親と子

ちょっと前の話になりますが、久しぶりにサッカー日本代表戦を観に行きました。


そこで遭遇したある光景。
私の席はひとつ上のランクのカテゴリーに接しているところで、私のいるこちら側のカテゴリーの席はいっぱいでしたが、あちら側のいい席の方は結構空いていました。そうして試合が始まった時、私たちの側にいた観客の中で、ある親子が、監視員が見ていないのをいいことに、テープラインを乗り越えて空いている上のカテゴリーの席に移動し始めました。最初はさすがに気になるのか、その親子(父子)は椅子席に座らず下の階段で腰を下ろして観戦していましたが、誰からもお咎めがないのを見てとると、堂々と椅子席に腰掛けて居座ってしまいました。その上、前の席も大きく空いていたので、その椅子の背もたれに土足で足を投げ出し、観戦する始末でした。
私はこの人たちを告発するつもりで書いているのではありません。問題は父子であるということなのです。最初にルールを無視する行動を取ったのはその親でありました。子供のほうは、ちょっとびくついてはいましたが、お父さんの行いを見て大丈夫なんだと思い、お父さんのあとを着いて行っていました。足を投げ出したのも、お父さんがやりはじめたからです。だからこの子も、「やっていいことなんだ」と、安心して父親の真似をしたのでしょう。結局、最後までその親子はそこで観戦し続けました。おまけに、父親がビールの空きコップや食事をしたゴミを、席にそのまま置いて帰ったので、また子供も同じ行動をして、ゴミを置き去りにしていました。
まさしく「子は親を見て育つ」ということが、この場合は悪いほうで実現されたわけです。本当に恐ろしいことだなと感じました。児童相談所にいた頃も、いわゆる負の連鎖ではありませんが、不幸な生い立ちや愛情の不足した環境で育った子供が親となり、またその親が子供の養育で支障を来して、子供にも問題を生じさせているというケースに何度か遭遇しました。
子供をよくするのも悪くするのも、親御さんの教育や行動にかかっているということを、何気ないことから改めて気づかされた次第です。
カモワンタロットをされている方には・・・
タロットマンダラに当てはめてみると、「法皇、吊るし、太陽」の列かもしれません。「太陽」から下に下りてくると見ると、「太陽」は純粋な何も染まってない子供、そして親のふりを観察する「吊るし」、最後は教育(伝統や習慣も意味する)である「法皇」です。これはあくまで個人的な当てはめの一例であり、この解釈の正誤はわかりませんので注意してくださいませ。

コメント

  1. より:

    タロットマンダラ縦列のエネルギーの上昇を下降の視点から
    考察するというのは目から鱗です。
    よく考えれば、この思考法こそタロットの真髄なのではないか
    と思いました。
    タロットのRに意味があるのは、吊るしのカードがあるから
    だと言います。
    物事を逆から見る事で、いろんな解釈をしてみる。
    その上で判断・実行する。
    タロットはその事を、良く教えてくれる一つの手段だと
    思います。
    タロットに関わる者として、吊るしの意義を実生活や鑑定に
    於いて反映しなければと思った次第であります。

  2. miyaoka より:

    K様
    コメントありがとうございます。
    >タロットマンダラ縦列のエネルギーの上昇を
    >下降の視点から考察するというのは目から鱗です。
    >よく考えれば、この思考法こそタロットの真髄なの
    >ではないかと思いました。
    真髄かどうかはわからないのですが、このタロットマンダラを縦列下降の視点でとらえるというのは、カモワンタロットを習った者の間では、比較的ポピュラーに考察されているようです。
    確かユング(派)のマルセイユタロット研究においても、タロットマンダラの配置の方法が、いわゆるカモワン派の人たちの並べ方とは逆の、下へ向けて愚者が旅をしていくものだったように思います。
    縦列だけではなく、「手品師」から「世界」に至る道の通常とは逆に、「世界」から「手品師」へのルートの検討も面白いかもしれませんね。

  3. より:

    コメントありがとうございます。
    >タロットマンダラを縦列下降の視点でとらえるというのは、カモワンタロットを習った者の間では、比較的ポピュラーに考察されているようです。
    そうなのですか!是非、取り組んでみます。
    >「手品師」から「世界」に至る道の通常とは逆に、「世界」から「手品師」へのルートの検討も面白いかもしれませんね。
    歴史の勉強と同じかと思うと、凄くよくわかります。
    愚者の旅は歴史そのものですよね。
    実は社会科(歴史)の学習精度を上げるには、まず過去~未来の
    流れをつかんだ後に、逆読みするのが効果的です。
    AさんがBという行動を起こした結果、Cになったという事を学んだ後に、
    Cが起ったのは何故か?AさんがBという行動を起こしたからである。
    では、何故Aさんはそんな事をしたのか。それは…と続きます。
    そういう風に学習すると、一連の流れをよく把握する事が出来ます。
    つまり、タロットマンダラの愚者の旅も歴史であるなら
    同様のアプローチで一連の流れを検証し、そこにある一定の
    概念を把握することも可能だと思われます。
    (何だか夏休みの自由課題みたいですね…。)
    リーディングも未来に対してある予測、ないしはそれに基づく
    助言を行い、自分あるいはクライアント様が日々の実践の中で
    検証していくという点では同じと思います。
    全ては繋がっているって事でしょうね。

  4. miyaoka より:

    K様
    なるほど、確かに歴史の学習でも逆に検証していくことで、
    内容を確実に把握していくことができますね。
    これは問題カードと解決カードの読み方や分析にも
    使える方法だと思います。
    タロットマンダラの下降の旅、本格的にあまり検討する
    機会もないので、仲間うちの勉強会などでも試してみる
    のもよいかもしれません。
    それにしてもK様の探求心には頭が下がります。
    また何か発見がありましたら、お知らせください。

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