「女帝」、「13」、「運命の輪」で見る消費と生産
世の中、あれを生みだし、これもやり、それでこれを壊して、あれをやり直し・・・みたいなスクラップ&ビルド、創造と破壊の繰り返しによって、特にビジネスシーンなども回っているように見えますね。
創造と破壊は世の常、いわば自然のサイクルでもありますから、それも必然的なものといえます。
ただ、それに振り回され、無理矢理創造と破壊の輪の中に投げ込まれて、クルクルとラットレースのように回されていないか、気をつける必要もあります。
言ってみればそれは、一度消費させられて、その消費が終わってまた新しいものが外から生み出されて(提供されて)、さらにまたそれを消費させられるという「消費回転マシーンの獲物」に自分がなっているということです。
輪の一回転ごとにあなたの貴重なお金や時間が消えていきます。
タロットカード(カモワン版マルセイユタロット)で「創造」をもっとも象徴するのは「女帝」のカードです。そして、「破壊」を表すのは「13」だと言えましょう。
カモワン版のタロット絵図、タロットマンダラでは、「女帝」の前には「斎王」がおり、「13」の前には「吊るし」があります。「斎王」も「吊るし」もあまり動きを感じさせないカードです。どちらかといえば、貯めること(蓄積)、止めること(停止)というような意味合いも出てきます。
つまり、物事が動き出す(創造と破壊)前には止まった状態に見えることがあるということです。逆に言えば動きの前に静止状態、停止状態をとらねばならないということでもあります。
これに先ほどのクルクル回る消費回転マシーンのような「輪」を当てはめて考えてみますと(すでにお気づきでしょうが、これは「運命の輪」で表現できます)、間髪を入れず次々と動きがあるのは、自然のサイクルとしては違和感があることに気がつきます。
生み出されるもの(提供されるもの)と壊されるもの(使われるもの、消費されるもの)との間には、ある程度の蓄積や停止の「期間」がいるのです。
消費は破壊につながるとすれば、次にあなたは消費で失われた分を新たに創造するために、何かを生み出したい衝動にかられます。
この時、消費したものの中からあなた自身での「創造」がなければ、あなたの創造性のバランスを取るために、また外から供給されるもので自分の中の創造性を刺激し、それを買うなどの消費行動で代わりをすることになります。
たとえばお金を払って学んだ知識を活かして自分自身もお金を稼ぐことができたら、得たものの中からの生産(創造)につながりますので満足しますが、それができなければまたすぐに違う方法や技術を買う(学ぶ)ことをするというようなものです。
ですからいずれにしろ、ひとつの創造と破壊の間には、休息や停止、あるいは観察・蓄積の期間を置くということがポイントとなってくるのです。その間のエネルギーの蓄積や物事の整理が、外から振り回されないコントロールのできた行動と自分を呼ぶのです。
もちろんチャンスとしてすぐ動くことも大切です。しかし、操り人形のように回転マシーンの中に入り込んでいないか、そのことも注意深く自分を観ることも必要なのです。そのカギはタロットカードの「運命の輪」にあります。
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