二人の時間回転速度

恋愛をしていると、どんな形であれ、コミュニケーションの問題が出てきます。


最近ではやはり直接の会話よりも、まずはメールのやりとりなどからということが多くなっているでしょう。


ということは昔とは違って、反応やレスポンスも、しようと思えばいつでもできる時代といえます。


直接と電話、アナログの手紙しか相手とコミュニケーションできなかった時とは、その反応速度は格段に違います。


しかし、これが落とし穴といいいますか、悩みの種にもなるのです。


「反応が速くできる」ということは、逆に言えば「早く反応が来ないとおかしい」という考えにとらわれてしまうからです。


「昨日メールしたのだから、今日返してくれるはず」とか、「どこかに行っているとしても、携帯からなら電話できるはず」と思ってしまうのですね。


確かに反応速度は物理的・機械的に速くはなりましたが、人間自体は変わっていないのです。


返したくないと思ったら返さないのが人情ですし、あくまで実行するのは人間の意志と心が支配しています。勝手に機会が反応してくれるわけではないのです。(まあ、そういうこともできなくはないでしょうが)


ビジネスにおいては、ある一定の決まりもあって、このようにしたらこのように返すというルールでコミュニケーションが行われているので、それに従っていない人は「常識はずれ」「礼儀がない」といって判断することができます。


言い換えれば、「自分は悪くない」「相手がおかしいと」思えることができるので、自分の不安や悩みが起こりにくいということでもあります。


けれどもプライベート、特に恋愛においては、ある程度の常識のようなものはあるかもしれませんが、人それぞれであり、一概に相手が悪いとは決めつけられません。


ここで考えてほしいことがあります。


それはタロットでは「運命の輪」というカードが象徴しますが、各人の時間の流れです。


人には固有の時間軸があり、その回転によって基本を過ごしています。この回転速度があまりに相手と違いすぎると、かなりのギャップを感じるのです。


例えば「メールの返事はすぐするもの」と思っている人と、「メールの返事は一週間に一回でOK」と考えている人では、時間軸と回転速度に大きな隔たりがあります。


人それぞれの固有時間感覚を無視すると、コミュニケーションもうまくいきません。片方はあせり相手のことに疑心暗鬼になったり、もう片方は「せわしい人だな」とうざったく感じてしまったりします。


さらにやっかいなのは、この回転速度は感情に大きく左右されることもあるということです。実は感情が時間を動かしていると言ってもよいくらいです。(このことは楽しい時は短く感じ、苦痛時は長く感じる例でもわかります)


恋愛において、一般的に時間の回転速度が両者ともに速くはなりますが、どちらかといえば、ほれている(好きの度合いが高い)ほうの速度に加速がかかりがちになります。逆に気持ちが冷めてくると、時間速度はゆっくりとしたものに変わってきます。


二人の時間速度がピッタリと同調している時は、とても強い幸福感を味わうことでしょう。だからそういう状況では、まったく同じ時に同じセリフを言ったりするようなことが起きるのです。


では相手の速度に合わせればよいのかということになりますが、一つの手段としてはそうだとも回答できます。


しかしながら、自然に合う場合を除き、速度を無理に同調させることはかなり大変なことです。


ですからアドバイスとしては、時間回転速度が同じような人を選んで交際すると負担が少ないということになるでしょう。


意外に速度によるコミュニケーションギャップは、ものすごいストレスを生じさせます。


あらかじめ違いを意識して、ブレーキやアクセルを調整していくか、あるいは先述したように「速度の合う人を選択する」などの方法でうまく対処すれば、恋愛もスムースに行きます。

コメント

  1. きり より:

    なるほど。
    私は、自分のペースってものがなかなか掴めなくて苦労しています。

  2. >きりさん
    きりさんのペースは基本速いほうじゃないかなと思います。たぶんそれと同じく逆回転(急ブレーキみたいなもの)のスピードも速いので、行きつ戻りつで膠着状態になっているような印象があります。
    友人知人にもきりさんのペースはどんなものかお聞きされるとよいかと思います。

  3. きり より:

    返信ありがとうございます。そうなのでしょうか。早いような、遅いような。最近は知人ともあまり付き合ってなく。(人が煩わしくて仕方ありません)質問ですが、急ブレーキでなぜ膠着状態になるのですか?

  4. >きりさん
    これは時間回転速度が速くなりつつあるとした場合の仮定でのお話です。早く行こうとする運動にストップをかけようとすると、両者のエネルギー方向が正反対なので、アクセルとブレーキを一緒に踏むようなもので、熱を持った降着状態に陥ると表現したものです。

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