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「吊るし」の必要性

吊るし

マルセイユタロットのこのカードは、大アカナの中でも、特殊なカードと言えます

ちなみに、特殊な大アルカナカードは、数がないという「愚者」、そして名前のない「13」というカードが、ほかにも挙げられますが、「吊るし」は、逆さまに見えながら、それが正立という特別さを持ちます。(もっとも、逆さの人物や動物は、細かく言えばほかのカードにも存在はしますが)

大アルカナのナンバー順は、ある種の成長性を示すことは、すでに結構知られているところですが、「吊るし」のナンバーは12であり、その次は、さきほど紹介した名前のない「13」となります。

「13」のカードは、骨格状の人物が大きな鎌を持って、何かを刈り取っている、削ぎ落しているかのような図像です。このことから、変革や改革、大変な作業ということが想像されます。

しかしながら、その前の「吊るし」は、逆さまのスタイルではありますが、ぶらーんと宙づり状態になり、ほとんど動いていない様子に見えます。

しかも、逆さ吊りの姿勢ともなると、苦しそうであったり、何か拷問を受けていたりするように思えるのですが、このマルセイユタロットの「吊るし」の人物は、むしろ笑みを浮かべているようにさえ見えることもあり、つらさは感じさせません。

一般的には、「吊るされた男」「吊るされ人」など名づけられているこの12番のカードを、私たちは「吊るし」と呼んでいます。

それは能動的にこの姿勢を取っていると見て、あえてこのスタイルの必要性をカードから感じているからです。一般的名称では、受動的に、何かの刑罰を受けているかのようにとられてしまいます。

前にも書いたことがありますが、カードの名前をどう訳すか、どう覚えるかによって、印象・意味合いもまったく異なってくるので、名前は重要です。

私たちは「吊るし」と呼ぶことで、このカードの受動的でいながら能動的である側面やポジティブさを自然に見ることができるのです。

ところで、このカードの解釈は、様々ににできるのですが、霊的な意味では非常に深いものがあり、通常、それは教えられてはいませんし、気づく人も少ないです。

私自身もそれは教わることはなく、あとで、様々なスピリチュアルな情報に接したり、学んだりしたことで、この「吊るし」の霊的な意味をインスピレーションとして得たというところがあります。

ひとつヒントとして言えば、グノーシス思想を探求しないとわからないというものです。従って、タロットの中にグノーシス思想を見出せない教義・姿勢の場合は、「吊るし」の秘密に迫ることはできないと言えましょう。

まあしかし、それもあくまで「ひとつの説」ですから、別に知る必要のない人にはそれはそれでよいことです。

さて、今日は「吊るし」の意味でも、一般的な意味合いの部分で、今年に特に関係すると思えるので、指摘したいと思います。

「吊るし」は、吊るし姿勢のまま動いていないと見ることができ、つまりは、現実的な解釈では、動かないこと、休むこと、エネルギー補充、見直し、停滞・・・というような意味合いとして取れます。

もちろん、ほかの意味もあります。例えば、「吊るし」の人物は「ひも」でつながれているので、結んでいる支点を中心に、右や左、あるいは前後と揺れている(振り子運動をしている)と見ることもできます。

だから位置が安定しないとか、どちらともつかずとか、そういう意味にもなりますし、これをよい風に見ますと、どれにもつかない、中立、うまく自分というものを保った立ち位置を守り通していると考えることができます。

とすると、最初の動かないという意味合いと、振り子のように動く意味合いとは矛盾するようですが、あえて、このふたつを融合させると、「自分を守る意識で動く」、あるいは、「自分の内面の守りたいもの、大切なものは動かさず、外向きは臨機応変にする」ということが出てきます。

もっと本質的に言えば、自分自身を確立すること、どんな時にも自分を保つこと(自分自身を簡単に売り渡さない)ことと言えるでしょうか。

もしも、あなたが、環境や時代の変化などに翻弄され、どうしていいいのかわからなくなった時、だからこそ、あえて立ち止まる必要もあるのかもしれないのです。

新型コロナウィルスの影響もあり、変化を叫ばれる昨今ですが、中心軸のようなのが固められずに、支点も動かして右往左往してしまえば、そのうち、綱も切れて落ちてしまいます。

