タロットの使い方
心と行動
人には肉体と心があるように、実際の行動と心理は関係ないようで、切っても切れない関係にあります。
よく心が変われば行動も変わるといわれますが、それは本当です。逆に行動から入って、心を変化させることもできます。
それは両者が別物ではなく、密接なつながりがあることの証拠でしょう。
私が使うカモワン版マルセイユタロットのリーディングは、占いとしてズバリものを当てるというのではなく、この心と行動の関係に着目し、まず意識(心)に変化を及ばせ、自ら責任をもって行動に移せるようになれることをを心がけています。
一口に意識に変化を起こすと言っても、なかなか人間は頑固にできていて、日常の習慣化してしまった心のパターンを変えていくのは困難でもあります。
しかし、その第一歩は現実を認識する(今の自分を意識して見る)ことから始まります。
そこから過去へ行き、その上で未来を変えていきます。正確には自分で作り出すよう意識に変化を及ぼすということです。
自分で自分を理解しようとすると難しいですが、ここにカードなどの自分を投影できる「絵」と、それを説明してくれる人や装置(リーダー)があれば、意外と自分の(心)を意識することができます。
自分の心のパターンが現状でわかれば、それを変えていく可能性は出てきます。
人は見えない、さわれないようなものより、五感で認識できるものを好み、さらにその感覚でとらえたものを現実と意識できるのです。
ここに、絵柄があり物理的な(紙でできている)カードであるタロットを使う意味が出てきます。
「自分はやれない」「自分はだめだ」という心のパターンに支配されてきたことを自分で認めること(確認すること)ができ、それが「自分はできる」というものに心が変化した時、その人の行動はどう変わるか、火を見るよりも明らかです。
今の現実が自分の思っていることとかけ離れていると思える人は、今一度、自分の心・思考パターンを見つめ直してみましょう。
よくよく観察していくと、実は現実と自分の心の奥底で思っていることが、そう変わりがないことに気がつくはずです。
そういったことの分析と変換装置の道具としてタロットは非常に有効なのです。
完璧主義の人へ。 「世界」のカードからの考察。
完璧主義、完全主義の人は結構多いのではないでしょうか。
実は私自身もそういったところが少しあります。
だいたいの場合は、自分に自信がない、不安が高いといったタイプの人にそういった傾向がうかがえ、結構まじめで繊細なのですが、意外に抜けていたり、大胆なところもあるのが特徴です。
そして、このような方に対するアドバイスには、もはや耳タコ(耳にタコができるほどの)状態でよく聞かされるのが、
「もっと気楽にやってみれば」
「完璧な人などいない」
「失敗をおそれず、とにかくやってみること」
というようなものになると思います。
これはまあ、その通りなのですが、それができないから困っているということもありますよね。
それではどうすればよいのかということになりますが、今回はこういった人の内面から変えるというようなことはお話しません。
それよりも、今の状態まま、完璧主義の人が意外に陥りがちなアンバランスさを修正するひとつの方法をタロットカードを交えて紹介したいと思います。
ところで、「完全」「完璧」を表すタロットカードは「世界」という名のカードです。
「世界」の絵柄には、踊っている中心の人物と、その人物を取り囲むかのように4つの生き物が四方に配置されています。(マルセイユタロットの例で語っています)
この4つの生き物が何であるかは詳しくは述べませんが、ただいえることは、「完全」というものはこの真ん中のもの(人物)と、ほかに4つのもの(生き物)が集まって完成されているということです。
つまり、本当の完全とはこれら周囲を囲むものとして象徴的に表現されている4つの事柄がバランスよく備わっていてはじめて「完全」なのです。
さて、完璧主義の人の話に戻りましょう。このような人は、実はあるひとつのこと(要素)しか目には入っていない場合が多いのです。
だから時には自分が注視していない事に対しては無頓着に行動してしまうので、抜けていたり、大胆だと人からは見えてしまうのです。
