タロットの展開からメッセージを見つけるための準備

カモワン流のタロットリーディングは結局のところ、展開されたカード群の中からある種のメッセージを見つけ出す作業だと言ってもよいでしょう。


これはいわば、たくさんの埋もれているものの中から、特徴ある事柄を発見するということになります。


もちろんだからこそ、誰が見てもはっきりと「これは」と思えるものはタロットからのメッセージだと考えられます。


しかし、そうそういつも目立つものが現れるわけではありません。


そして、あなたの意識や注意の向け方が、これまで普段過ごしてきたような平凡なものであったのなら、やはり誰の目にも明らかなものしか映りにくいでしょう。


従って、日常とは異なる特別な知識や意識による注視がカモワン流のリーディングでは必要となってくるのです。


これを例えで表現しましょう。


あなたが仕事に行くための、いつものルートを通っていたとします。


普段のあなたなら、頭の中はあまり何も考えていないか、今日の仕事の内容や予定などで占められているかもしれません。


ところが今日のあなたは、昨日やっていたテレビ番組を思い出していました。


その番組では、「人は歩いている時の手の握り方によって、性格がわかる」ということが紹介されていたのです。


するとあなたは、歩いてる人たちの手の様子を自然と見てしまいます。


「あ、あの人は手を堅く握りしめているよ、おっ、この人は手を広げてブラブラさせているな、だったら性格は・・・」


という具合です。


今までは通勤する人たちの手の動きなど注目したこともありませんでしたが、今日は気になって仕方ありません。なんだか今日は、いつもとは違う出勤日となりました。



このように人は意識しないと日々あふれる情報を顕在(意識)的にキャッチすることはできません。


また、意識することは思考につながりますから、思考の根拠になる知識や情報、感情の動きがないと目の前のことに頭は働かず、ただ流れていくばかりとなります。


ですから逆に言えば、新しい知識や考え方によって、今まで気にもとめなかったことが新鮮なものとして目にとまるようになるのです。


タロットリーディングも同じことです。


最初は目立つこと、わかりやすいものをメッセージとして抽出していきますが、知識や自分の意識が変わっていくことで、新たな視点を持つことになり、展開からこれまでとは違ったメッセージを見つけ出すことが可能になります。


視点が異なるという点では、リーダー(タロットを読む人)とクライアント(相談者)でも違いがあります。カモワン流のタロットリーディングが相談者との共同作業でリーディングを行っていくのにも、ここにひとつの理由があります。


図柄の象徴を知り、意味を学習することや知識を深めていくことの意味も、リーディングの分野においては、このようなことに理由のひとつが存在しているといってもよいでしょう。

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