また、他人や強い影響力を持つムーブメントにいいように動かされ、あなた自身がその者たちの電池のように使われてしまうこともあります。

すでにあるもの(得ているもの・持っているもの)の中で待機し、見ようによっては引きこもりのような熟成期間も大事です。

自分を見失ってしまい、あせって、ただエネルギーを消費し、疲れてしまって、かえってわけがわからなくなる、どうすればよいのか迷ってしまうという人も多いです。

うつ病などでも、エネルギー切れによる不調ということが発端になることがあります。

吊るし」のように、一度立ち止まり、自分を吊るし(ペンドし)て、今までのポジションから見て、まるで逆さになるかのように、違う見方をしてみるのは、特に今年は必要なのではないでしょうか。

精一杯、走り続けている、努力している人、成果やよい道が現れず悩んでいる人も、できる範囲でゆっくりする、何もしない、一度そのことを考えずに心身を休めてみるという時期を作ってはいかがでしょうか。空白期間もまたそれはそれで重要なのです。

自分が手を出せないようにしていると、過剰なエネルギーがそれまで働いていた場合(つまり、あなたが必要以上にやり過ぎていた場合)、修正が働き、他人があなたのしていたことをやらなければならなくなってきます。

でも、それはそれでよいのです。

あなたが無理して、自分を犠牲にしてまでやり過ぎていたことがあるのですから、自然のバランスで、ほかの人が本来やるべきことが回復してきただけです。そのほうが、あなたのためにも、また他人のためにもなるのです。

あなたがやり過ぎていたことで、他人の成長、物事の動きを止めていたこともあるからです。つらく、大変な思いをして、ますます周囲を停滞させていたとは、皮肉なことです。

「吊るし」は停滞のように見えて、むしろ停滞させているバランスの悪さを見させてくれるところもあります。「吊るし」が出る時、止まるべきはあなた自身であることがほとんどです。それが逆に停滞を解除し、次の「13」の変革に進ませるのです。

やたらと前進あるのみがよいわけではありません。

物事には陰陽があります。時には止まってもいいではないですか。いや、止まらなければならないことがあるのも自然の摂理と言えます。止まることで、本来のあなた自身や見失っていた自分を思い出し、真の自立や必要な変化を促進させることもあるのです。


ブログ再開 見えないネットワーク

ご心配をおかけしましたが、体調は回復し、今日はからまたブログを再開したいと思います。

ブログはだいたい、これまで通り、二日置きくらいに新記事をアップさせていくつもりですが、ちょっと今回のことで、心境の変化もあり、もう少しランダムになるかもしれません。

世間では東京を中心に、また新型コロナウィルスの新たな感染者増など、不穏な動きを見せていますし、九州では水害により、熊本で大変な被害が出ております。被害に遭われました方々にお見舞いを申し上げますとともに、お亡くなりになられ方のご冥福をお祈り申し上げます。

すでに数年前からですが、地球規模であらゆる面で変化の波が強制的にやってきているように感じます。

ブログを休んでいた時にも感じましたが、まず一人一人、自信が持てたり、イレギュラーなことに対応できたりできるよう、自分の心身を調整し、自立していく力と意思を構築していく必要性と、同時に、人間、一人では弱いところもありますし、こうした大変革の時代には、不安や恐れも増大し、どうしていいのかわからなくなる状態も起こりますので、助け合いの精神と実践が重要かと思います。

ですから、すでになにがしかの自立的精神と実情(経済など)を獲得している人は、これまで以上に、他の人の自立を援助していくことが求められると思いますし、逆に自分は弱いと感じている人、実際にいろいろな問題を抱えて悩んでいる人は、一人でどうにかしようとせず、他人や組織・行政などのサポートを受けてもよいかと考えます。

自分でできることは何か、それはお金とか行動、または他者にとっての意味だけではなく、精神的なこと、そしてまずは何よりも自分に対して自分ができること(本当の意味で自分の助けや成長につながること)は何かを考え、実行していくことだと感じます。

