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マルセイユタロットを2日間で読むコース開始
単にお知らせですみません。
今日から四国高松市(ヒラリオンさん)において、マルセイユタロットの2日間コースを行います。
これは「マルセイユタロットを2日で読めるようにしてしまおう」という大胆な企画です。(笑)
このコースはカモワンタロットがベースにはありますが、まったくの私のオリジナルです。(カモワンタロットを教えるものではありません)
今までは結構長期的なスパンで、タロットとじっくり向き合いながら教えていくというパターンだったのですが、もっと早くシンプルにタロットがリーディングできるようになれないだろうかと考えた結果、生み出された講座です。
イメージとリーディングの理論を統合させて、いわば右脳で感じたことを左脳で理解する仕組みをよりダイレクトかつ単純化したものになっているのが特徴です。
展開法も短時間でどこでもできるように、少ない枚数のものにしています。
何事もシンプルにするということは実は結構大変で、必要なものをきちんと把握していないと、そぎ落とす過程で重要なものまで捨ててしまったり、反対に不必要なものを後生大事に守って冗漫なものになってしまったりします。
まさにタロットカードでいえば、「13」です。
では明石大橋、鳴門大橋をバスで渡って講座に向かいます。
ワンダーな関係に隠されたワンダフルなこと。
タロットでのご相談、自分自身の経験、人からのお話などで考えてみても、強烈な出会いや運命的ともいえる遭遇は実際あるものです。
しかしどうもそのほとんどは、状況による思いこみや平静ではない特殊な状態にいた時に出会ったため、強い印象を感情的にも受けてしまったということが多い気もします。
かつて、前世もわかるというある霊能者がこんなことを言っていました。
「ものすごくひかれ合う者は、実は前世的には敵同士であったことが多い」と。
そして、「昔は敵だったので、今生ではあえて好き合う関係で生まれ、相手を困らせることで復讐を遂げようとする」のだとも話していました。
これでタチが悪いのは、当人同士は本当に恋人のように思っていて、お互い自覚がないということらしいです。
まあ、霊能者の話はともかくとしまして(;^_^A、出会いでのいきなりの意気投合、それもめちゃくちゃテンションが上がるような関係は注意が必要なこともあるのではないかと感じます。
はじめにもふれましたように、当人同士の相性などというより、その時の状況の盛り上がりこそに、その要因があるように思うのです。
聞いたことがあるとは思いますが、心理学の実験で、ゆれる橋を渡って怖くてドキドキしながら知らない人に出会うと、その人に対して好意的な感情や恋心を抱いてしまうようなこともあるというくらいです。
つまり通常とは違う意識になれば、人はまさに起こっていることを「ワンダーなもの」として感じてしまう余地があるということです。
この「ワンダー」ということがくせ者なのです。(なぜか「ワンダー×ワンダー」というNHK番組のキャッチの声が聞こえてきます...ちなみに連載間隔がワンダーな(笑)、ハンター×ハンターのことではありません;)
その人自身にワンダーを感じて本当にワンダーな気持ちになればいのですが、先述したように状況やシチュエーションのワンダーが、あなたに気分としてのワンダーを与えているに過ぎないこともあるのです。
ですから、「いやー、盛り上がったよねぇ、私たち」なんて回想することがあるならば、どうせなら、その直前にあなたがどういう状況にあったかも思い出してみるとよいです。シチュエーションワンダーにだまされているかもしれないからですね。
とはいえ、これとは別に、状況とは無関係に突然訪れるワンダー感覚の恋というのもあります。これこそがタロットの「恋人」カードに描かれているキュピーッド(本来はエロ-スの神)の働きなのです。
キュピーッドはある面、気まぐれのように現れるので(他のタロットでは、この「恋人」のキューピッドが目隠しをされて描かれている場合もあるほどです)、あたかも突如としてキューピッドの矢が刺さったかのような衝撃とワンダー感を得ます。
矢に当てられた人は、もはや目の前の人と恋に落ちねばなりません。この場合の恋愛は、本当にいろいろな意味でワンダーになります。まさに運命の人という感じで結婚まで至るケースもあるでしょうし、ドラマチックな恋に陥ってやがて別れてしまうこともあるでしょう。
いずれにしてもこの両者の関係には相当濃いものが流れ、少なからずその後の人生に影響を及ぼすと考えられます。
キューピッドは表面的には縁を結びつける存在のように見えますが、実のところ、ただ恋の経験を味わせることが目的のように思えます。
キュピーッドは言ってみれば、人と人の縁を結ぶのではなく、人と恋の縁を結ぶために現れるとでも表現すべき存在でしょうか。
もしその結びつきの法則というものがあるとするのならば、それは人間界、私たちが通常暮らしている世界での掟とは異なるものだと考えられます。ですから私たちには偶然と思えるのです。(キュピーッドには必然)
