ワンダーな関係に隠されたワンダフルなこと。

タロットでのご相談、自分自身の経験、人からのお話などで考えてみても、強烈な出会いや運命的ともいえる遭遇は実際あるものです。


しかしどうもそのほとんどは、状況による思いこみや平静ではない特殊な状態にいた時に出会ったため、強い印象を感情的にも受けてしまったということが多い気もします。


かつて、前世もわかるというある霊能者がこんなことを言っていました。


「ものすごくひかれ合う者は、実は前世的には敵同士であったことが多い」と。


そして、「昔は敵だったので、今生ではあえて好き合う関係で生まれ、相手を困らせることで復讐を遂げようとする」のだとも話していました。


これでタチが悪いのは、当人同士は本当に恋人のように思っていて、お互い自覚がないということらしいです。


まあ、霊能者の話はともかくとしまして(;^_^A、出会いでのいきなりの意気投合、それもめちゃくちゃテンションが上がるような関係は注意が必要なこともあるのではないかと感じます。


はじめにもふれましたように、当人同士の相性などというより、その時の状況の盛り上がりこそに、その要因があるように思うのです。


聞いたことがあるとは思いますが、心理学の実験で、ゆれる橋を渡って怖くてドキドキしながら知らない人に出会うと、その人に対して好意的な感情や恋心を抱いてしまうようなこともあるというくらいです。


つまり通常とは違う意識になれば、人はまさに起こっていることを「ワンダーなもの」として感じてしまう余地があるということです。


この「ワンダー」ということがくせ者なのです。(なぜか「ワンダー×ワンダー」というNHK番組のキャッチの声が聞こえてきます...ちなみに連載間隔がワンダーな(笑)、ハンター×ハンターのことではありません;)


その人自身にワンダーを感じて本当にワンダーな気持ちになればいのですが、先述したように状況やシチュエーションのワンダーが、あなたに気分としてのワンダーを与えているに過ぎないこともあるのです。


ですから、「いやー、盛り上がったよねぇ、私たち」なんて回想することがあるならば、どうせなら、その直前にあなたがどういう状況にあったかも思い出してみるとよいです。シチュエーションワンダーにだまされているかもしれないからですね。


とはいえ、これとは別に、状況とは無関係に突然訪れるワンダー感覚の恋というのもあります。これこそがタロットの「恋人」カードに描かれているキュピーッド(本来はエロ-スの神)の働きなのです。


キュピーッドはある面、気まぐれのように現れるので(他のタロットでは、この「恋人」のキューピッドが目隠しをされて描かれている場合もあるほどです)、あたかも突如としてキューピッドの矢が刺さったかのような衝撃とワンダー感を得ます。


矢に当てられた人は、もはや目の前の人と恋に落ちねばなりません。この場合の恋愛は、本当にいろいろな意味でワンダーになります。まさに運命の人という感じで結婚まで至るケースもあるでしょうし、ドラマチックな恋に陥ってやがて別れてしまうこともあるでしょう。


いずれにしてもこの両者の関係には相当濃いものが流れ、少なからずその後の人生に影響を及ぼすと考えられます。


キューピッドは表面的には縁を結びつける存在のように見えますが、実のところ、ただ恋の経験を味わせることが目的のように思えます。


キュピーッドは言ってみれば、人と人の縁を結ぶのではなく、人と恋の縁を結ぶために現れるとでも表現すべき存在でしょうか。


もしその結びつきの法則というものがあるとするのならば、それは人間界、私たちが通常暮らしている世界での掟とは異なるものだと考えられます。ですから私たちには偶然と思えるのです。(キュピーッドには必然)


ここに恋愛が一筋縄では行かない理由があります。


私がタロットの恋人カードを見て感じるのは、そういった出会いの不思議さもありますが、恋によって得られるワンダー体験と、そこから生じる意識や考え方の変容の作用です。

恋愛自体は、よい結果のこともあればまずい結果に終わることもあります。しかしそのいずれにおいても、通常では得られない感覚を恋愛は私たちにもたらせます。


その体験こそが、まさにワンダフルなものだと私は考えているのです。


まあでも、一方的に疲れる恋、自分が必要以上に傷つく恋、いびつな恋などは、できれば経験しないほうがいいでしょう。


そのためには、あなたのドキドキがシチュエーションワンダーなのか、キューピッドがもたらせた偶然のような必然なのか、そのどちらでもないものなのかなど見極めていく姿勢をもっていてもよいかと思います。

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