そして、これからは、無意識のうちのネットワークも重要になるでしょう。

マルセイユタロットで言えば、「恋人」カードの、人同士が実際に会話しているような物理的ネットワークではなく、目に見えない次元でのネットワーク、カードで言えば「審判」的なものを、いかに自分としてつなげることができるかということが大切になると考えます。

もともとそういうネットワークは、すでにあるとは考えられるのですが、ほとんどの人が自覚がないままです。(自覚なくてもいいのですが、悪いつながりをしてしまったり、よい意味で利用できていなかったりするという点が問題)

そして大きな問題は、つながってはいるものの、不安や恐怖、ネガティブな気持ちでつながっている場合が多く、これはわざとそうさせられているところもあるのではないかと想像しています。(「月」のカードと関係すると思います)

一人の気持ち自体は小さなものでも、たくさんの人とつながってしまうと、それが増幅され、巨大な一種のエネルギーと化します。それはまるで強烈な電流となって、皆さんの意識の中に入り込みます。

それが霊的な自立を阻害し、自分は何もできない、将来が不安、こうするしかない・・・などの牢獄のような縛りを作ります。いわば、悪い意味での電磁バリアのようなもので、電気の柵であり、檻です。

電気にはプラスマイナスがあるように、逆の性質をぶつけると、一時的には爆発のような不具合を起こすかもしれませんが、中和されて、ゼロのような感じになるでしょう。それは精神的に言えば、落ち着いた、クリアーな状態かもしれません。

つまりは、見えないネットワークにポジティブな電気信号を送り合いましょうというわけです。

頭の神経細胞のように、パータンとして電気信号の通り道ができてしまうと、同じ思考に留まりやすくなります。違うルートを開発して、そちらのほうを通常化する必要があるわけです。

おそらく、マルセイユタロットの絵柄と構図は、そういう見えないつながりを視覚化して、つなげていく役割もあると考えられます。

別にタロットがなくても、希望的な気持ちを持って、世界中にはよいネットワークがあると仮定し、そこにつなげたい、つながりたいという意思を持ち続ければ、自分もそこに加えられるのではないかと思います。(例えば、日本の神社などもそういうシステムがあると仮想することができ、神社にお参りして意識することで、つながりがつくと感じます)

それは、助け合いの精神が基盤でもあるように感じます。タロットで言えば「節制」心とでも言いましょうか。

自分が苦しい時は助けていくださいと祈り、楽になったり、少し余裕が持てれば、助けます、サポートします、苦しい人が救済されますようにと祈るわけです。

これは縦(過去から現在の時間軸)的に見ると、先祖因縁・成仏的な話にもなると思います。

横と縦での祈りとサポート(ネットワークとアクセスの完成)が実現すれば、それは(大)天使的救済(一人だけではなく人類全体規模の救済が大天使的救済)となって現れるでしょう。(「審判」のカード)


カモワンタロットと占い

私はもともとカモワン版マルセイユタロット(通称カモワンタロット)から入った者ですし、過去のブログはカモワンタロット自体について書いたものも多いですから、カモワンタロットを学習したい方、興味のある方が検索して、たどり着く場合もあるようです。

それで、カモワンタロットについて、今もって、私もカモワンタロットの情報を見ることがありますが、最近は日本での購入・入手が難しくなっているようですね。

まあこのことは、すでにコロナ以前からもあった(だからコロナウィルスの影響ではないと考えられます)のですが、たぶん日本においては、どこかでカモワンタロットの大きな需要があって、もともと少ない在庫が一斉にはけてしまったのだと思われます。

事情はわかりませんが、カモワンタロットの製作者のお一人、アレハンドロ・ホドロフスキー氏も、まだお元気とはいえ、かなり高齢でいらっしゃいますし、もう一人のフィリップ・カモワン氏も日本での活動はほとんど行われていないようですし、生産・販売について、特に日本までの供給となると、難しくなる何らかのことが起こっているのかもしれません。

