天使のカードたち
マルセイユタロットの大アルカナで見た場合、天使、あるいは天使的な象徴絵図を持つカードは次のカードたちです。
「恋人」「節制」「審判」「世界」
たった4枚しかないと言えますし、逆に4枚もあるという感じもします。
もっとも、天使的な絵がないカードでも、天使を象徴させると考えられるカードはあります。が、ここでは、絵として明らかに天使的なものが描かれているカードのことを言っています。
天使の象徴にはいろいろな解釈があると思います。
四大元素的に考えることもできますし、一般的な印象で、救いや癒しということもあるでしょう。
象徴は核になるもの(本質やエネルギーのようなもの)は同じでも、多重・多層に意味を見出すことができ、それゆえ、具体性や個人個人(個別)においては、違う言葉や意味になることは普通です。(この部分はさらっと書いておりますが、タロットの解釈を理解するうえで最重要なことです)
ですから、一口に「天使」と言っても、人それぞれのとらえかた、意味合いが出てきます。
もし、あなたが、宗教的、あるいはスピリチュアル的に「天使」の存在を信じていれば、カードにおける天使の象徴も、実在性を帯びると言いますか、かなりほかの人よりリアリティあるものとして認識されるでしょう。
リアリティがあるということは、それだけ本当に(現実的に)力を持つということです。
従って、天使が信じられる人にとっては、天使のカードは大きな効果やパワーを実際に持つようになるのです。
このことは、天使に限らず、タロットにおる象徴が、その人にとってリアリティがあればあるほど意味を持ってきますし、現実にその力を発現させやすくなります。
これは別の見方をすれば、タロットリーダーが、タロットの絵図の象徴を、クライアントの実際性・リアリティ性にどれだけシンクロさせたり、結び付けたりすることができるかにもよってくると言えます。
さて、天使の象徴カードに戻ります。
これら天使カードの4枚は、厳密に言えば天使ではないものも含まれますが、一応天使的なものとして今は考えます。
それでも、一枚一枚、どれも同じ姿の天使は描かれていません。そもそもマルセイユタロットにおいては、細かな意味で、まったく同じ象徴の絵図は存在しません。似ていても、どれも微妙に違えて描かれています。
この法則からしても、天使はわざと別々の絵図になっていることがわかります。
ということは、それぞれ別の意味や役割があるのだと取ることができます。また、それでいて、当然ながら、全体としては、やはり「天使」なのです。
ここから考えて、もしかすると、マルセイユタロットの天使カードは、個別の一枚ずつの意味を見出しながらも、4枚セットというひとまとりで見る必要もあるのではないかということです。
すると、天使のカードたちの解釈も、また面白いものになるのです。
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