あなたは満足していますか?

世の中が不況になってきますと、少しでも節約、節制という意識が出ます。


それはある面、仕方のないことでしょう。


収入が限られている、一定のものしかないという状態では、お金を有効に使うため節約していく(出る方をコントールしていく)のは当然の考え方です。


これはまさに、その名前の通り、「節制」のタロットカードに示されていることです。


このカードには、天使が二つの壺を持ち、交互に入れ替えている様が描かれています。


つまりひとつの限られた「水」を、二つの壺による「入れ替え」「工夫」によって有効利用しているわけです。


100万円あれば一切を無駄にすることなく、ここぞという集中性をもって、とても効率的に巧みに使い分けているようなものですね。


ここまで書くと、「節制」のカードの読み方も、ある程度わかってくるのではないかと思います。もちろん「節制」の解釈はこれだけではありませんが。


一方、カードの数の上では、「節制」の次の「15」に当たる「悪魔」というカードがあります。


確かに節約は大切です。しかしすべてに節約意識が働きすぎますと、気持ちまでが窮々としたものになって、ますますお金も心も窮する(不満足する)ことになります。


と言っても「ないものをどうしろというのだ」とお怒りにならる方もいらっしゃるかもしれません。


ないものは増やせばいい(入れる方を広げ、コントロールする)のですが、これはタロットでいうと、「節制」意識から「星」になるということでもあります。


ただ、今日はその話(増やすこと)ではありません。


現実問題、サラリーマンやアルバイトをしていると、なかなか収入を直接的に増やす道というのは難しいものです。(難しくないといわれる方もたくさんいて、そういった方は意識がタロットでいうと「星」になっています)


しかしながら、物質的には増えないかもしれませんが、精神的にはある程度は満足度、心の潤いの増減が可能です。


そのために重要なのが、タロットカードの「悪魔」なのです。「悪魔」にはいろいろな意味がありますが、ひとつには人の「満足感」に関わるものがあります。


そしてそれは自分の「満足感」を意味することもあります。


「節制」が行きすぎて、すべてが狭まり、余裕がないように感じられて苦しい時は、「悪魔」のように自分の満足(する心)に気持ちを向けてみるとよいでしょう。


具体的にはこういうことです。


食べたいものがあるのをいつも「節約」のために我慢している。


それを完全な満足とは行かないまでも、ほんの数十円上げるだけでも、自分が食べたいももの(満足)に近づくのならば、たまにはそちらを選択してみるということです。


回数や機会を決めて、今回のみ少しだけ贅沢というか、自分の望むものをしてみるという選択もありです。


我慢に我慢を重ねていくと、いつか潜在的に押し込められた不満が反動となって爆発することがあります。(大量消費や感情の乱れ、病気、人や物など何かへの極端な依存など)


一度でも心からの満足を選択することで気持ちが安定し、欠乏の中にもある種の余裕を実感し、ベクトルが豊かさの循環に変化していくこともあります。


そう、少ない中でも、自分の満足感を得ることと余裕が大切なのです。


「悪魔」のカードは悪魔自身も、またつながれている人も皆楽しそうです。


つながれているという実態(たとえば完全な環境ではない状態)はあるものの、その中で満足感は得ているのです。ちなみにながれてるい綱はとても緩く、このことから「余裕」を感じさせるものです。


「節制」と「悪魔」は天使と悪魔という意味でとらえられることもありますが、節約過剰と満足感という観点からは、「悪魔」のほうが大切になることもあるのです。


全体的な不満足感より、ひとつでも、ワンポイントでも満足を得られたほうが、気分的に楽なることはあります。


タロットカードの展開の中で「悪魔」がよく出る人は、自分が本当に満足しているか、自分に問うてみるのものもよいでしょう。

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