ここに恋愛が一筋縄では行かない理由があります。
私がタロットの恋人カードを見て感じるのは、そういった出会いの不思議さもありますが、恋によって得られるワンダー体験と、そこから生じる意識や考え方の変容の作用です。
恋愛自体は、よい結果のこともあればまずい結果に終わることもあります。しかしそのいずれにおいても、通常では得られない感覚を恋愛は私たちにもたらせます。
その体験こそが、まさにワンダフルなものだと私は考えているのです。
まあでも、一方的に疲れる恋、自分が必要以上に傷つく恋、いびつな恋などは、できれば経験しないほうがいいでしょう。
そのためには、あなたのドキドキがシチュエーションワンダーなのか、キューピッドがもたらせた偶然のような必然なのか、そのどちらでもないものなのかなど見極めていく姿勢をもっていてもよいかと思います。
視点と軸。タロットの展開法から。
かつて、「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」というテレビと映画の作品がありました。
あの「Love Letter」の監督、岩井俊二氏の作品であり、幼い時代の奥菜恵が出演していることでも話題になったものですが、別にこの作品のことをここで語るわけではありません。(個人的にはノスタルジックで好きですが;)
今回お話するのは、まさに「下から見るか、横から見るか」ではないですが、タロットリーディングにおける「視点」のことになります。
カモワン式の展開法にはいろいろなバージョンがあることを説明しました が、「解決カード」(文字通り、問題の解決を示唆するカード)に着目した分類をすると、解決カードを下方向に置くやり方と上方向に置くものとの違いによる二種類があります。
規則的にはそれだけの違いであるとはいえ、やってみればわかりますが、見た目の雰囲気もかなり違ってきますし、実際にリーディングの内容にも差異が見られるように感じます。
ひとことで説明しますと、上向きが精神的(スピリチュアル的)視点、下向きが現実的視点だといえるでしょう。
これは人の視線と気持ちがどういった時にどういった方向を見るのかということを分析すれば、非常に理にかなったやり方だと思えます。
私自身は研究と実践により、現在は上向きに解決カードを置いていくことをメインとしています。しかし下向きに置くことも必要なケースもあります。
出ているカードは同じでも、上に上がっていく展開を見るのと、下に降りてくる展開を見るのとではずいぶん印象が違います。今まで気付かなかったことも見えてくるようになり、そこから新たな発想も生まれます。
つまり視点や視線方向を変えただけで、考え方も変わると言うことです。
カモワンタロットが視線を重視しているのにも、こういった理由がひとつにはあるのです。
このことをもっともカード単体で表しているのは、「吊るし」のカードです。このカードの人物は逆さまの視点で物事を見ているからです。
解決カードを置く方向性だけではなく、ひとつの展開方法を上下左右、いろいろな方向から見てみることもお勧めします。
そうするとあるカードが非常にクローズアップされたり、立体的に見えたりして、展開自体のメッセージが直観的に感じられることもあります。
時にはタロット自体から視線をはずしてみることさえも有効である場合があります。特にリーディングで煮詰まったり、出た展開の意味がまったく読み取れないなどの時は効果的です。
単純にリーディング練習としても、相手側と位置を交替するだけで、別の「ふたつの視点」を体感することができます。
これは実は視線だけのことではありません。
たとえば過去に戻った気分で今を見る、未来から今を想像して見るなどの時系列観点も面白いですし、多くの人の(それも性別・年齢・出身などの違いによる)意見を聞くというのも、ある意味考察視点の違いの比較ができて、多様性を促進されます。
と、このようなことはどこでも語られているので新鮮味もないかもしれませんので、もう少し付け加えたいと思います。
一気にいろいろな視点から刺激を受けるのもよいのですが、かえって混乱することもあります。
従って「テーマ」は最初に決めておいたほうがよいでしょう。視点は変えるけれども、テーマや主題は変えないという姿勢です。
例えば、先のタロット展開法の例でいえば、上や下という方向・視点の違いを見るのはいいのですが、リーディングの問い、何をそこから得ようとするのかという主題は固定させておくということです。
これをしないと、例えば「おいしいラーメンを食べたい」という目的でネット検索で口コミを見たり、友人から噂を聞いたりという視点を変えた調査をいろいろしたはいいけれど、そのうち自分のメタボさが気になって、いつのまにかメタボ予防の食事メニューを探してしまっている、というようなことにもなりかねません。(まあ、この場合はその人の健康にはいいかもですが・・・(^_^;))
主題も複数、視点も多数だと発想は出てきてもまとめきれずに、逆に消化不良を起こしてしまうおそれもあるのですね。いきなり鏡張りの動く立体ハウスの中に入って酔ってしまうようなものといえましょう。