カモワンタロットを教えるところや人は、正式にはカモワンスクールさんのほうがされていますので、そちらの人たちが事情に詳しいのではないかと存じます。

ところで、カモワンタロットがもたらしたインパクトは、やはり、タロット=占いという概念を打ち崩したところにあると、私は考えています。

それは以前、日本でのカモワンタロットの正式教育機関であった旧国際タロット学院→タロット大学(現イシス学院)が、そのような(占いではないタロットの視点の)売り方・広め方をしたことが大きいと思います。

もちろん、カモワン氏の技法やリーディングスタイルも、日本でいうところの“占い・占い”したものではなかったということもあります。(とはいえ、以前、ある雑誌の記事で未来予想の占いをカモワン氏かしていたこともありましたが・・・苦笑)

また、ホドロフスキー氏も、著作「タロットの宇宙」を見てもわかるように、そして常日頃から氏が語っているように、タロットは占いではないというスタンスであり、このお二人からの流れのタロットが、占いから脱却したものになるのは明白でした。

私はカモワン流においては、かなり学習・研究した者ですが(今はカモワンスクールの認定講師でもありませんので、その流れにはありませんし、カモワンタロットを教えることのできるのは、カモワン氏いわく、カモワンスクールが認定許可した講師のみということになっています)、いわゆる「カモワン流、カモワンメソッド」と呼ばれる、その展開法を見ましても、まったく占い向きではないのがわかります。

絶版にはなっていますが、以前、「秘伝カモワン・タロット」というカモワンタロットに関する本(日本では唯一のカモワンタロット関係の本、最近はカモワン氏が出したフランス語の本もあります)が出ていました。

その本に書いてある「動的展開法」というカモワン流の並べ方(スプレッド)があります。『学研「秘伝カモワン・タロット」大沼忠弘、フィリップ・カモワン共著 p85~の部分』 (この本の「動的展開法」は、本来のカモワン流に日本式に改編が加えられたものですが)

ここで、リバース・逆位置のカードに対して、そのカードの下に(カモワン氏のサイトでは上に置くという方法も書かれているのですが、この本では下に置く方法になっています、これには理由がありますが、ここでは割愛します)正立で別のカードを引いて置くという方法が記されています。

いわゆる「問題カード」「解決カード」の法則です。(イシス流では課題カードと対策カードに相当)

そして、この展開法規則そのものが、占いに向かないものなのです。

例えば、「彼の気持ちはどうなのか?」という質問で、問題カードと解決カードの展開を使った場合、問題カード(リバースのカード)を彼の気持ちと読むのか、解決カード(その下か上に正立で置くカード)のほうが示しているのか、混乱してしまいます。

問題カードと解決カードのシステムは、問題カードはその名の通り、問題を示しているのてあり、解決カードもまたその名のごとく、問題を解決するためのエネルギー・意味・示唆を表すというものです。

ですから、ここに、「彼の気持ちはどうなのか?」とか、「この仕事は辞めたほうがいいですか、それとも続けたほうがいいですか?」とか、「この先、私、結婚できますか?」というような典型的な占い形式の質問には、どう答えていいのか、どう読めばいいのか、わからなくなるのが普通だと思います。

そう、「何が問題で、何がその解決を促すのか?」という趣旨の質問スタイルに変えないと、そもそも、展開法自体が占いの質問に合わないのです。

ですから、「彼の気持ちはどうなのか?」と質問するのではなく、「彼とうまく行くにはどうすればよいですか?」とか、「結婚できますか?」ではなく、「結婚するためには(結婚に対して私の何が問題で)、どうすればよいですか?」(どんな対策や解決策があり、どんな見方をすればいいですか?)というものにしないと、スムースには読めないのが当然と言えます。

逆に言いますと、質問をうまく変えることができれば、カモワン流の展開法は非常に有効なものとなります。

こう考えると、もともとカモワン流の展開法自体が占い質問に答える形式ではないので、そもそもからして、占いには向かないタロット(厳密にはその展開法が、です)であることがわかるのです。

これを無理に占いに適用しても、また当たらないとか占いに使えないとか言っても、元から目的・使い方が違うので、文句を言っても仕方ないのです。

もちろん、スプレッド・展開法、そして解釈次第では、カモワンタロットでも占いに使用し、効果を出すことも可能です。(まあ、それでも個人的には占い向きタロットではないと思いますが)

