リーディング技術・内容
タロットリーディングとシンクロニシティ
カモワン版マルセイユタロットのリーディングは、たくさんのカードによって展開される ことを、これまでも述べてきました。
単独のカード同士が有機的なつながりを持つことで、複数の多層な構造と意味が紡ぎ出されるのです。
これをリーディングしていくには、ある種のコツがいります。そのもっともポイントとなるのはカードの連繋を発見していくことです。
この「連繋」には図柄の象徴のこともあれば、意味のことあり、数字のこともあったりします。
つまり、似たようなつながりに気づいていくということです。
それは言い換えれば、タロットの展開において、シンクロニシティ(偶然のような必然性)に気づく作業を行っているともいえます。
これはとても重要なことです。
普段私たちは、よほどの意味ある偶然に出会わないと、シンクロニシティ(以下、シンクロと省略)に意識を向けることができません。
ところが、カモワンタロットのリーディングを続けていくと、先述したように連繋を見るため、必然的にシンクロを発見しなくてはならなくなります。
すなわち、カモワンタロットのリーディング過程そのものが、シンクロに気づくための自然の訓練になっているのです。
シンクロに敏感になると何がよいのか。
それはこの世や宇宙の仕組みが、ある一定の周波数ともいえる波動や音階のようなものですべてつながっていることを、シンクロによって実感することができるようになるからです。
これはただ漫然と生活しては気がつかないからくりになっています。
その気づきへの突破口は意識を向けることにあります。
いかだの上でただ流されているのではなく、意識を海に向けて観察していると、どうやら海流があることに気づくのと同様です。
一見まったく違うと思えるものが、シンクロにより、ひとつの線で結ばれます。その時、見えなかった線に意識を向けることで、線をつなげている法則に気がつくことがあるのです。
とすれば、今度は意図的に線をつなげていくことも可能となるでしょう。
ここに運命を変えていく秘密があるものと考えられます。
このことは、タロットカードでは「運命の輪」というカードが握っているといえましょう。
その上で、さらにタロットリーディング自体が、秘術への修練を行っているのだと思うと、タロットのすごさに改めて身震いするほど驚かされるのです。
型破りができるまで技術を磨く。
私はクライアントの問いやリーディングの状況によって、タロットの展開法(スプレッド)を変えていくことはありますが、基本的にはカモワン式で展開をやります。
ただ、実はこの展開法には数種類のものが存在しており、それには、1.日本で広く伝えらてきたもの、2.一部の人たちに伝えられたもの(のちに一般的になりました)、3.さらにカモワン氏自身が主体的に使っている方法の三つがあると想像されます。(厳密にいえば、1と2の間にも数種あります)
おそらく、このほかにもカモワン氏の中には多くのパリエーションが存在しているものと考えられます。
この三種類のものをさらに大きなグループでわけると二つにわかれ、1と2のグループ、そして3となります。
その違いは、一言で言えば展開の完成の概念の違いです。
ある規則に基づいた展開を完成させてリーディングするか、それとも途中のままでもOKとするかの考え方で異なってくるということです。
それはこうとも言えます。
タロットの「展開」を中心とするか、あるいは、クライアントの問題解決を中心と置くかによる相違。
つまり、何が何でも展開を終わらせないとリーディングできないというレベルから、とにかくクライアントの問題が解決した、クライアントが納得したという状態になればそれでよし、とするかのレベルで違ってくるということなのです。
クライアントさえ納得すればそれでOKならば、どんな展開法でもいいのではないかと思うでしょうが、究極的にいえばその通りです。
これは一種の「型破り」です。
型破りができるのは、型が前提として理解され、習得されていることが必要です。
ですから先述した技法の種類も、リーディング技術の難しさでいえば、3>2≧1となります。
結局、タロットを引く時は偶然性を伴いますが、展開法自体は人が考えたものであり、人為的な働きかけが入ります。
そう考えると展開にこだわりすぎる必要はなく、クライアントに対して有効なリーディングができるのならどんなものでもOKといえるでしょう。
それでもあえてひとつの型からタロットを習得していくのには、それに従って学んでいくと基本がわかりやすいからです。(ほかに霊的な意味もあるのですが、それはここでは述べません)
いわば道なき道を進むのと、整備された道路を行くかの違いのようなものです。
あとは自分で自分の道を作って行けばよいということになります。そうなると、ほかの人もあなたの道路を通ることになるかもしれませんね。
タロットでスポーツの試合をリーディングする。
いよいよサッカーW杯南アフリカ大会が始まりましたね。
サッカー好きの私としては、いきなりの寝不足です。これからもしばらく続きそうです。(苦笑)
それにしても日本代表。。。
現代表への評価は、悲しくも世間的に激低に近いですが、私の日本代表への情熱度も、日本が初めてW杯に出場した1998年を起点にして、2002年にピークを迎え、以後下がりっぱなしなのです。
まあ、なぜそうなってしまったのかは、サッカー好きの人ならば、言わなくてもわかるでしょうね。
オリンピックなんかでもそうですが、こういう一大スポーツイベントの前になると、試合結果を占いたいと思う人が出てきます。
ここで当てモノとしてタロットを展開しても面白いのですが、それはゲーム的な感覚でやるほうがよいでしょう。
そしてできれば一人でやるよりも、たくさんの人で占ったほうが、傾向という点では見ることができるかもしれません。
そういう意味では、タロットの練習会のネタなどにもいいと思いますね。
自分が読んだ結果が当たればタロットに興味が出るでしょうし、はずれたとしても、なぜ実際と違ったのか検討する気持ちが起こりやすいからです。そうして「当てモノとしての占い」を極めて行かれるのもまたよしでしょう。