視点の多角化は大切ですが、その前にはまず「主題」や「テーマ」といった自分の中心軸を定めることもまた重要だと言えます。
で、打ち上げ花火、結局下や横からどう見えたのでしょうか? それはこの夏、実際に打ち上げ花火を見に行かれるか、映画を見てご確認くださいませ。(笑)
カードによる心の整理のメカニズム
この記事 での意味や方法について、少し反応もありましたので、シンプルですが加筆したいと思います。
タロットを使う心の整理法のカギは、大アルカナという22枚のカードにあります。
カモワン版マルセイユタロットにおいては、「タロットマンダラ」と称される大アルカナカードが番号順に並んだ表があり、それを使用すると便利です。
このタロットの並んだ図表はあまりにも奥が深いので、ひとことでは到底語りきれるものではないのですが、それはともかくとしても、大アルカナが全部整然と並んでいるものなので、事柄をカードに当てはめることをするのには、見た目にも大変使いやすいものなのです。(カードを取り出していちいち並べる必要がありませんので)
さて、自分の気持ちや事柄をタロットに当てはめていくとなぜ整理がついてくるのかということですが、その仕組みを説明します。
私たちは目に見えないことや説明のつかないもの、理解のできないものに対しては恐れや不安を抱きます。
それは自分の支配下に収まっていないので、得体の知れないものに恐怖感を感じることに似ています。
一方、カードは「絵」として目に見える「形」なので、それだけで安心感があります。
そして、自分の中に落とし込めなかった、あるいは理屈づらけられなかった感情や事柄が、カードの絵と象徴・意味によって分類されていくのです。
いわば世の中や世界の整理棚がカードによってできるようなものです。(余談ですが、「世界」という名前のカードがあるのも興味深いところです)
つまりは極端なことをいえば、カードによってあなたは世界(自分の感じている世界)をコントロールしたような気分になってくるのです。
カード(大アルカナのみでよい)に気持ちや事象を当てはめていくことで、カードの中にあなたの世界が内包されていくと言ってもよいかもしれません。
タロットと関連のあるトランプでも「手の内にある」という表現を使うように、カードによってあなたの中で収まりきらなかったものが収まり、感覚的にはまさに「手の内に入る」「コントロール下に入る」ことになってくるのです。
もちろん全部が全部というわけではないのですが、少なくともカードを知らずに混乱していた時よりも、かなり整理されて、心や事柄の収まりどころがましになっているはずです。
このためには絶対に必要な条件がひとつだけあります。
当たり前ですが(笑)、それはタロットカードを知ること、学ぶことです。
カードを知らなければ、ほかのものをカードに当てはめることができません。
タロットでなくても同様のことはできますが、私が言うのもなんですが、タロットは本当によくできたもので、このような整理道具としての使いやすさは一級品だと思っています。
知らないことを知っていることがマジック。
タロットカードには、「手品師」(ほかのタロットでの一般的な名称では「奇術師」「魔術師」)というカードがあります。
マルセイユ版の図柄では、ある人物が手品(奇術)をして人々を楽しませています。
そう、まさに「手品師」が描かれているのです。
当然手品ですから、タネがあります。しかもこの手品師はイカサマを賭博をしているという説もあるくらい、タネおおありなのです。(笑)
しかし知らない人はだまされて手品に魅了され、お金をまきあげられるのです。
でも、もしかすると納得ずくの人も観客のうちにはいるかもしれません。
そういう人でもその手品のタネを知らないから楽しめるのであって、その楽しんだ料金を手品師に支払っているわけです。
インターネットなどをよく見ていますと、いたるところに情報商材の販売サイトを目にします。
それが商売として成り立つのは、普通は知らない(と一般の人が思える)情報を売っているからです。知っていたら当たり前ですが、誰も買おうとはしません。
つまり知っていればなぁ~んだと思えることが、知らない人にとっては大きな価値を持つということでもあり、仕組み(タネ)がわからなければ、その人には「魔法」(マジック)のように見えるのだということでもあります。(これは本当に「魔法」の原理でもあります)
そのことをタロットの「手品師」はよく表しています。カードには商売のヒントさえ隠されていたのですね。
あなたも一般にあまり知られていないことを研究するか学び、それをウリにするとまさに「売り」になり、カードの「手品師」のように人々の注目を集められるかもしれません。
そしてネタは意外にも足下に転がっていることを、カードの手品師の視線が物語っているようにも私には見えます。
カモワン版マルセイユタロットを学んだ方は、さらに隣が「愚者」のカードであることに注目してみると、とても面白いことに気がつくでしょう。