タロットを読むのは誰か

 自分の技術の未熟さをさらすようで非常にお恥ずかしい話なのですが、タロットを展開しても、うまく読めないと感じることがあります。


 もちろんそれは自分の技術の至らなさにあるので、言い訳できないことです。しかし、それとはまた別の観点で考察したいことがあります。それは、今のところはこう表現するしか適当な言葉が見つからないのですが、“波長”というようなものについてのことです。
 クライアントに対し、問題が定まったところでタロットを展開したあと、どうにもタロットとクライアントの問題がしっくりと結びつかない感覚を抱くことがあります。その場合は、面接している間でも、波長のようなものが合わない感じがするのですね。反対に、面談している中で、何か波長が合っているように感じる人は、すでにタロットを展開する前にも、出てくるカードが予想できたり、またはよい解決方法がタロットから導き出されるであろうというようなことが、予感めいたものとして働いたりすることがあります。タロットはリーダー(タロティスト)が当然読んでいくのですが、波長の合う合わないということを考えますと、どうも、本当にタロットを読むのは、やはりクライアントであるということが感覚としてわかってきます。つまり、波長がリーダーとシンクロしている人は、すでにタロットの世界に一緒に参入しているといえ、その状態がある見えない空間を通じて、リーダー側に、タロットからの伝達事項(=それは無意識的にクライアントがタロットを見て感じている情報のようなもの)が伝播されているからではないかという気がするのです。波長が合っていないクライアントの場合は、タロットの世界の入り口で止まったままなのだと思います。
 この波長を合わすということが、リーダーのテクニックということになるのでしょう。それはラポール(信頼性・親密関係)をクライアントと築くという意味だけではなく、まさにクライアントの悩みの層のレベルの意識状態や、眼前のクライアントが刻んでいるリズムに同調させていくということにもあるのかもしれません。
 タロットの展開がうまく読めない時、それはリーダー・タロティストの純粋なタロットを読む力の不足だけではなく、クライアントが実はタロットを読んでいない(その状態とシンクロしていない)ということを告げているのだと思います。まさに、タロットを読むのはクライアントだったのです。今頃こんなこと言っていては、情けない限りなのですが。。。もっと修行いたします。

コメント

  1. やゆよ より:

    常に向上心と自らを省みるその真摯なお志
    見習いたく存じますm(_ _)m
    年末によいブログを拝見されて頂き感謝です。
    よいお年をお迎えください(^^*)

  2. やゆよ より:

    上記訂正です
    拝見されて→拝見させて

  3. miyaoka より:

    やゆよさん、いつもコメントありがとうございます。
    いえいえ、そんなたいそうなお世辞を・・・
    単に読めなかった理由逃れを探しているうちに
    こんな内容になってしまっただけです。(苦笑)
    では、やゆよさんもよいお年をお迎えくださいませ。

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