十字の象徴を意識する。

タロットには十字の象徴が数多く現れます。


これにはいろいろな意味と種類、解読があるのですが、その代表的なものではなく、私個人の思いで考えた、ちょっと異質のものをご紹介します。


まず十字を構造的に分析してみましょう。


そうすると横に一文字と縦線が合わさっているのがわかります。

言ってみれば、水平と垂直の方向による二本の線の交差です。


この方向性と交わりということがポイントです。


横の方向は、時間的にいえば、今であり、現実と考えます。そして縦は歴史が積み重なったものであり、記憶や想像と見ます。


これを一人の人間にあてはめると、その人は遡れば両親、そのまた二親・・・と連綿とつながった人の歴史から自分が存在し、さらに今実際にいる人たちとの関係において自分がいることになります。


つまり自分というものは、十字的にみますと、縦の歴史と今の現在との人間の交差している瞬間(ポイント)に存在しているのだということになります。


もちろん縦には自分自身の歴史もあります。横も自らの選択と拡大(あるいは縮小)が可能ですから、そのラインは変化して(ずれて)いきます。


結局十字は安定しているようで、そのポイントは変動していくのです。


ほかにも物事で十字をたとえると、縦を次元やレベルの違いととらえ、横を同じフィールド・立場での選択肢だと見ることもできます。


通常、横のライン上において、仕事や人間関係、その他あらゆることを人は選び、動いています。もちろん横のラインが伸びれば伸びるほど、選択肢も増えて無数の可能性があると言えます。


ただ同じレベルや次元でしか動けない(考えられない)ので、上(下)の見方ができません。おそらく縦のレベルの違う層にはそれに応じた人や物事が存在していると予想できます。


従って、自分のレベルを上げることによって、さらなる階層の思想や人間と出逢えることになり、厚みが増すことになります。


いわばマンションで一階に住むことしか許されない(あるいは階層があることを知らない)人が、さらに上の階もOKだよと言われて視野と人間関係も増えるようなものです。


またたとえば、一階の人がその見える範囲だけでいたら、「時々何か紙が落ちてくるのだが、なぜ落ちてきているのかわからない」となり、それが上に行くことではじめて「屋上の人がお祝い好きで紙吹雪を巻いていた(笑)」ということがわかることになります。


このようにレベルが変わると、今まではわからなかったことも容易に理解することができたり、難しかったことも簡単にできるようになります。(レベルが下がると、反対になりますから注意です)


十字はシンボル的には「安定」や「現実」を示すこともあるのですが、それはこれまで述べてきたように、十字の線の長さや目盛りの変動によって交差するポイントが変わってくることを考えると、現実も変化していくことがイメージできます。


つまりあなたの今のその「現実」は、まさに十字が交差したところにあるのだということです。


具体的にいえば、あなたの歴史と次元・レベルを示す縦と、今いる場所、関係、行い、選択している事柄を示す横との交わりなのです。


当然のことながら、交差点の目盛りの場所が変わらなければ同じ状況で「安定」はしますが、その安定があなたの望ましいものでないのなら、交差点を変えるために、縦か横を変化させていかねばなりません


横は行動と実践力が試され、縦は学びや気づき、次元の上の人からの指導を受けることなどで目盛りの移動が可能となります。


いずにしても十字を意識することで、バランスを取ることができ、あなたの現実を確かなものにして行けるのです。

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