この時期お勧め小旅行

冬の関西で、小旅行といえば、すぐに頭に浮かんでくるのは「カニ」という言葉です。情報誌などでも、「カニと温泉の旅」(笑)特集が組まれたりします。


この前も久しぶりに旧友と会って話をしたら、その友人はつい先日に「城崎温泉に行ってカニを食べてきた」と語っていました。なにゆえ関西ではかように“カニ”なのか。まあ、ズワイガニなどの産地である日本海に兵庫県と京都府、または福井県などが面していて、関西圏で比較的近い場所にあり、同時に温泉も湧く土地柄が多いので、そのようなことになってきたのだと想像できますが、本当は何か別の仕掛けがあったのかもしれません。
面白いことに、カニといえばアストロロジーでは月と関係が深く、そこから母性や家庭的なイメージも出るのですが、カニ鍋を囲んで家族や仲間たちと温泉旅行などという関西人の光景は、意外とピッタリと来る気がします。また、実はタロットにおいても、「月」のカードにはカニ(実際はザリガニみたいな感じですけども・・・)が描かれており、旅行のリーディングなどにおいて半ばギャグとはなりますが、「カニなど食べに温泉にでも行ってみれば・・・」という読みをすることもあって、それがなかなか当てはまることも少なくありません。関西限定に近いリーディングでしょうか(笑)。(ギャグとはいいましたが、実は奥深い意味はちゃんとあります。ここでは言えませんけども。。。)
中世のタロットを描いた人たちが、日本の現代の関西冬の風物まで予測していたわけではないでしょうけど、このようにタロットは時代や民族を超えてハマることがあるから、なかなか興味深いです。
えーと、カニの話が長くなりましたが、今日いいたいのはカニじゃないんです。この時期のふらりとした小旅行のおすすめについてです。
今はまさに厳寒期で、外に出るのもおっくうにはなりますけども、幸か不幸か、世は温暖化の波で比較的暖かくなっています。ということもあって出やすくはなっていますが、それでも寒い時期だからこそ、その間にぽっかりと出てくる晴れ間の日、風が強くなければ太陽のありがたさや温かさを実感できる時です。関西や中国地方の方は手軽に行けますので、是非瀬戸内海沿線の小規模な地方都市を訪れてみることを提案します。できれば漁港があったり、長い防波堤があればベスト(前に流行った「セカチュー」こと、映画「世界の中心で、愛をさけぶ」に出てくるような波止)ですし、さらにいえば高台から海を見下ろす場所があれば完璧です。
なぜこの時期の瀬戸内なのかといいますと、まず1月は正月からの余韻があって、どこか旅人側にも気負いがあります。新年だ!海に向かって今年の抱負を叫ぶぞ!などなりがちです。(ならないか・・・) で、3月になってしまうと、もうこぞってポスターや旅行社の宣伝やらが、「春」を、否が応でも意識させてきますし、春休みとも重なって、なんとなくウキウキしつつも、これはこれで慌ただしい雰囲気になってしまいます。その点、2月中は何事においてもオフシーズン、閑散とした時期、特に海なんか観に行く人は限られています。だから、とても落ち着いたのんびりとした雰囲気が味わえるのです。ただ同じ海といっても、季節風がまともに当たって波しぶきが飛び散る北日本の断崖絶壁とか、白波立つ、あまりにも広大な太平洋に面したところとか、そんな場所に行くのはなんか目的が違いますから、同じ海と行ってもあまりお勧めできません(笑)。もっとも前述の「カニ食べ旅行」や、「あえて修行僧のごとく自分を律したい」とか、「とにかくド演歌の世界に浸りたい」とか、「自分の小ささに嫌気が指して自然の大きさを実感したい」などおっしゃる向きは別ですけども・・・。
とにかく、この時分の瀬戸内はなかなかいいんです。もともと瀬戸内は、少々荒れても内海ですから大したことはありませんし。天気の良い日に高台から港や船を行き交うのをぼんやり眺めているだけで、非常に癒されてきます。岡山や広島の瀬戸内沿岸、四国の香川や愛媛の沿岸が特によいでしょうね。四国出身の映画監督・磯村一路氏(「がんばっていきまっしょい」の作品で知られる)の映画で、「船を降りたら彼女の島」というのがありますけども、その作品の主人公が見る故郷の島の雰囲気が、ちょうどここで語っている今の瀬戸内の、ちょっと寂しくもほんわりとした味わいを醸し出しています。(作品の評価とは別ですよ。。。)
また私からひとつご紹介しておきますと、広島県に「安芸津」というところがあります。私が述べた条件をすべて満たす土地ですので、一度興味のある方は訪問してみてください。広島県の友人と私とで作っていた架空の町の物語のモデルともなっている場所です。また近くには、大林監督の映画の撮影地にもなった竹原市などがあって、いろいろと足を伸ばしてみるのも面白いでしょう。

コメント

  1. nobu より:

    久しぶりにコメント(広島方面の紹介)させてもらいます。
    海岸線を暖かく楽にめぐりたい場合は、広島の瀬戸内を走る呉線に観光列車があります。(私は乗ったことが無いので乗り心地はわかりませんが)尾道の向島の因島側も良いですよね。
    また、海には面していませんが、世界遺産の候補からもれた錦帯橋もお勧めです。JR西岩国駅のレトロな駅舎から錦帯橋へ続く古い町並みはもっとスポットがあたっても良い場所だと思います。有名な宮島も観光客の歩くルートよりも裏手の道の方が風情があってのんびり散策するのには適しています。

  2. miyaoka より:

    nobuさん、お久しぶりです!コメントありがとうございます。
    すみません、メールの調子がおかしくて、今日コメント知りました。(許可制にしているので、こちらがOKしないとすぐにページには反映されないんですよ)本当に申し訳ありませんでした。広島や中国地方の海岸線の町並みは本当に風情がありますよね。錦帯橋も新しくなって、きれいになりました。上がるのが大変ですけど、岩国城から見る風景もすばらしいですよね。
    そうそう、皆さん、宮島の有名な厳島神社側の表ではなく、裏手や島の裏側まで足を伸ばすと、また違った雰囲気が出ますのでお勧めです。
    えーと、そういえば、昔高校でオリエンテーリングがあり、宮島の山野を駆けめぐった(笑)経験があったような。。。懐かしいですね。

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