バリバリの占いタロットをしたい方、当たる人気占い師などを目指す方は、カモワン流よりも、ウェイト版などのタロットで、占い質問を答えるのに向いたスプレッドで学び、実践を重ねたほうが目標に近づけるでしょう。

そうした占い方面ではなく、カモワン流のリーディング・質問形式に、自分の感性や思考、タロットを使う目的として合ってると思う人は、カモワンタロット、カモワン流を使っていけると思います。

ですから、これまでもたくさんの人を見てきましたが、やはり、占い嗜好(志向)の層とは違う方が、カモワンタロットやマルセイユ版を好む傾向があるように思います。

個人的には、カモワン・ホドロフスキー版マルセイユタロットはすばらしいものだと考えていますので、生産・販売がストップするようなことのないように願いたいものです。


一枚引き 「タロットの宇宙」の本から

カルト映画の巨匠で、演劇家、創作家、詩人、サイコセラピストなど、多彩な方面と才能を見せるアレハンドロ・ホドロフスキー氏は、タロット研究家・タロロジストでも知られており、日本ではカモワンタロットと呼ばれるマルセイユタロットを、カードメーカー子孫のフィリップ・カモワン氏とともに製作されています。

ゆえに、カモワンタロットは、むしろ、ホドロフスキー・カモワン版マルセイユタロット(もっと言うと「ホドロフスキータロット)と言ったほうが世界的には通用するかもしれません。

さて、そのホドロフスキー氏の著作である「タロットの宇宙」という本があります。

個人的には、かなり前、タロット大学時代の上級コース時に、フランスでの氏のワークショップに遭遇する機会があって、その時に売っていたフランス語版のものを入手していたのですが、なにせフランス語ですから、私には訳せず(苦笑)、宝の持ち腐れとなっていました。

その後、英語に訳され、その英語版も手に入れましたが、英語もできるとは言い難い私には、これまた完全に理解することは難しいものでした。まあ、英語のできる方と協力したり、ちょっとずつ自分で訳したりはしていましたが。

そうこうするうちに、なんと、日本語で本が出ることになり、大変驚くと同時に、うれしく思いました。

この本は大部なものですし、タロット本と言っても専門的であり、日本ではマイナーなマルセイユタロットを扱っているわけなので、およそ日本語版が出るなど思っていなかったのですが、やはり、映画監督としてのホドロフスキー氏の知名度がモノを言ったのでしょう。

この「タロットの宇宙」は、さすがとしか言いようのない内容なのですが、やはり、まったくの初心者が読むには難しいと言いますか、誤解してしまうところもあるような気がします。

いや、タロットのすばらしさを知る意味では、タロットを知らない初心者が読むには、タロットの印象をよい意味で決定づけるうえでもお勧めできるのですが、ちょっとだけマルセイユタロット、それも、カモワンメソッドを中心に学習した人には、内容的には違和感を持つ人も少なくないと思います。

これは私の生徒さんにも言っているのですが、カモワン氏とホドロフスキー氏のタロット観には違いがあり、究極的には同じものを目指すとしても、方法論、システム論、直感性においても異なっているので、カモワン氏側のものをメインに学んだ方からすると、タロットの解釈などにも違いを感じ、自分の中でどう統合すればよいのかわからなくなるおそれがあるのです。

ですから、きちんとマルセイユタロット全体としての、ある程度のベースや俯瞰性ができたうえで「タロットの宇宙」に取り組まないと、混乱をきたしてしまうこともあるので、注意が必要です。

例えば、数秘術などでもそうですが、ある数字の意味が教える人によって異なる場合があります。

しかし、「1」は1の本質、「2」は2の本質があるように、根本では同じだと言えます。それが人によって、教え伝える人の個性によって、言葉としての意味が変わってくることがある(表現の違いがある)わけです。

ですから、どの数においても、本質はこうなのだなと理解してくると、人によってその意味や言葉が違うのもわかるようになりますし、それぞれが間違いでもなく、また正解はひとつでもなく、関連していることに気づき、たくさんの解釈にふれるほど、より本質にも近づけるようになるのです。

