タロットの使い方
タロットに親しみやすい時代に。
昨日はタロットの体験会を神戸市内で行いました。
今回は少し趣向を変えて、カルチャーセンターのタロットの受講生の方々を対象に、通常の教室で行っているものよりももっと深くこのタロットを体験してみましょうという形にしてみました。
私の体験会は、はじめてカモワン版マルセイユタロットのリーディングを経験してもらうものと、今回のように入門的なリーディングは知っているけれども、さらにステップアップしたリーディングがどんなものかを体験してもらうものとのふたつを用意しています。
今回は後者だったわけですが、それにしてもしばらくタロットを教えることを続けていますと、最近の受講生さんたちの変化(違い)というものを実感しています。
それは何かといいますと、生徒さんたちのタロットへの感じ方(理解というより直観的な把握に近いものです)が、現在はとても早くなっている気がするというものです。
これは前の生徒さんたちが劣っていたというわけではありませんし、私の講義の力がアップしたということでもないと思います。(講義内容はいつもブラッシュアップしていますので、年々、多少はわかりやすくはなっているとは思いますが)
その理由としては、タロットの展開法を個人的に従来のものから変えたことにも関係してくるのですが、何か地球全体のエネルギーが変化しているからではないかと想像できるのです。
その総合的な変化により、タロットに流れる目に見えない何かかがあるとすれば、それとも感応しやすい人が増えてきたという印象です。
エネルギーの増幅によってスピリチュアルなことに関心を持つ方が増えてくると同時に、さらにその増加した層に影響されて、もともともっていたものが開いたり、解放しようと、タロットのようなものに引き寄せられていくということなのかもしれません。
たとえタロットになじむことが遅かったり、タロットリーディングがなかなかうまくできなかったりしても、自分の奥底に眠っている(あるいは自分を縛っている)ものに、以前より早く気がつくようにもなっていると感じます。
今までタロットは占いという世界だけのもので使われてきたことが中心でした。
しかし、これからの時代、明らかにタロットの使い方は変わってきているといえますし、占いを超えた多様なことに求められているようにも思います。
占いも、もとはといえば皆さんが幸せになるために活用されるものです。(由来自体は軍事や政治などであっても現在は、ということです)
しかし従来の、吉凶判断、未来予知、状況診断(いいか悪いか、これをすればこうなるというようなもの)でタロットを使って幸せにしていくというもの以外の方法もあるのではないかということです。
そして「幸せ」の基準や考え方・概念も今はかなり変わってきています。物質的な成功も大変重要ですが、表面的ないわゆる生存や物質欲求(衣・食(職)・住)を満たすだけでは当然時代遅れにもなっています。
ですからタロットの活用方法が時代によって変容していくのも、言ってみれば道理だと考えられるのです。
カモワン版マルセイユタロットは占いだけではない、タロットの奥深い価値を知るのにはもってこいのものだと私は感じます。
同時にタロットになじみやすい時代にも変化しているので、自分とタロットが感応しやすいタイミングであり、学びやすい時期になってきているといえるでしょう。
前進ばかりじゃつまらない。
世の中、改革や改変、前向きなことのメッセージにあふれています。
何かしなくてはならない、今のままではいけない・・・と必然的にあせりが生じるような仕組み(仕掛け)になっています。
確かに積極的に前に向かって進まなくてはならないこと(人)は多いものです。
しかし、自分がいったい何をしてきたのか、今の自分にどれほどの価値があるのかを見ていないと、先には進めないということがあります。
それにはそれまでの道のり、つまり過去を振り返ることが必要です。
自信のない人、何をしたらよいのかわからない人ほどそのことは重要となってきます。
自信満々、やるべきことはわかっているという人は案外少ないものですから、普通の人には過去を振り返ることは必要な過程だということです。
では過去を振り返って何をするのか?