ただ、私自身は試合結果を当てるという方法を取るよりも、実際の試合状況や勝敗の要因と対策について仮説を立てたり、検証したりすることに使います。そうすることで、タロットから問題解決を見いだすという力がアップするからです。
さらに自分が好きなスポーツだと、具体的なことがよくわかるので、タロットの象徴が何を示していたのかが、興味のないスポーツよりもはっきりするでしょう。
ちなみに。。。今回の日本代表について軽くタロットを展開してみたところ、やはりというか、あんまりよくありませんでした。審判の判定にも泣かされるか、あるいは逆に弱い場合だと助けられるかもしれませんね。(おそらく皆さんの思う、「今回期待できないよなぁ」というような集合的な意識も働いていると予想されます)
ただ現実は、当事者たちの思いと行動で未来は変わりますから、本当に頑張ってほしいものだと思います。
カモワン式展開法のすごいところ
カモワン版マルセイユタロットを使い、さらにカモワン流の展開法を選択する時、そこには驚くべきことがすでに始まっているといえます。
以前にもお話しましたが、カモワン流のタロットの並べ方は、タロットカードの人物の視線を追ってどんどん新たにカードを置いていくことと、逆向きに出たカードに対して、その調整を図る意味のカードも追加していくという流れになります。
するとどういうことが起こるのかと言いますと、クライアント(相談している人)の目の前に、自分自身のストーリーが、まるで映画のスクリーンを見ているかのように出現します。
それだけでも、自分を客観視する効果があるのですが、さらにこのタロットで繰り広げられているストーリーを詳細に分析していくことで、あなたが信じていた自分の信仰とでもいうべき物語(記憶、思いこみ)が、違った物語に置き換えられると知ることができるのです。
あなたのために用意された展開の形は、確かに物理的にはひとつ(それもタロットをする度に変化します)なのですが、そこから読み取れるストーリーは、タロットの象徴から導き出される幾通りもの数があるのです。
その中には、あまり好ましくなかった自分の物語もあるでしょう。それが今のあなたの問題を引き起こしていたり、関係したりしていたと考えられます。
そこでタロットリーダーは、タロットの展開ストーリーから、ほかのあなたへの新しい物語をリーディングし、メニューとして提示します。(「リーディング」と呼ばれるのは、この「読み取り」を行うからでもあります。)
あなた(クライアント)は提示されたメニューから、あなたが食べたい(作りたい、創造したい)と思う料理(人生)を選択すればよいのです。
そう、ここにクライアントの自らの選択という現象が生じます。
「選ぶ」ということは、あることを意志決定していることと同じです。つまり決断です。
人は迷いから決断できないことに苦しみが生じます。
どんな人生を創って(つくって)行きたいのか、自らが選択し、自分に決意させることができます。
焦点や目標のイメージが明確になれば、人はそれに向かって行動するモチベーションが生まれ、自然と現実化に向かいます。
たとえその通りにならなかったとしても、「この選択し、決意すること」のサイクルがわかってくれば、無目的にただ流される人生とは決別していくことができるようになってきます。
ここにカモワン流の最大の特徴があります。そこには当たる当たらないの枠に留まらない、自己実現のための高度なシステムが内包されているといえましょう。
このほかにもカモワン流には、まだまだ秘密が隠されているのです。
タロットリーディングと経験
昨日、去年から私のタロットを習っていた方が基礎講座を卒業されました。
一時お仕事がお忙しく、一年くらい中断するという異例のことにはなりましたが、それでもタロットを勉強するという強い意志は継続しておられ、久しぶりにご連絡いただき、終了させることができました。
この方は今までビジネス一辺倒でそれなりのご成功を収められてきたのですが、ある日、もっと精神的な何かの活動や充実を求められ、このタロットに導かれたとお話されていました。
そして、タロットや今までほかに習ってきた占い技法も使いながら、人生経験を活かした相談をされて行かれるとのことです。もちろんほかのビジネスも行いながらですね。
このような実社会での豊富なご経験を伴いながら、タロットを学ばれてそれを活かした活動をされていく方を見ると、本当にうれくし思いますね。
タロットの相談に人生経験が必要なのかと問われると、やはりある程度は必要だと答えます。
タロットはどうしても精神的な部分の分析やサポートという面になりがちですが、クライアントは通り一遍の癒しや支えだけを求めているわけではありません。
そこに具体的な方法や提案も必要となる場合もあるのです。
それにはやはり、自分が経験したことが多ければ多いほど、生きたアドバイスがしやすくなります。
たとえば同じカードからインスピレーションを受けて、「この事業には宣伝が必要」と解釈できても、ただ漠然と「宣伝したほうがいいですね」と言われるより、「広告が必要なのですが、それにはまずはツイッター登録して、こうつぶやいて、フォローをこういう人たちにしていく」とか具体的にアドバイスされたほうが、満足感も違います。
そういうことはやはり経験や知識がないとできにくいものです。
では、経験が少ない人はタロットの相談をどうすればよいのか。
それは経験より、近さ、同類さで相談していくということです。
つまり共感です。
自分が20才の女性ならば、同年代の女性の心、考えがわかるとして、その人たちを専門に近く相談していくことです。
経験はなくても、「共感」ができる部分があるはずなのです。
また反対に、異質さ、差異で勝負するという方法もあります。
上の例でいえば、50才のおじさんに20才の女性のあなたが、おじさんには想像もできないアイデアや考えでアドバイスするということです。
また、タロットではたとえ具体的なことが導き出せなくても、自分の発想を超えたことが象徴の働きで飛び出ることもあります。
それは特にマルセイユタロットには、積み重ねられた長い年月と歴史による人々の集合的とも呼べる意識が絵柄の中にとけ込んでいるからです。
ともあれ、経験や共感、異質ということが相談のキーとなることは間違いありません。