これがまだ浅い段階で、本質もわからず、ただそれぞれの言葉・表現だけにとらわれていれば、その言葉に惑わされ、あの人はああいう意味を言っているのに、別の人はまるで違う意味を言っている・・・これはどういうことなのだろう?わからない・・・と混乱するわけです。

ホドロフスキー氏は情熱家であり、彼なりの家族的背景が、ここ数年の新しい映画でも語られているように、色濃くあります。その表現か投影され、一枚一枚の大アルカナの解釈などにも影響しています。それをそのまま一般解釈としてしまうと、あてはまらないと感じることもあるでしょう。

「タロットの宇宙」を理解していくには、単にタロットの知識や経験だけではなく、ホドロフスキー氏の人となり、表現を知り、特に氏の映画鑑賞は欠かせないと思います。同時に、もう一人の製作者、フィリップ・カモワン氏のメソッドやタロット観にもふれることで、より、ホドロフスキー氏のタロット観というのも浮かび上がってくるでしょう。

さて、この「タロット宇宙」、理論だけではなく、いろいろな技法・技術も書かれています。そのどれもがとても興味深く、効果的だと思えるのですが、かなり実際には難しいものでもあります。

しかし、タロット(リーディング)を訓練したり、自分自身を知ったりするという意味では、やってみると面白いものも多いです。

ひとつご紹介すると、「1枚のアルカナを用いた練習」というのがあり、大アルカナ一枚引きをして、出たカードに対して、具体的レベルで見るのと、心理的レベルで見るのと、霊的レベルで見るという、三つの見方で読む方法が書かれていますし、例えば「私の心にあるのは何か?」と質問して、一枚引きし、その出たカードをそれとして読むなどの方法も書かれています。(詳しくは国書刊行会「タロットの宇宙」をご覧ください)

たった一枚でも、自己省察に大いに使えるということが語られています。

これを公開制でブログなどでやるのもいいかもしれません。

よく、毎日、一枚引きなどして、そのメッセージや占いを書ている人がいますが、これを他人に対してではなく、主として、自分に対してやってみるのです。

毎日、一枚引きをして、そこから受け取る情報、直感的なもの、普遍的な意味のものなど、何か出てきたもの、思いついたこと、リーディングしたことなどを書きます。そして、それは読んでもらう人のためというより、自分に出たメッセージ、自己への提示、自分の心や無意識を探るものとして見るのです。

けれども、ここが重要ですが、自分に対してメッセージを出すみたいに意識しすぎると、逆にカードが読めなくなります。自意識過剰での固まりというやつです。(笑)

ですから、他人や一般、ブログを読む人に書くという意識でやり、しかし結果的には自分へのメッセージとして読むということをします。

すると客観的なものとして、自分に対して出すことがやりやすくなるのです。

これも逆に、人に読んでもらおうとか、集客しようとか、そういう意識てやってしまうと、他人への意識過剰になって、タロットをうまく読むことができなくなるおそれがあります。ましてや、自分に対してのメッセージ性もぶれてきます。

従って、宣伝としてやるのではなく、また自分に意識を向け過ぎてやるのでもなく、他人向けを装いつつ、自分に書くというスタンスでやってみるとよいでしょう。

大事なのは、毎日やるということです。それくらいの決め事、縛りがないと、自分に甘えが出てしまい、単なるお遊びになり、これをやる意味がなくなってきます。

誰かが見ていてくれると仮定し、とにかく大変でも毎日、一定期間やり続けるのです。もともとは自分のためのものですから、アクセス数などにやきもきする必要もないです。ですが、公開制にすることで、自分への甘えや遊び感覚を排し、それなりの修練だと思って取り組むことができます。

三か月間はやる、半年はやる、一年はやるぞと決めたのなら、その期間やり続けてください。きっと効果は出ます。

もし、今やっているブログではできないのであれば、別のブログを作ってやってもよいでしょう。

やはり、継続は力なりです。

それから余談でずか、毎日タロットを引いて占っている人も、それは何の目的でやっているのか、自分なりに明確にしておくとよいです。

もし他人に自分の書いたものを見てもらい、自分(のリーディングや占い)に関心を持ってもらうことを目的とするのなら、漠然とただ書き流していてもあまり効果はないかもしれません。

