視線方向から見る5枚のカード
カモワン版マルセイユタロットは、カードの人物の視線の方向を取ります。
それには大きくわけて左方向のもの、右方向のもの、そして正面のもの(またはどちらでもないもの)の三種類に分かれます。(いずれも自分が正立のカードを見た場合の方向)
この視線の方向にカードを並べていく展開法を取るのが、カモワン流スプレッドのひとつのルールです。
当然ながら、カモワン流では視線(方向)を重視したリーディングをしますので、視線の方向性には気を使い、着目することになります。
今日はやや専門的になりますが、その中でも特に右方向に向いたカードたちについて取り上げてみます。
視線を右に向けているカモワン版マルセイユタロットのカード(大アルカナ)は、 「愚者」「女帝」「法皇」「力」「13」の5枚しかありません。
大アルカナは全部で22枚あるので、右方向の視線のカードは約2割です。反対に左方向に向けているカードのほうが多いのですね。
さて、この5枚カードを改めて見てみましょう。
「愚者」 これは夢や目標を抱いていつも旅をしている人物を描いているカードですから、そこにはまさしく、「夢や希望」「可能性」が示唆されます。
次に「女帝」です。このカードは理想を見て、アイデアを提供したり、先を見越した予測や計画を立てることのできる意味があります。ですから「理想や予想(予測)」といったものが浮かびます。
そして「法皇」 このカードには神の言葉を伝えている人物が描かれており、人にお話をしているところから「人にものを教えている」ことなどが連想されます。いわば「教育」です。教育は理想的なものや、よりよいものを目指して行われるものです。
続いて「力」は、猛々しいライオンを手なずける勇気と能力に満ちています。ここから次に向かう力強い「勇気」と「能力の発動」ということが示されます。
最後の「13」は、自分を変えるために究極まで凝縮させ、鎌をふるっている姿があることから、今後の「変化や変容」ということが出てきます。
まとめますと、皆、先を見据え、未来や将来に何かをもたらそうとしているわけであり、それを意図しているともいえます。
いわば、すべて右方向に視線を向けたカードは、「過去や今(現況)を超えるもの」ということがポイントとなってくるのです。
展開の中でこれらのカードが多く出た場合は、何らかの意味で今を超えることが示されていたり、あるいは逆に今を超えられないこと、超えるということに何らかの問題(心理的・現実的にも)があることが推測されたりするでしょう。
その違いは、それらのカードが解決カードに出ているか、問題カードに出ているかということを見ることで判断がつきます。
新年を迎え、新たな気持ちでスタートするこの時期、右方向に視線を向けたカードたちからメッセージをもらうことも非常に興味深いことだといえます。
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