「運命の輪」に見る運命の対処方法
マルセイユタロットの「運命の輪」というカードには、文字通り回転する輪が描かれており、そこに動物に見える不思議な存在が何匹か登場しています。
どのカードも解釈が多様にできて面白いのですが、とりわけ、この「運命の輪」というカードも様々な見方ができて楽しいカードといえます。
今回はそのひとつをご紹介します。
このカードには運命を変える(運命や流れにうまく乗る)にはどうすればよいのかが示されていると言ってもよいでしょう。
その解釈のカギは先述した三匹の動物にあります。
輪に乗っている三匹の動物は、見た目、左側に下向きの猿、右側に上向きの犬、そして正面輪の上に乗っているスフィンクスです。
タロットを教える時は、この三匹に霊的・物質的側面から深い意味を持って象徴としてお伝えするのですが、ここでお話するのはそれとはまた別の読み方になります。
三匹を、さきほどふれた「運命の対処方法」という観点から考えると、興味深いことに気付きます。
右側の犬の形相はまさに必死であり、何とか輪を回そうとしているように見えます。
一方、左側の猿は浮かぬ顔というか、よくわからないような面持ちで輪にしがみついているように感じます。
さらに輪の上にいる何者かわからない動物(スフィンクスです)は、ただ平然と悟ったかのように落ち着きを見せています。
それぞれが乗っているのは「運命」の輪です。
つまり、自らの運命に対する態度がこの三匹で表されており、その態度いかんによって運命も変わっていくということを示唆しているととれるのです。
整理してみまょう。
犬は自分で運命の輪を回そうとしている
→ 実行力、熱意をもって事に当たっている
猿は運命の輪につかまり回っている
→ 流れに身を任せている
スフィンクスは泰然と見ている
→ 何もしない、気づきや観察を重視している
本当はネガティブな意味も犬や猿にはあるのですが、今回はすべてポジティブにとらえています。
結局のことろ、運命を変えるには、
1 自分で運命を変えるのだという強い意志 あるいは外からの刺激で(環境や心を)変えてもらう
2 無理をせず、うまく行っている時はそのまま流れに身を任せたり、うまく行っている人の流れに乗ったりする
3 客観的に運命や自分を見て、自分にとってのある法則を理解する。新しい発見を得る
というようなことがカードの図像から読み取れるわけです。
この三つのどれもがケースバイケースで必要だと思えますが、輪に対するスフィンクスの位置から見ても、3のことは特に重要だといえるでしょう。
そのためにタロットを学ぶということも、また選択のひとつです。
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