考えてもみてください。有名でもない人の占いを毎日見るのは、何の意味があるのか、見る人がいるのか、ということです。知り合いとかは別として。

仮にあなたが他人の毎日の占いとかリーディングの内容を見に行っているのなら、なぜそうしているのかを分析する必要があります。それをしているのは、その人のを見たいという理由があるからであり、それは何であり、なぜなのかという点が大事です。

結局、「毎日占い」の記述も、それをやることに、自分なりの理由、きちんとした意図をもっているのなら、それはそれでOKだと思います。無名の人でも、やり方次第では、ほかの人が見たくなる書き方・方法があるはずですから。

例えば、毎日読んでくれた人だけにわかる暗号を入れるとか、それを発見した人には無料占い・リーディングをプレゼントするとか、そういうことも考えられますし、漠然とした抽象的な占いをするのではなく、恋愛の、しかも「片思いに悩んでいる人」用の占いを続けてみるとか、個性を出す方法はたくさんあると思います。

人は自分のことに関心があるのです。

「〇〇さん、そうそう、あなたです、あなたには、これから「戦車」のような男性が近くにいるか、近づいて来ていますよ」と言われるほうが、「皆さん、今日は、戦車的に行きましょう」と言われるよりも、自分のことのように感じるはずです。

一般的・抽象的な言い方は、それだけ自分のことではないとして、スルーされることも多いのです。

少し違う話になりましたが、一枚引きブログ、やってみたい人は、ぜひ、チャレンジしてみてください。


トランプと小アルカナ ゲームつき

マルセイユタロットの小アルカナとトランプカードは、とてもよく似ています。

違う点と言えば、その枚数で、小アルカナが56枚、トランプが52枚です。

とすると4枚の違いがあるのですが、その4枚とは、小アルカナの宮廷カードに騎士が存在することによります。

すなわち、トランプには騎士(ナイト)はなく、人物の絵札として、皆さんにもおなじみの、ジャック、クイーン、キング(数でいえば11,12,13)があるだけとなります。

ここからすると、騎士は特別な存在であることがわかります。マルセイユタロットを学習すればそれはわかるのですが、ここでは、騎士が何らかの秘密を握っているとだけ言っておきましょう。

ただし、トランプには、ジョーカーがついていることがほとんどで、ジョーカーを枚数に入れると変わってきます。ちなみに、ジョーカーは、タロットでは大アルカナの「愚者」に相当すると言われ、見た目やトランプゲームでの機能からも、それはうかがえます。

とりあえず、トランプを、ジョーカーを除く52枚だとすると、そのうち、スペード、ハート、クラブ、ダイヤの4組に分かれて、各13枚ずつになりますので、その4組を春夏秋冬の四季に置き換えますと、ひとつの季節が13週と考え、13×7で91となります。これが4つあるわけですから、91×4=364という数が出ます。

さらににジョーカーを加えると、365になりますから、トランプは、おそらく意図的にこの枚数にされており、私たちの一年、実際的な一年サイクル、日々の毎日を象徴させていたのではないかと推測できます。

いわば、日常を表しているわけですが、日常の中にも非日常性はあり、それが絵札やジョーカーなど特別なカードとして表されているのかもしれませんし、日常の退屈さを補う意味で、ゲームをする(刺激を受ける、楽しむ、他者と交流するなどの)ことが、トランプカードの役割、使命みたいなものを示しているのかもしれません。

タロットも一般にはゲーム道具として流布したところがありますから、実は、意外に、ゲームをする(させる)ことの深い意味が、タロットやトランプには込められていた可能性があります。

カードゲームというのは、札が配られることから始まることが多く、というものに大きく左右され、また、ただ運に頼るのではなく、それなりの戦略を練って戦術を駆使することで、ゲームに勝つことができます。

さらにゲームは、自分一人でやるのではなく、ほとんどは何人かで行うことで楽しめ、人のカードの出方・利用の仕方で、局面も変化します。

カードゲームの最中には、まるで神が降りてきたかのような体験もあるでしょうし、きちんと計算通り勝利することもあるでしょう。

私たちの人生も、日常生活の中で、毎日同じようなことを繰り返しつつも、特にイレギュラーなことや、シンクロニシティ、神秘的な体験をすることがあります。

運命に翻弄されながら、自分の意志と行動で何かをつかむこともあれば、他人の助けや影響によって、大きく事態が変わることもあります。

それはまるで、カードゲームをしているのと同じではありませんか?