単純には過去の整理です。具体的にいえばこれまでの自分が行ってきたことのプロセスと実績(結果)を見る(確認する)ということになります。
しかしながら、これを何も道具を持たず、単独で行うのには少々困難なところがあります。何事も一人でやれといわれると、わかっていてもなかなか手がつけられないのは皆さん経験済みでしょう。
そこで、ここに、たとえばタロットリーディングということを手法として持ち込んでみます。
カモワン流のタロット展開では過去・現在・未来という時系列をブロック(認識する時系列)別に、詳細にカードで見て行き、分析します。
この時、単純に過去のカードが一枚だけで終わるというようなことはまれです。カモワン流はその独特の展開法(タロットの並べ方法則)によって、流れるように相談者自身のストーリーがタロットによってドラマチックに展開していきます。
過去の展開の場合、その部分を自分自身の目で確認することによって、ある感覚が生じます。
それは大きくわけてふたつのことを意味します。
1.何を自分が見なくてはならなかったのかが絞られる
2.自分なりにやってきたことが確認でき、自信につながる
1は、タロット展開の前に質問(問い)をするのは普通ですが、たとえ質問がなくても出たカードによって、自分が過去において整理すべきポイントが明確になってくるという利点があります。
質問をしていた場合は、さらにその質問に関する中でもポイントが絞られるのです。いわば、現在の問題の原因・要因といったものを確認することと同じような意味を持ちます。
2は、人の記憶のあいまいさを補強する意味があります。
人は結果的なこと(起こったこと)は覚えているものですが、その過程・プロセスは意外に忘れているのです。また自分中心の記憶しかありませんから、他人視線での記憶というものは、ほかのデータでも見ないとわかりようがありません。
それがタロットの画像で確認することができるのです。タロットリーダーがいれば、他人視点での「自分のスートリー(つまり記憶)」を見直すことも可能です。
こうして、自分でも思ってみなかった、あるいは忘れていた自分なりの努力と結果に価値を見いだすのです。それは小さな成功体験の発見といってもいいかもしれません。
そのことにより、自分の価値を再発見し、今度は不足していた、あるいはやり過ぎていたものを調整しながら、バランスを取って前に進むことができるようになるのです。
それは言ってみれば「後顧の憂いを絶つ」というような前進ですので、気持ちのよいスタートになっていくのです。
タロットリーディングを受けてあなたも過去を見つめてみましょう。またタロットを学んで、自分自身で見ていくこともよいでしょう。いずれにしても、タロットはあなたにとってよいツールになることは確かです。
※質問と展開によっては、過去があっさり終わることもあります。それはそれで意味があります。
自分のことを振り返る月
新年になると占い師の人たちは結構忙しいようです。というのは、やはり新しい年がどんな年なのか占ってほしいという人が多いのと、イベントなども増えるからですね。
しかし反対に、一年を振り返ってみるということはあまりしないようです。それはそうでしょう、「占い」というのは世間的には未来がどうなるかを知るためにあるものだと考えられていますからね。
しかしこれがカモワン流タロットともなれば、過去・現在・未来にわたって分析していく手法をとりますので、過去をふりかえることもできるわけですし、それが重要であることもあります。
カモワン流の展開でなくても、たとえば先日お話したイヤーカード で見て、一年のテーマや課題がどうだったのかを検証するのも面白いでしょう。
師走の月、それをする(一年を振り返り、今後に生かすことをする)のもよいタイミングです。
そうすると、自分のやり残した課題、反対に変えることのできたもの、取り組めたものなどがわかってきます。
まずは自分がこの一年で、事の大小は問わず、やれたことは自分で評価してあげましょう。
動かない物体を動かすには最初に摩擦力に抵抗して大きな力が必要なように、たとえ小さな一歩でも、その後の大きな前進につながることが多いからです。
しかしそうした中でも、どうしても根本的に問題となっているもの、わかってはいるがやはり今年も積み残されたものが見えてきます。特に精神的・霊的に向上を目指している人にはそれが強く意識されます。
「何か自分の奥深くに根ざした問題があるようだけれども、それが何なのかわからない」というような場合は、タロットにおいても他の人(同じタロットと技法を使うプロ的な人)にみてもらうとよいです。リーディングによってそれが発見でき解決に向かう可能性もありますし、単純にタロットリーディングの学習にもつながります。
