はしごを降りてみる。

問題の解決には、次元という視点で見た場合、その(次元の)上下によって改善されることがあります。


たいていは上の次元・レベルによって問題解決に至ろうと努力するのですが、逆の下へ行くこと(下降)、つまり、次元やレベルを下げてみることで解決に向かうこともあります。


たとえば、仕事をしたり社会に出ることが怖くて引きこもっていたとしても、明日食べることもやばいよという状況に陥れば、一気に外に出ざるを得なくなり、たとえ仕事はいきなり無理でも、引きこもり自体は解決したという場合もあります。


またある組織がまとまらず、それには統一したルールがないからだと上からの視点でまとめようしたけれども、何のことはない、実はグループ内の二人の人間のいがみ合いから組織全体に派閥ができてしまって、ぎしゃくしていた・・・ということもあるでしょう。


目標にしても、いきなり高度な完璧なものを目指すより、さらに下へ落とした実現可能(現実的)なものにすれば急にやる気が出たり、自分にもできそうな気がしてきたりするものです。


ここから専門的になりますが、カモワン流のタロットリーディングでも、その次元・レベルの違いによって問題を解決していく手法が、ほかならぬカモワン流の展開法に備わっています。


まず、カモワン流には問題を表すカードとその解決を示すカードのふたつのカードが登場します。そして、展開法も大きく分けると上に上がっていくものと、下に下がっていくものがあります。


このふたつをうまく扱うことで、問題解決の視点を上下させることができます。


さらに、展開は複数のカードによって並べられていきますので、横にも広がりますし、縦にも階段状に積み重なっていきます。


問題に応じて出る展開は、その時その時で異なってくるわけですが、中には全体の展開図が本当に建物のように何段も階層を伴って出現することがあります。


あまり知られていないことですが、実はその出た展開図の階層自体にレベルや次元の違いが表されていると見ることもあります。


ノーマルなカモワン流の読み方では、過去・現在・未来にわたって時系列的に質問者の問いに関連したストーリーを読み解いていくのですが、そうした横の流れを基軸とした物語的なリーディングとは別に、縦の階層別に次元の異なりを読み解いていく手法もあるのです。


これはスポット的な展開の一部を取り出したリーディングになることもあります。またどの展開にも通じるやり方ではありません。


何を言っているのかさっぱりわからないかもしれませんが、簡単にいえば、ひとつの問いの中にある階層別の問題と解決方法と読み取るということです。


話を元に戻します。


皆さんも、何か問題があれば、自分の持つ「はしご」を使って次元を降りてみてください。上がるばかりではなく、下がることで簡単に解決することもあることを覚えておくと便利です。


その際の考え方としては、精神から現実・物質性へ、高いものから低いものへ、抽象的なものから具体的なものへ、統合されたものから分割されたものへ、集合から個別へなど想定すればよいでしょう。


結局のところ、問題はその人が「はしご」を使わず、いつもそこに留まろうとしているから解決策が見えないのであって、その場の上か下かへ移動してみれば案外と氷解してくものだといえるでしょう。


その「はしご」とは、様々なツールやメソッド、物の見方ということにはなりますが、タロットもとても有効な「はしご」になります。すでに気付いている方もいらっしゃるでしょうが、タロット(カモワン版マルセイユタロット)の中でも「はしご」を象徴するカードがあるくらいなのですから。

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