人間のコピー機能

タロットカードにも似た絵柄や人物、形のものがあります。それはあるカード同士、コピーしているかのようにも見えます。


でもやはり、同じ構図や象徴の形をしていても、微妙に違うことにも気がつきます。似ているようで似ていない、似ていないようで似ている、まるで人間のようでもあります。


さて、実は人間にもコピー機能があることはご存じでしょうか。


人間の場合、コピーする者とされる者の関係は、総じて影響を及ぼされる者と及ぼすとになります。


たとえば幼少期・生育期においては親、親戚、近所の人、学校の先生など身近な大人達に影響されますし、大人になってからは会社や組織の上司、あこがれの人物、技術やお稽古事の先生・師匠などになってきます。


つまり、上の立場の人や教えてもらう人をコピーしてしまうということです。


コピーはいい部分だけすればよいのですが、その人物をかなり忠実にコピーしてしまいますので、欠点までも知らず知らず写してしまっていることになかなか気がつきません。


「あの人のあの部分はいやだよなぁ」「あれはマネしたくないよねー」とその時思っていても、案外と自分もそれをコピーしていることは多いものです。


時にはコピーしている対象の善悪(長所・欠点)がまったくわからないまま、ただ無意識に自分の行動パターンとしてしまっていることもあります。


親に虐待を受けた人がまた自分の子供も虐待してしまうといったケースなどに見られます。


しかし人間は動物と違い、自分でコピーしたことを再度書き換えることも可能です。


もし自分に同じようなパターンで問題を繰り返していることがあるのなら、このコピーの悪い部分が出ていると疑ってみるとよいでしょう。


また「あんた、●●さんにそっくりだよ」と悪い意味で人に指摘されたら、自分が誰かの欠点コピーをしてしまっていることに気がつくべきです。


人から言われないと気がつきにくいのが人のコピー機能です。問題があれば、セラピストなどの専門家の力を借りることもひとつの方法でしょう。

コピーはもちろんよいこともあります。人のコピーは物理的なコピーと違い、劣化させず、さらに元々のものより鮮明に輝かせることも可能です。

それから大人になってからのコピーは、長所も欠点も同じ因子があるから惹きつけあい、影響を互いに及ぼすことがあります。

多くは欠点もコピーしてしまいますが、その後、自分で自分(コピーした部分)を火にくべて蒸留し(自己洞察や修練)、純粋なもの(長所)と不純物(欠点)に区別して、そぎ落とすことができれば、それはコピーではなくオリジナルなものとしてあなたの中で昇華していくことでしょう。

時にはタロットも、その作業のツールとして有効に活かすことができます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

Top