またタロット以外の技法でプロとしてやっている方にリーディングしてもらったり、カウンセリングを受けたりするのもありでしょう。違った観点が有効なこともあるからです。
関西では、占いの館にいながらきちんとしたカモワン流のリーディングをされていらっしゃる方がいます。占いの館なので思い立ったら気軽に行けるのがよいところです。その人は心斎橋の占龍館の星矢さん です。彼は旧タロット大学で講師になる修行もされていましたし、アカデミズム系の心理資格もあり、その先生もできる人です。
また芦屋市でハーブの料理教室ほか様々な講座を行われ、すばらしい能力と知識でカモワンタロットのリーディングもされているNRC自然療法研究所 の方々がいらっしゃいます。ここはカモワンタロットを教えられてもいますので、習いたい人にもお勧めできるところです。
実は皆さん、タロット大学時代の先輩や同僚として一緒に関西でカモワンタロットを教えていた人たちです。本当に人間的にもすばらしい方々なので、ご紹介いたしました。
あと、最近のことですが私のタロットリーディングを受けていただいた時に、反対にそのお礼として私がスピリチュアルリーディングを受けまして、なかなかそのすごい能力に私も驚かされた人がいらっしゃいます。
私の中にある奥深い部分(いわば内的な声というようなものです)まで探求くださり、いろいろと具体的なアドバイスもいただいて、とても参考になりました。単に指摘するだけではなく、その解決策、目指す行動もその人の内側の部分から取り出してくれるのでわかりやすいですね。ちなみに、その方のブログはこちら です。関心のある方は是非どうぞ。
あ、それと私のタロットの受講生でタロット占い(リーディング)もして、整体もされる(特に美容整体、女性にお勧め)という大阪・長居の氣分屋さん もいらっしゃいます。肉体へのアプローチも試みたい方はそちらへどうぞ。
というようなことで一年を振り返る話題から、そのためにタロットはもとより、他の人や技術を活用することを参考までにお話いたしました。
調和・救済への必要な作業
タロットを使うことでも使わないことでも、セラピーやカウンセリング、セッション、占いなどで人の役に立ちたい、対人援助を仕事にしたいと思っていらっしゃる方は少なくないてじょう。
しかしその前にはまずはやっておかねばならないことがいくつかあります。
その中でも非常に重要なのが、自分を知る作業を行うということです。
つまりは自分を見つめ、自分を理解していくことです。
人の援助をするということは、人のことをよく知らねばなりませんが、その前には自分と向き合い、特に自分の中に取り残されてきた感情や思い、ネガティブな反応やパターンなどを洗い出す必要があるのです。
もちろん全部完璧に見つめ切ることはできないでしょうが、少なくともその作業を行っていく覚悟はいりますし、いくつかの偏見や色メガネとなっている内側のものは出しておくことが望まれます。
そうでないと、自信のないままにクライアントを相手するばかりか、自分の中にあるネガティブな思いがクライアントをも巻き込むことにもなりかねません。
自分を見つめ、向き合う作業は孤独でとてもつらい仕事です。一人では難しいこともありますので、心理のプロの方などとともに取り組むこともあるでしょう。しかしそれでもやはり最終的には自分自身で克服したり、統合したりしていかねばならないのです。
自分を知らねば人を知ることもできず、自分(の内面)を救わねば、人も救えないというのが究極的な真理といえましょう。
ただ先にも述べましたが、最初から完璧な人間などいませんから、ある程度のところで対人援助を行いながら、また自分の枠やブロックを解除したり、解体されていたものを統合したりしていくのが現実的かもしれません。とはいえ、時には仕事を中断し、集中的に自分の課題に取り組む時間も必要となってくるでしょう。
それはまさにタロットでいえば「吊るし」「13」「節制」のサイクルのようなものです。
また何も対人援助を志さなくても、自分と向き合うことは厳しくとも結果的には喜びの人生、有意義な人生に導かれると予想されます。
バラバラになった、あるいは隠されていたいくつかの内面の自分を直視し、つらいくともひとつずつ癒しや解決を図っていくこと、そのプロセス自体「心の錬金術」ともいえますし、本来の自分を取り戻す自己成長の旅路だといえましょう。
運が悪い、恋人に恵まれない、結婚できない、人間関係に苦しむ、仕事がうまくいかない、お金に困っている、体が弱いなどといった人生における悩み事は、元を正せば自分の中にある問題が放置されていることに原因があることが多いものです。