よくあるケースで例えば、「癒し系の仕事をしたい」と技術を学んでいる人がいたとします。
この人は「自分はまだまだ人からお金を取るほど完全ではない」と思い、ひたすら学習を積み重ねようとします。ひどいときには借金までして学ぼうとします。
いやいや、ちょっと待ってください。果たして頭の中の理論や技術ばかり磨いても、実践がゼロのままでは、いくら技術を向上させてもいつまで経っても実際に営業することは無理でしょう。
また借金をして技術を身につけても、それをその技術で回収する意図や目的がない(単なる空想でいる)のなら、かなりの不均衡なことをしているともいえます。
ですから、ここで先ほどの「世界」のカードの4つの生き物の観点を導入します。仮に4つを、「理論(学習)」「実践(行動力)」「成果(収益)」「人(気持ちや人間関係)」に分類します。
先ほどの癒し系の仕事をしたい人の例でいえば、明らかに「実践」と「成果」が足りません。いい「人間関係」や「気持ち」の余裕もないのかもしれません。
完璧主義ならば、ひとつのことだけを完璧にしようとせず、ほかの分野ももっと追求したほうがよいでしょう。せっかくあなたは完璧主義になるくらい、注意深い人なのですから。
それと、完璧というものに次元の違いを認めることです。
例えば理論分野ではかなり学んではいるものの、実践経験が乏しく、お金を取ったことがないというのなら、その理論分野に追いつくためには、壺にたまった水をほかのところにも流すかのように、まずはできる範囲での実践と収益を上げる努力もしていくべきでしょう。
ひとつの壺だけを肥大化しても、それを抱えて重たい荷物を背負うだけで、ますます自分自身を苦しめることになります。
完璧の完璧(究極の完璧)というものが理想像、最高イメージだとしても、その前段階や次元を縦に階層的に想定することにより、例えば1段階の完璧、2段階の完璧、3段階の完璧・・・というように段階別の完全さを設定すれば、行動もしやすくなるというものです。
そのためにも、ひとつのことだけで完璧を目指そうとするのではなく、まずは4つの分野をイメージしながら、その値を平均化しながら上げていくということになります。
結局のところ、完全主義・完璧主義に陥るのも、「世界」のカードが逆向きに登場するかのごとく(そうなると、中央の人物がまるで閉じこめられているかのように見えてきます)、視野が狭くなって特定のことにこだわってしまっていることによるものでしょう。
従って「世界」のカードのように、少なくとも4つの視点を持ち、バランスよく発展させていけば、やるべきことも見えてきて、完全主義に押しつぶされることも少なくなるのではないかと予想されるのです。
「変える」よりも「付け加える」
自分の(認識している)世界は、自分の入れる情報によって再構成されている世界ではないかと思うことがあります。
昨日 もタロットリーディングの展開から特徴を発見するためには、今までの知識や注目方法では決まった形しか出ないということをお話しました。
これと同様に、私たちは普段、目の前の膨大な情報や出来事から、自分に関係させたいと思えるものだけを抽出しているので、自分の意識や情報の選択方法が変わらない限り、自分の人生にもなかなか変化は及ばないと考えられます。
よく変わり者が大きな改革を成し遂げたり、偉大な成功を収めたりするのも、タロットでいえば「愚者」として通常の常識や価値観からはずれているために、普通の人が見えていないものに着目することができたからと想像できます。
ところで、「シンクロニシティ」という「偶然の一致、偶然のような必然性」を意味する言葉があります。
これも誰もが気がつく明らかなメッセージとしてとらえられることもありますが、実のところ、これまで意識しなかった事柄に注目するようになってはじめて、「ああ、これとこれがつながっていたんだな」と気がつくことが多いものです。
この記事でも述べました が、自分の認識する世界を変えるためには、自分自身の価値観、エネルギー、次元を変える必要があるわけです。それにより、今まで見えてこなかったシンクロやメッセージを発見することにもつながっていくでしょう。
