恋愛 愛と憎しみ

愛は憎しみに変わる。


よく聞かれる言葉ですよね。(この場合の「愛」は広義の意味での「愛」ではなく、恋愛感情の「愛」を示しています)


タロットでの相談をしていて、実際このようなケース(愛情が過剰となって憎しみになる場合)には遭遇します。


それまで好きだった人に裏切れた(新しい彼、彼女ができた)、結婚の約束をしていたのに別れ話を切り出された。相手が離婚するというので不倫関係を続けていたのに、私のほうが捨てられた・・・などなど様々な発端からそれまで「好き」だった人を憎しみ始めます。


中には相手の人を殺してしまいたい(そして自分も死にたい)というようなことを言われる方さえいらしゃいます。


それほど「」はおそろしく変貌するものなのです。


タロットカードの「恋人」には、恋は楽しいことばかりではなく、つらいことも苦しいこともあることが描かれており、さらには恋愛が生(性)の欲求と死への衝動に同時に結びついていることも象徴的に示しています。


そう、愛には常に死が潜んでいるのです。これはエロスとタナトスという言葉でも表されます。愛は永遠の継続を望み、死は終わりや消失、破壊を求めます。実のところ、ふたつはやはり形の違う「永遠」を希望しているのです。


それは形があるものかそうでないかの永遠の違いです。だから愛から憎しみに変わった人は「相手を殺して・・・自分も死にたい」と自分のことをつけ加えるのです。


これは独占欲にもとづいた本当の「愛」とはいえないものですが、たとえ次元が低くても、その相手との永遠を望むという意味ではやはり「愛」のひとつの表現といえるでしょう。


クライアントのそのような(殺すという怖い)言葉を聞き、その裏にある相手を思う気持ち、愛情を感じて胸がしめつけられるようになります。


しかしながらロットリーダーとしては、自分の思いは横においておいて、タロットの示す事柄を冷静に読んでいくことが求められます。それは時として残酷であり、とてもつらいことである場合もあります。


とはいえ、心の奥底にはどんな人(クライアント)に対しても、人間としての尊厳と愛は忘れないようにしています。

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