タロットを使って心を整理していく。

かつて私がタロットを習い始めた頃は、神経症とうつ病からほぼ回復したと言ってもよい時期にいました。


いわゆる「寛解」といっていい状態ですが、しかしまた再発するのではないかという不安と、大きく自信を失っていて、これからどのように生きていけばよいのか模索している時でもありました。


(ちなみに「寛解」というのは症状がなくなって、何とか普通にコントロール可能な状態のことをいい、完全に治癒することとはやや意味が異なります)


当時は少人数でタロットを習っておりましたので、タロットの先生に講義のあと、特別に個人相談の時間など取っていただくことも可能でした。


先生と心身のことについてお話しておりますと、


「せっかくタロットを習っているのだから、それを活用したみたらどうだい」


とご提案されました。


「タロットをどう使うのですか?」


と私がお聞きしますと、先生は


「タロットで自分を徹底的に見つめていくんだよ」


と答えられました。


とはいえ、この時私はまだタロットを習ったばかりで、リーディングもほかの同期の受講者さんたちに比べてうまくできず、「自分にはタロットは向いていない」 とさえ思っていましたので、先生のアドバイスにも前向きには聞けませんでした。


けれども、一通りのタロットの学びを終えますと、タロットへの興味も相まって、あの時に先生がおっしゃられていた方法を自分なりに試してみることにしたのです。


先生は特に詳細に方法をお話されたわけではなかったのてすが(「自分で考えてみることも勉強」とお話されたので)、私は「おそらくこういうことではないか」と当たりをつけて実行してみました。


それは「ある規則に基づいたタロットカードの並びと自分の気持ちを当てはめていく」というようなものが中心で、そのほかにもタロットを実際展開してリーディングしたものを記録に残して、あとで検証する(当たっているかではなく、どうすればよかったかの観点からです)というようなこともやりました。


ほかにも本を読んだこと、人から話を聞いたこと、映画やテレビで見聞きしたこと、日々の心の動きなどもタロットでなるべく当てはめて考えていくようにしました。


すると、何か動揺したようなことがあっても、自然とタロットを思い浮かべることで心の整理がつきやすくなってきたのです。


「ああ、これはタロットでいえばこういうことだな」「なるほど、大変だけれどもこれがタロットカードの○○が示すテーマか」といった具合です。


こうすると不思議なもので、以前よりずいぶん落ち着きや楽しさが出てきたのを実感できるようになりました。


気がついてみると、心の調子がよくなっただけではなく、タロットリーディングの技量そのものも上達していたのです。


もちろん、ちょうど鬱病から回復して落ち着きを取り戻しはじめていた時というのもあるでしょう。


ですからこれだけで「タロットのおかげだ」と断定できるわけではないかもしれませんが、少なくともこの過程を通じて、それまでよりずいぶんと気持ち(と物事)の整理がつきやすくなったのは事実です。


タロットが自己観察、自己実現に使えるということを私はこの時、身をもって知ったのでした。


私は思います。このタロットを学ぶと、大なり小なり、確実にあなたの中の何かが変化します。


それは些細な変化のこともあれば、私のように人生そのものが変わる人もいらっしゃるでしょう。


これが数百年に及ぶ伝統を有するこのタロットの効果なのだと私は感じます。

コメント

  1. たろ より:

    ブログからいつも、力と勇気をもらっています。
    カモワンタロットは、
    “ただ占う道具”ではないのですね。
    「タロットが自己観察、自己実現に使える」
    私にもできるでしょうか?
    「ある規則に基づいたタロットカードの並びと自分の気持ちを当てはめていく」
    考えたのですが、わからないです。
    カモワンタロットのことをもっともっと知っていきたいです。
    カモワンタロットと、もっともっと対話していこうと思います。

  2. >たろさん
    たろさん、コメントありがとうございます。
    たろさんならば「タロットマンダラ」のことだと思っていただければおわかりなると思います。
    要はここで言っているのは、自分のもやもやした気持ちをカードとして絵で見える形にして、自分の中でコントロールするということです。
    詳しくは次の記事に書きますね。

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