リーディング技術・内容
タロットカードから聞こえてくる音
あまり皆さん、やったことはないと思いますが、タロットを音で表現したり、感じたりすると意外なリーディングができたりします。
特に「13」のカードがお勧めですね。「13」は一般的には「死神」などと呼ばれ、怖がられているカードですが、私の使うタロットでは死に神という解釈はしません。
確かに手に大きな鎌を持ち、骨と皮だけのほぼスケルトン状態の絵柄を見たら、恐怖を感じてしまう人もいるでしょう。
しかし「13」は非常に強いパワーを持ち、古いものを壊して、新しいものに変えていく積極的な意味を持つカードなのです。
それはさておき、音の話に戻りますと、カードを見てまず感じた音を実際に口に出して表現してみましょう。
いやなに、簡単なことです。
上記の「13」の例でいえば、鎌を動かしている様子から「ザクッ、ザクッ」とかいう音が響いてくる気がしませんか。
ところが私にはこれが「ザクッ」ではなく、「サクッ」という風にも聞こえるんですね。
サクッと。 今、よく使われる表現です。(笑)
そう、「13」の鎌でサクッと古いもの、こだわっているものを取り除いてしまいましょう、という感じですね。
タロットから聞こえてくる音は不思議なもので、気分や状況、人によって変化します。音の表す「語感」や「響き」が大切なのですね。
ここで私がこのネタに「13」を出したのには意味があります。
すでにカモワン版マルセイユタロットを習われた方には、それを考えてみられるのも面白いでしょう。
カモワン式の展開法
カモワン版マルセイユタロットは過去・現在・未来の三枚の基本カードから始まります。
ただ、この三枚だけでは終わらず、カードの人物が持つ視線の方向によって、次々とカードが展開されていきます。
それはまるでひとつのストーリー、物語が目の前で繰り広げられているかのようです。
私がこのタロットを特に気に入ったのは、この独特のシナリオのような展開法が魅力的だったからです。
タロットは一組78枚、主に大アルカナという22枚のカードでカモワン式は占いますが、それにしても22枚の組み合わせから無限と思える展開がその時その時に応じて登場します。
つまりはひとつとして同じ展開はない(厳密にはありえますが)というのに等しいのです。しかしこの点が個性的ではあるのですが、逆に言えば欠点ととられる場合もあります。
それは同じ展開が現れにくいので、リーディングのパターンがつかみづらいという学ぶ側のほうの難しさです。
占ってもらうクライアントにしてみれば、自分(とその問題の)オリジナルが出ていると思えば、よりタロットに親しみを覚えて向き合いやすくなりますが、読む側となればまた別です。
しかしながら、それもある一定の法則があります。そもそも自由な展開といっても、まったくのフリーではなく、特定の規則に基づいた自由性なので、その規則の原本に立ち返れば、自ずと解読もしやすくなります。
そういったコツは教えられないとなかなかわかりません。これはたとえばスポーツで自己流の練習ではできなかった技が、いざコーチを頼んで教えてもらうと案外簡単にできてしまった、というようなものです。
ただこのスポーツの例でも自己流とはいえ、一生懸命やってきた下地があります。ですからポイントを教えられてもすぐ理解が可能なのです。
何事もそれなりの努力なくしては、完成には近づけません。タロットカードでいえば、まさに「神の家」のレンガを積み上げるが如しです。