大アルカナと自分

カモワン流のタロットの展開では、大アルカナを主に使用します。


大アルカナは全部で22枚、これらはいわばひとつの塊から22に分化したものを象徴します。


これを人に当てはめると、人が22タイプに分かれるとも考えられます。


ただ、ここで私たちの普段の思考方法が強く出ますと、「22の別々の人間がいる」と想像してしまいます。


そして「自分はいったいどれなのだろう?」と、まるで血液型占いのように、自分のタイプを他と切り離して求めるのです。


この考え方は実はタロットにおいては逆となります。


大アルカナの例でいえば、22のタイプに区分けされるのではなく、自分の中に22の様相が存在していると考えるのです。


先ほどの血液型で例えるとすれば、AもBもOもABも一人の人間がそれぞれ全部持っており、ある時ある状態によって時にBにもなったりAにもなる(強く出る)ということです。実際にはそんな血液型は存在しないでしょうけれども、考え方としてはこんな感じです。


ということは、展開によって現れたカードは、あなたのその問いに対応した特徴を示すカードであり、あなたという一人の人間の中で、その問題に対してはそのカードのカラー(意味や象徴)が色濃く出ていると想定できるわけです。


では出ていないカード(引かなかったカード)は関係ないのかといえば、そうとも言えますし、そうでもないとも言えます。


22枚そろってはじめて全体性と完全性を伴うのが大アルカナであるので、出ていないカードも無関係ではありませんが、その問いに対しては今は特別には関係していないということです。


「七変化」という言葉ではありませんが、あなたの中で、「その事柄に対してはこの姿と性格で登場したほうがいいですよ」と示されていると言えばわかりやすいでしょうか。


また、「あなたにはこの部分で足りていないところがありますよ」と登場したカードが示していると取ることもできます。


結局、22のアプローチ・要素・テーマ・窓口を通して、それらをひとつひとつを平均化し、強化することで、22の小さなあなたの統合を図って、一つの大きなあなた・完全体を目指すということです。


最初にも述べたように、22のものは分断して別個に存在してるわけではありません。一見分かれているように見えるだけで、本当は同じひとつの円の中に含まれているものです。ですから、当然共通点もあります。元はひとつなのですから。


このことは、重要なことを示唆します。世の中のことがバラバラに見えていたものが、タロットの体系によって組み直され、すべてはつながっていることを認識していくようになるからです。


そしてマイナスやネガティブなことと思っていたものも、状況が変わったり、見方を変えたりすればそれはプラスにもポジティブなものにも変化する(逆もあり)ことがわかってきます。


このようなことをタロットにより訓練していると、いい・悪いだけで判断する直線思考から、いいも悪いも究極的にはない(同じ)だという円環思考に変わっていき、いろいろなことに余裕が出たり、文字通り人間が「丸く」なってきたりします。


これが、タロットを使うことの大きな効果なのです。

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