完璧主義の人へ。 「世界」のカードからの考察。

完璧主義、完全主義の人は結構多いのではないでしょうか。


実は私自身もそういったところが少しあります。


だいたいの場合は、自分に自信がない、不安が高いといったタイプの人にそういった傾向がうかがえ、結構まじめで繊細なのですが、意外に抜けていたり、大胆なところもあるのが特徴です。


そして、このような方に対するアドバイスには、もはや耳タコ(耳にタコができるほどの)状態でよく聞かされるのが、


「もっと気楽にやってみれば」

「完璧な人などいない」

「失敗をおそれず、とにかくやってみること」


というようなものになると思います。


これはまあ、その通りなのですが、それができないから困っているということもありますよね。


それではどうすればよいのかということになりますが、今回はこういった人の内面から変えるというようなことはお話しません。


それよりも、今の状態まま、完璧主義の人が意外に陥りがちなアンバランスさを修正するひとつの方法をタロットカードを交えて紹介したいと思います。


ところで、「完全」「完璧」を表すタロットカードは「世界」という名のカードです。


「世界」の絵柄には、踊っている中心の人物と、その人物を取り囲むかのように4つの生き物が四方に配置されています。(マルセイユタロットの例で語っています)


この4つの生き物が何であるかは詳しくは述べませんが、ただいえることは、「完全」というものはこの真ん中のもの(人物)と、ほかに4つのもの(生き物)が集まって完成されているということです。


つまり、本当の完全とはこれら周囲を囲むものとして象徴的に表現されている4つの事柄がバランスよく備わっていてはじめて「完全」なのです。


さて、完璧主義の人の話に戻りましょう。このような人は、実はあるひとつのこと(要素)しか目には入っていない場合が多いのです。


だから時には自分が注視していない事に対しては無頓着に行動してしまうので、抜けていたり、大胆だと人からは見えてしまうのです。

よくあるケースで例えば、「癒し系の仕事をしたい」と技術を学んでいる人がいたとします。


この人は「自分はまだまだ人からお金を取るほど完全ではない」と思い、ひたすら学習を積み重ねようとします。ひどいときには借金までして学ぼうとします。


いやいや、ちょっと待ってください。果たして頭の中の理論や技術ばかり磨いても、実践がゼロのままでは、いくら技術を向上させてもいつまで経っても実際に営業することは無理でしょう。


また借金をして技術を身につけても、それをその技術で回収する意図や目的がない(単なる空想でいる)のなら、かなりの不均衡なことをしているともいえます。


ですから、ここで先ほどの「世界」のカードの4つの生き物の観点を導入します。仮に4つを、「理論(学習)」「実践(行動力)」「成果(収益)」「人(気持ちや人間関係)」に分類します。


先ほどの癒し系の仕事をしたい人の例でいえば、明らかに「実践」と「成果」が足りません。いい「人間関係」や「気持ち」の余裕もないのかもしれません。


完璧主義ならば、ひとつのことだけを完璧にしようとせず、ほかの分野ももっと追求したほうがよいでしょう。せっかくあなたは完璧主義になるくらい、注意深い人なのですから。


それと、完璧というものに次元の違いを認めることです。


例えば理論分野ではかなり学んではいるものの、実践経験が乏しく、お金を取ったことがないというのなら、その理論分野に追いつくためには、壺にたまった水をほかのところにも流すかのように、まずはできる範囲での実践と収益を上げる努力もしていくべきでしょう。


ひとつの壺だけを肥大化しても、それを抱えて重たい荷物を背負うだけで、ますます自分自身を苦しめることになります。


完璧の完璧(究極の完璧)というものが理想像、最高イメージだとしても、その前段階や次元を縦に階層的に想定することにより、例えば1段階の完璧、2段階の完璧、3段階の完璧・・・というように段階別の完全さを設定すれば、行動もしやすくなるというものです。


そのためにも、ひとつのことだけで完璧を目指そうとするのではなく、まずは4つの分野をイメージしながら、その値を平均化しながら上げていくということになります。


結局のところ、完全主義・完璧主義に陥るのも、「世界」のカードが逆向きに登場するかのごとく(そうなると、中央の人物がまるで閉じこめられているかのように見えてきます)、視野が狭くなって特定のことにこだわってしまっていることによるものでしょう。


従って「世界」のカードのように、少なくとも4つの視点を持ち、バランスよく発展させていけば、やるべきことも見えてきて、完全主義に押しつぶされることも少なくなるのではないかと予想されるのです。

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