天国と地獄

天国状態、地獄状態と、人はよく言います。


これは実際にはどんな気分の時でしょうか。


どんな時って、あーた、天国はチョーいい気分の時だし、地獄はサイアク~・・・と感じている時に決まってるじゃありませんか。


ええ、おっしゃる通りです。じゃ、この記事はこれで終わりますね。 って、終わっちゃまずいですよね。(笑)



ではもう少し、天国・地獄と感じている気持ちを分析してみましょう。


実はある視点から考えてみると、天国も地獄も同じことなのです。


えっ、まさか!?と思うでしょう。


この両者は、心が、ある状態で固定されてしまっていることから起こるとも考えられます。


つまりいい気持ちで心が止まっている時は天国と感じ、悪い気分で固定されている場合は地獄と感じてしまうということです。


いい気分が永遠に続けば、本当の天国に入ったとも言えるでしょうし、反対に永遠のサイアク気分が続くともなれば・・・これはまさしく地獄ですよね。


私たちはたいてい、天国と地獄とを両極端にしたグラデーションの感情世界に生きています。


良い・悪い、快・不快、ふたつの感覚を行きつ戻りつ、その程度も変えながら、人生を歩んでいるのです。


ずっと同じ気持ちに固定されたままのことはありえないと言ってもいいくらいです。


ですから見方を変えれば、ある心の状態にとらわれ続けていることは、天国の可能性もありますが、地獄のおそれも大きいということになります。


瞑想などで至る忘我の境地というのは、とらわれのない心だといわれていますが、もしかするとつかの間とはいえ、「何もない」という状態で固定されているとも考えられます。この時、おそらく人は至福を感じていることでしょう。


しかしながら、悲しいことに、私たちの多くは悪い気分に固定されることが多く、その意味では現実に感情的には地獄を自ら作り出しているとも言えます。


このことから、やはり気分転換というのは思った以上に大切なのだとわかります。


世の中や自然は移り変わり、ひとつとしてずっと同じ状態が続くものはありません。


固定され続ける、変わらないということは、こう考えると自然の摂理や流れに逆らっていると言うことであり、非常に特殊なことであるとわかります。ですから、普通とは違った気持ち(天国か地獄)になるのだと推測できるのです。


人は悪い気分で固定してしまうことが多いのですから、流動的になれば、そこからかなり救われる可能性があります。


迷いも一種の固定状態だと言えます。決められないことで固定されてしまっているからです。


決めて進むと環境的にも変わってきますので、決められずに悩んでいた時からは確実に変化はあるはずです。


その後、また何かにとらわれ、固定された心になると悩みが生じて、地獄を現出させるかもしれませんが、また「変えていけば」きっと心はその状態からは楽になるでしょう。


また逆に考えますと、悩みが訪れるということは、それまでの固定された状態からの変化だとも述べることができます。


悩みが来ることで、一種の変換や決断を迫られることになるからです。こう考えますと、悩む状況も決して悪いことばかりではないのがわかるでしょう。要はその悩みをいつまでも続けていく(心の)状態が悪いわけです。


それは変わっていくことに身を任せること、あるいは自分から変えていくこと、変わることを信じることが重要だと換言できるかもしれません。


タロットカードで番号順に大アルカナを見ますと、固定されたように見えるカードの後には動きのあるカードが来ています。そもそも固定されていると見えるものは少ないですし、あっても特別な理由があります。


これまで述べたことは、カモワン版マルセイユタロットでいえば、「恋人」「13」「審判」の縦並びにエッセンスが詰まっているとも言えますし、「正義」や「運命の輪」、「吊るし」のカードの意味を考えるきっかけにもなるでしょう。


そして、タロットカードにおいて本当の天国といえる「世界」は、永遠の固定が二重になっているということと、「固定状態なのに動きがある」という通常の概念を超えたものであることが大きな秘密だと考えられるのです。

コメント

  1. きり より:

    ほんとうにおもしろいですね。動いてるのに二重に固定されたものはなんだろう。って思います。それはもう揺るぎ無いのでしょうか?この世にありなから早く楽になりたいなぁと思います。

  2. >きりさん
    ホント、私も早く楽になりたいものです(笑)。まあ苦しみにもいいことや意味があると思うとマゾではないですが(^_^;)、少しはましになります。タロットカードの「世界」の謎は、私にもまだまだわからないことが多いです。でもそういったことを考えるだけでも、タロットは楽しいものです。

  3. きり より:

    ここへ来てようやく、すごくタロットって深いんだろうなと思いました。おぼえるのが大変で、なかなかタロットの占い師さんになれるかたが実際は少ないと何かで読みました。子供の頃の夢はタロット占い師でした。大それてました。でもよく聞いてみれば楽しいところもたくさんありますね。

  4. >きりさん
    従来のタロット占いは、覚えるのが78枚それぞれの意味がたくさんあって大変だとは言われました。でもタロットによっても違いますし、やり方も人それぞれです。占い師ということで当てるための占いでタロットを使う方法もあれば、セラピーやヒーリングで心を解放するために使う方もいらっしゃいます。自分の自己実現や生き方のアドバイス、チェックをするために使っていく方法もあります。
    きりさんはタロットがお好きなんだということがわかります。恐れず、そしてあなどりもせず、信頼できる友人と接するような気持ちで、または親しい友人を作るという感じでタロットと取り組まれて行かれるとよいのではないかと思います。そして、その過程できりさんが占い師になれないわけでもないと私は思います。

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