カモワン式の展開法
カモワン版マルセイユタロットは過去・現在・未来の三枚の基本カードから始まります。
ただ、この三枚だけでは終わらず、カードの人物が持つ視線の方向によって、次々とカードが展開されていきます。
それはまるでひとつのストーリー、物語が目の前で繰り広げられているかのようです。
私がこのタロットを特に気に入ったのは、この独特のシナリオのような展開法が魅力的だったからです。
タロットは一組78枚、主に大アルカナという22枚のカードでカモワン式は占いますが、それにしても22枚の組み合わせから無限と思える展開がその時その時に応じて登場します。
つまりはひとつとして同じ展開はない(厳密にはありえますが)というのに等しいのです。しかしこの点が個性的ではあるのですが、逆に言えば欠点ととられる場合もあります。
それは同じ展開が現れにくいので、リーディングのパターンがつかみづらいという学ぶ側のほうの難しさです。
占ってもらうクライアントにしてみれば、自分(とその問題の)オリジナルが出ていると思えば、よりタロットに親しみを覚えて向き合いやすくなりますが、読む側となればまた別です。
しかしながら、それもある一定の法則があります。そもそも自由な展開といっても、まったくのフリーではなく、特定の規則に基づいた自由性なので、その規則の原本に立ち返れば、自ずと解読もしやすくなります。
そういったコツは教えられないとなかなかわかりません。これはたとえばスポーツで自己流の練習ではできなかった技が、いざコーチを頼んで教えてもらうと案外簡単にできてしまった、というようなものです。
ただこのスポーツの例でも自己流とはいえ、一生懸命やってきた下地があります。ですからポイントを教えられてもすぐ理解が可能なのです。
何事もそれなりの努力なくしては、完成には近づけません。タロットカードでいえば、まさに「神の家」のレンガを積み上げるが如しです。
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