とはいえ、なかなか自分のこれまでの意識を変えることは難しいものです。
そこで「変える」ことを行うよりも、「加える」という作業をしてみることをお勧めします。
「変える」ことは、これまでのことを削除したり、整理統合したりする大変なエネルギーがいります。
けれども今のもの(考え方)は今のものとして置いておき、別方向から見るという新たな観点を付け加えると、案外「変える」よりも楽な場合があります。
これは簡単にいえば、表だけから見ていたものを裏から見るとどうなるのかという視点を新たに持つということです。
例えば今まで自分の心だけ見ていた人は、相手の心(相手は何を思ってこうしているのかということ)も意識するようにします。
ほかにも、結果だけではなく過程を見る、女性なら男性はどう思うか考えてみる、することだけではなく、やらないで済む方法はないかと思考してみる、スピリチュアルという視点を持ってみる・・・実はいろいろとあります。
新しい観点をつけ加えるには、やはりタロットを学ぶことをお勧めします。
タロットを知ると結局「変える」ことにもつながりますので、一挙両得でもあるのです。
タロットカードで分析する女性の相
昨日の記事 の続きのようなものになります。
カモワン版マルセイユタロットの大アルカナカードで、絵柄から明らかに女性を示すと考えられるカードには、「斎王」(ほかのタロットの名前では「女教皇」)「女帝」「力」「節制」「星」が挙げられます。
ほかにも女性カードはあるのですが、今はあえてこれらのカードに留めておきます。
このうち、「節制」はカモワンタロットのタロットマンダラと呼ばれる絵図の位置では特殊なところに存在(中段の最後)していますので、ほかのカードとは別種だとします。
すると、残るのは「斎王」「女帝」「力」「星」の4枚になります。
前回、「女帝」と「星」は対になる存在 だとお話しました。
実はこれら4枚、どの2枚をとっても対(ペア)となるカードだといえます。
そしてこの4枚が何を表すのかといえば、「女性」における4面(正確には3相)を示しているということです。
「斎王」は知識ある老婆(智慧)、「力」は少女や処女性(純粋性・特別性)、「星」と「女帝」は母、男性のパートナーとしての女性を示す(母性、現実性)と考えられます。
このうち、「女帝」と「星」は現実と理想(精神)という二元性も表すでしょう。
女性の皆さんはこの4枚のカードを並べて、時にはシャッフルしてまた並べ直したりして、自分の「女性性」部分と対話を試みてもよいでしょう。
今自分に足りないものや、過剰に出ているところなどがわかるかもしれません。
男性の場合は、自分が女性に求めているものを考えるきっかけになるでしょう。
これら複数の相が統合されることで、よりバランスある「性」(せい・さが)を自分にもたらすことができると想像できます。エネルギーとしてとらえても面白いかもしれません。
一度お試しください。
タロットを使わずメッセージをタロットから得る
タロットに慣れてきますと、タロットがなくてもタロットをひくことができます。
というと嘘のように聞こえますが、そうしたことも可能です。
方法は簡単です。
まず聞きたいことや問いを思って心を静め、次にタロットをイメージして浮かんできたカードを指針とするものです。
試しに、今このブログを読まれている方にとってのメッセージとして想像してみますね。
・・・・・・
「吊るし」が出ました。
おそらくこの時期(夏のピーク、お盆前)、思ったよりも心身が疲れていることが多いからでしょう。
どこかに行ってリフレッシュすることもいいのですが、ちょっと体を休めて、静かな時間をもってみてもよいでしょう。心が和む映画などを見てもいいかもしれません。
気力が今ひとつわかない人は、素直に上がるまで待つのもひとつの手です。
急がす騒がず、結論を出すのはもう少し後にして、今は「吊して」おくことがあなたにとってはよいことと思えます。
という具合です。(笑)
想像だけでタロットを使う方法については、また機会を改めまして、記事で書かせてもらおうと思います。