本当に苦しい時はすぐに助けや救済を求めていけばよいでしょう。とにかく余裕がない時ですから。
ですが、とりあえず苦しみから一息ついた時、今度は改めて自分と向き合っていくことです。根本的な解決はそこにあるかもしれないからです。
その過程で一時的にはまた苦しみや災難と思えるような事態が訪れても、それは浄化の道においての泥だし(浚渫作業)のようなものだと考えられます。泥が外に出れば、臭って醜悪にも見えるものだからです。
自分を見つめるには、タロットもその一役を担うことができます。
タロットをすると驚きと感動があります。
タロットに最初にふれて、占いでもリーディングでも、自分のためにカードを引くと(あるいは引いてもらうと)、そのカードがまさしく今の自分(の状況・心境)と関係していることを知って驚きます。
たくさんのカードの中(通常は78枚、大アルカナだけなら22枚)から偶然引いたのに、なぜそれほどまでに自分にぴったりのカードが出るのかにびっくりするのですね。
この最初の驚きはかなり衝撃的でインパクトを持ちますので、のちのちタロットを続けていくにしても、ずっと忘れない記憶になることもあります。
しかしながら、これはほんの入り口であり(でもとても重要なものです)、次第にタロットが問いや自分のことにふさわしいカードが出るのは、むしろ当たり前と感じるようになってきます。
それは単なる偶然ではないかと思う人もいるでしょう。
またうがった見方をすれば、こう考えることもできます。
たとえば血液型占いの本を手にして、A型の人に何型の項目を読んでいるのかを知らせずにB型の所を読んで聞かせると、A型の人は「そうそう私はそういうとこ、あるある」とうなづいてしまいます。
実はこれは人間は誰しも総合的に全部当てはまるパターンは持っており、その一部分を指摘されると、皆、「そういうことはある」と感じる仕組みを利用したものなのです。人は単純にひとつの型にはあてはまらないのが本当だからです。
ですから、タロットカードが人の心や事柄の普遍的なパターンを象徴しているとすれば、どれを引いても自分にとって当たっていると感じることもあり得るわけです。
ところが、タロットカードを引いて行けばわかりますが、確かにどれを引いても自分には関係するとはいえ、たとえば仕事のことを質問すると「仕事」を最も象徴するカードが偶然以上のタイミングで現れたり、自分でも気付かなかったことを象徴するようなカードが出てきたりと、その登場の仕方には何かの意志がある(宿っている)のではないかと思わざるを得ないところがあるのです。
百歩譲って、すべて偶然だったとしましょう。それでも、カードに自分を投影することができ、自己を分析したり、顧みたりして、指針を得ることのできるカードというのはそうそうあるものではないと思います。霊的なことを抜きにしても、心理機能的には十分役割を果たしているといえましょう。
さて、最初の衝撃を経験したあとは、今度は(カモワン流展開の場合)自分のストーリーが過去・現在にわたってそのままカードにも展開されていることにさらなる驚きと感動を得ます。だからこそ、未来のカードも信用することができます。
そして今度は、単なるカードと自分の符合・一致を確認するだけではなく、カードからのメッセージもくみ取ることによって、自分の運命や人生が自分で変えていくことも可能であることを知ります。受動から能動に切り替わるのです。
心やあなたの持っていたネガティブな自分へのイメージは変化し、心が変われば態度や心構えも変わって、実際に行動するようになります。
行動は私たちの住むこの現実世界でもっとも有効な「働きかけ」の手段といえます。なぜなら形ある世界には形ある実際の動きこそが効果があるからです。たとえれば固形物の形や場所を変えるには、ハンマーをふるうとか、手で動かすとかが必要であるということです。
こうして少しずつ自分と現実にもいい意味で変化を経験し、タロットに対して揺るぎない自信と信頼を得るようになります。
ただこれはタロットを神と信奉するのではなく、もともと自分の中に備わっていた神性なる部分、高次の自分とタロットがコンタクトするように導いてくれたと考えるべきです。
ですから、本当はタロットが変えてくれたのではなく、タロットを通じて自分自身で自分の価値を高めた(本来を取り戻した)ということなのです。
この時、また別の意味でタロットへの感動が起こります。いや、むしろそれはタロットへというより、自然や宇宙、そして自分の中にある崇高さというようなものへの畏敬の念ともいえるものでしょうか。タロットマンダラでいえば、「星」のような段階と感覚です。
このように、タロットを続けていくと、段階的に別種の驚きと感動があなたに訪れることになるのです。