そういえば、タロットの大アルカナのナンバー1を持つカードは「手品師」であり、大道芸人として芸を披露していますが、ゲームをしているようにも見えます。

「手品師」は現実の生活空間に入ることも意味しますが、私たちは、まさに実際の生活というゲームの中に入り、ゲームの中で、カードのようなゲームをして、自分の人生そのものがゲームであることを知るのかもしれません。

さて、トランプにも小アルカナのように、意味が当てはめられています。

今述べたように、四季を表すとされている部分もありますし、西洋の古代エレメント思想でメジャーな、四大元素(風・水・火・地)に配当されるところもあります。それは小アルカナと同じと言ってもよいです。

ただし、タロット(小アルカナ)とトランプでは、同じ4組に分かれているとは言え、当てはめ方が違うこともあります。それは人や流派、地域によって、象徴の表現、配当が異なるからです。

ここはあえて、私のやっているマルセイユタロットからのものを用いて、トランプに当てはめてみます。

すると、剣がスペード、杯がハート、杖がクラブ、玉がクラブとなります。(もろちん、先述のように、流派とか人によって当てはめ方は違います)

また、(昔の西洋での)四つの職業をトランプ的に一般的なものとして示すと、スペードが騎士で、ハートが僧侶、クラブが農民、ダイヤが商人となっています。

タロット小アルカナでは、剣が騎士、杯が僧侶、杖が農民、玉が商人になりますね。それも当然で、剣が騎士なのはそのままですし、杯は聖なる杯であり、心を扱う分野であるのなら、僧侶(修道士とか神父・シスターなど聖職者に当たるでしょう)はぴったりですし、杖は棍棒ですから農業という感じがし、玉はコインなので、当然、商人を表すのが妥当だと言えます。

ここで面白い遊びをしたいと思います。

タロットの小アルカナになぞらえて、四つの□を並べます。直感でピンと来たものひとつを選んでみてください。

 

□    □    □    □

 

それぞれ何の絵柄(4組)を表しているかは、一番下に書いていますので確認願います。

あなたが選んだ表の特質が、あなたの気質を示すと見ます。あなたの行動原則とか価値観を表すと考えてもいいです。

ちょっとスピリチュアル的に、あなたの強い関連性のある前世とか、家系的なつながり、因縁みたいなものも示していると見るのもありです。あまり深くは考えないでください。なにせ、これはゲームですから。(笑)

ほかに、今のあなたにとって必要な気質、そいう人になっておくのもいいよ、と受け取ってもOKです。

簡単に、それぞれ4つの職業気質を書いておきます。

剣・騎士…戦いに挑む人、戦略を練る人、前向き、切り開く、開拓、ベンチャー、目的達成に向かう、学ぶ、技術を磨く

杯・僧侶…心を癒す人、神秘・聖なるものとふれあう、精神を高める、交流、交際、受け入れ、浄化する、熟成させる

杖・農民…作る、創造する人、生み出す、育てる、開墾する、耕す、働く、力を入れる、運動する、行動する、守る、助け合う

玉・商人…サービスを提供し、利益を得る人、お金を動かす、稼ぐ、借りる、貸す、貯める、投資する、実利を見る

まあ、単純に、あなたが仮に、この4つの職業や仕事をする人のうちどれかならば、何を思い、何を大切し、どう動くか、でイメージすると、回答が得られるということです。

ゲーム的に、楽しんでやってみてください。

あと生徒さんには、小アルカナの読み方の多大なヒントを与えているつもりですから、自分なりに、ブログ全体から読み取ってくださいね。☆

 

 

※表側の絵柄  向かって左から、「杯」 「剣」 「玉」 「杖」 です。


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