小アルカナの数カード

マルセイユ版のタロットでは、小アルカナの数カードは記号のような絵柄がほとんどであり、ほかのウェイト版などのタロットに比べ、リーディングしにくいという話をよく聞きます。


それは確かにそうだと思います。記号(状の絵)から何かをイメージするには、普通はなかなかできないものです。


ということは逆に考えると、「小アルカナ(数カード)に描かれているものから直接イメージするのではない」ということにもなります。


ではどのようにリーディングするのかといえば、方法は複数あるのですが、やはり王道としては「数」の表す象徴を基本として読み解いていくということになるでしょう。


つまり、絵柄よりも数が「主」であるということです。この場合(小アルカナの数カード)の絵柄は、極論すれば「四大元素」を区分するものでしかないといえます。(ただ、小アルカナの数カードといえど、大アルカナ的に絵柄からイメージして読む方法もあります)


従って「数」そのもの性質を把握していくことが、数カード理解の早道となります。


しかし今の私たちは「」と言っても、どちらかといえば「数字」としてとらえていることが多いのです。


数(かず)と数字(すうじ)では何が違うのでしょうか。


「数」は、数そのものの持つ性質・特徴・意味がイメージされるのに対し、「数字」といえばただ数がプラスかマイナス方向で直線的に並んだ無機質なものという印象になってきます。


たとえば、「1」と「2」の違いは、「数字」的にいえば「1」に同じ数量の「1」が加わって「2」になっただけというしかありませんが、「数」として見ると、「1」と「2」にはまるで男と女というような、二つの性格の違いとして感じられてくるのです。つまり、量ではなく質の違いなのです。


今の私たちでも「1」という数を見れば、何か新しさや始まりというイメージは持つと思います。それが古代ではもっと明確に、数が森羅万象の様態を表す象徴ととらえていたのです。


古代の人は、「1」であることと「2」であることには天地ほどの違いを実感として見ていたでしょう。


ただし、そうかと言って現代人のようにそれぞれの数が異なるものだという認識ではなく、ひとつひとつの性質は異なるものの、同じひとつの根源から現れた、単なる表現方法の違いであるというようにも考えていたのです。


このあたりを理解して、小アルカナの数カードをリーディングしていくとよいでしょう。

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