変容の未来と過去 終わらすもの
最近はあまりしませんが、昔はいろいろと自分のほうが(プロの)人に相談をすることがありました。
それは自分が相談を受ける立場である(を目指す)こともあって、参考にしたり、勉強したりする意味があったからです。
また講師をするようになってからは、受講生がこれからタロットで相談を始めるに当たり、実際の市場の状況・平均的質などを把握しておくためもありました。
そうした(相談した)時に、よく告げられるのは、「何かの始まり」とか「変化の時」とか、「新しい自分になろうとしている・・」と言った、変化・変容中、切り替わりの時期であるということです。
まあ、人に相談するような状態ですから、誰でも問題を抱えているわけで、それは平常ではないとも言えますから、つまりは「変化変容中」、そしてポジティブに言えば、「新しく生まれ変わろうとする時期」であると言え、そう指摘されれば、皆、その通りとなりがちです。(笑)
まるで一頃流行った「コールドリーディング」の世界ですが、このように、実は相談においては、誰しもが当てはまる心境というものはあり、それを意図的に言って当たったように感じさせ、洗脳させるという手段もあることはあります。
しかし、結局、たとえば「占い」であっても、カードやサイコロ、運命の式や計算による流れが、やはり変化や新しいことに向かうものを示唆するのです。
皆がそういう傾向があるとしても、占いがそう示すので、そう伝えているのだというわけです。卵が先か鶏が先かの違いに近いですね。
さて、そこで相談者と相談を受ける側が未来志向になりますと、「新しき方向」「新生される自分」というものに注目が行きますが、一方で、忘れがちなのが、「終わり」や「過去」、「今現在」への視点です。
つまり切り替わりや変化があるということは、もちろん目指すべき、あるいは現れてくる未来の新しいものがあるわけですが、同時に、終わっていくもの、滅んでいもの、失っていくもの、いらないもの、今取り組むべきものも存在するわけです。
陰と陽、死と再生、表と裏、何事も二面性があります。
変化変容中ではあっても、いや、たがらこそ、きちんと終わらさねばならないものがあります。
「あなたはこう変わって行っているのよ」「あなたの未来はこのようにすばらしくなりますよ」と言われても、手放しで喜んでいいこともありますが、そうではないこともあるのです。
それは今現在、中途半端になってしまっている事柄がある場合で、それを終わらせたり、しがみついているものを手放したり、関係を切ったりしていくことであり、心理的・あるいは実際的にそれを行うことが求められるのです。
言い方を換えれば、燃焼させてしまうという感じでしょうか。
心残りであれば、それを水で流したり、燃やしたりすることになり、そのためには過去にいったん戻って、気持ちを納得させることも必要になるかもしれません。
現実には過去に戻ることはできませんが、イメージや精神の世界では可能です。また物理的にも距離があったり、障害があったりして会ったり、行ったりすることが不可能な場合でも、イメージではできます。
とにかく、実際でもイメージでもよいので、決着をつけることが本当の意味で新しいことに向かえますし、新しいものが向こうからやってくるとも言えます。「向かい」と「迎え」です。
相談に行き、「あなたは新しくなろうとしている」「何か変化の最中です」と言われたのならば、逆に今と過去にも目を向けて、処理すべきもの、捨てるもの、終わらすもの、味わい尽くすものがまだ残っていないか、点検してみるとよいでしょう。
強い心残りは死ぬ時に問題となります。下手すると自縛霊(思念エネルギー・データとして残してしまう状態と考えられます)となるおそれもあります。
心残りを終わらすためには、ひとつには心残りにならないよう、そのまま残っていることを現実的に解消すること(体験すること、実行すること)か、できない場合は、心残りの思いを浄化することです。
浄化するとは、心残りだと思えないように昇華する心を持つということでもあり、それまでの思考や感情を超越したものを持つと言い換えてもよいでしょう。
簡単に言えば、「心残りだど思っていたけれど、それは仕方のないことだった」「あれはあれで良かっのだ」と心底思えるかということです。
そうした意味でも、自分のひとつの人生ストーリーをたくさんで読み解けたり、創造できたりすればよいわけで、タロットはその援助ができるものです。
コメントを残す