月のカードの闇
昨日は中秋の名月でしたね。
観月会などでお月見を楽しまれた方も多いかと思います。
さて、タロットにも「月」というカードがあります。
このカードはいわば大アルカナの中では一番読みづらいカードだといえ、タロット講座の練習時においても、皆さん苦労されているところがあります。
しかし、私はあえて「これだ」という教え方はしていません。読みづらいからこそ、講師から「これが読み方ですよ」と簡単に聞いてしまうと、それしか当てはめられなくなるからです。
もちろんまったくヒントや手がかりを与えないわけではありません。しかしタロットはおよその道筋を示してもらったあとは自分で発見していくこと、気付いていくことに意味があるのです。
そうして自分が「そうか! こういうことだったのか!」と驚きをもって感じ、認識したものは生涯忘れることはないのです。それがまさに血となり肉となり、タロットの神秘と人間の可能性に真に驚嘆することになるのです。
それで「月」のカードの話に戻ります。
意外に見落とされがちなのですが、「月」は太陽の「陽」に対して「陰」であり、「陽」の「伸ばす」「拡大させる」というよりも「育む」「保つ」ということに関係します。
人間が日中に活動し、夜は眠ってエネルギーを蓄え休息するように、「陰」である夜や闇の部分は切り捨てられたり、避けたりするものではなく、必要なパート・時間なのです。
植物も夜に大きく生長します。暗い状態でないと育たないものは案外と多いのです。
「陽」である光はまた「熱」を持ちます。それに反して「陰」の闇はクールダウン、冷気を伴います。
暑い夏に太陽の下で生ものをさらしておくとたちまち腐るか、水分が蒸発して干からびてしまうかになりますが、夜だと場所よっては涼しく、しばらく鮮度を保つことも可能です。
大切なのは「陰」「闇」はネガティブなことばかりではないというバランス感覚です。
今回述べていることは、「月」をリーディングするためのヒントです。それもノーマルな読み方からさらに一歩進ませるものを内包しています。
「月」と陰・闇の関係を考察しながら、是非新たな視点を獲得してください。
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