、出た大アルカナによって判断していきます。
ウェイト版のように、もともと数カードにも絵があるようなものだと、大アルカナと併用させる必要もないかもしれませんが、マルセイユ版は数カードは記号のようなものになっていますので、その意味を見るのには、大アルカナを併用させたほうがわかりやすいのです。
4組には、いろいろな解釈がありますが、こういうシンプルな分析に使う場合は、最初から単純な意味にしておくとよく、例えば、剣は学習・知識、杯は心・人間関係、杖は仕事・行動、玉はお金・経済みたいな感じです。
大アルカナを引くことで、4組の重要度もわかりますので、何を優先し、集中すればよいのかが明確になります。(4組の優先順位だけではなく、4組別のそれぞれにおいても、例えば「玉(お金)」では何が大事なのかということも、大アルカナの象徴性によってわかります)
これとは反対の、いろいろあり過ぎて(考え過ぎて)わけがわからなくなった人は、大アルカナを一枚から三枚程度、引けばよいでしょう。これも正逆はなしのほうがいいです。
そうして全体的にカードを眺め、意味というより、直感的に絵を見て、まさに“感じる”がごとく、あり方や大きな方向性を知るようにします。
もちろん、自分用だけではなく、タロットリーダーの人は、クライアントの悩みや状況に応じて、こうした分析的小アルカナの活用と、大局的大アルカナの活用を、相手に施していくことができます。
タロットはよくできていますので、様々な使い分けも可能なのです。
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