移行時の狭間における「節制」の役割
発熱もしていた昨日の私ですが、お陰様で自力で回復しました。
さて昨日の続きです。
決断・実行するにせよ、一度立ち止まって状況を観察するにせよ、タロットカードの「節制」から象徴されることが重要であると予告しました。
「節制」の画像を見ますと、一人の天使の女性がふたつの壺の水を混ぜ合わせて、視線を向かって左方向に向けています。(カモワン版マルセイユタロットの「節制」の場合です)
一言でいうと、このカードは文字通り「節制すること」を表しているのですが、もうひとつ「癒し」ということでも大きな意味を持ちます。
何かに向かう行動力が出るのも、その場で見直しを図るのも、ある面、「納得を自分につける」ということでもあります。
何事も納得していないと次に進むことができず、悩みが深くなる傾向があります。
そのためにはこれまでやってきたこと、つまり経緯や現状を見る必要もあるのです。単に見るだけでなく、それまでの自分自身を労い(ねぎらい)、労る(いたわる)ことが大切です。
ともに漢字では「労」という字になるのも不思議ですね。
字の成り立ちとは別にイメージで見ますと、「力」の上に三つの光のような点で囲む「冠」になっています。(本来の漢字の部首は旧字体から簡略化されているので、こういったイメージとは別物です)
つまりは、自分で頑張ってきた(力)の上に「冠」をかぶせるという、カードでいえば、ちょっとした「神の家」のような印象になります。
簡単に言えば、これまでの経緯を無視したり、貶めたりするのではなく、きちんと評価してあげましょうということです。
間違いという観点でとらえるのではなく、その時その時自分でやってきたことの努力や経過を認めないと、次に進むことも、現状を分析することもできないということになります。
これが「納得すること」にもつながるのです。
そのうえで、ふたつの壺が示唆するように、別のもの(考え)との対比や対照によって、是正すべきものは直し、統合できるところは組んでみたりして、変化の道筋を編み出します。
どんな形であれ、今までの自分は自分なりに頑張ってきた複数の自分たちでもあります。
それらを変化のために一様にバッサリ切り捨てていくのではなく、一度受け入れ、評価をしたうえで卒業させたり、統合させたりして、特に感情的に納得させてから進むのです。
ゆえに、「節制」の壺から流れているのは水状のものであり、水は感情を象徴させるものなのです。
決断・実行の前にはこの作業がいりますし、止まって自分を見つめるのにもこのことが大切となります。
もちろん「節制」のもうひとつの意味である自制・節制・時間をかける、心身の調整・回復も次に向かう時には重要な要素になることは言うまでもないことです。
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