「運命の輪」に見るタイミング
タロットには「運命の輪」というカードがあります。
このカードにはタロットの種類が違っても、その名前の通り、だいたいは「輪」が回転している様が描かれています。
この「回転」から「時間の流れ」をイメージして、その流れに乗ったり、はずれたりする意味合いから「タイミング」という言葉も浮かんできます。(ほかの象徴の意味からの理由もあります)
ところでカモワン版マルセイユタロットの「運命の輪」では、輪の中のスポーク(内側の棒)は6本あります。
ある時、私が「運命の輪」のカード(もちろんカモワン版ですが)を眺めていますと、輪の頂上に乗っかっている動物(スフィンクスといわれています)の持つ「剣」が突然、真下に振り下ろされました。(というイメージを持ったということです)
すると、面白いことにスポークは7本になったのです。「剣」も短かったものが、ほかのスポークと同じ長さになっていました。
また、そのまま短いままのこともあり、そうすると、まるで時計の秒針のように見えました。さらにはこの剣がまっすぐに下ろされるだけではなく、ワイプ状に扇形に動くこともありました。
このようなイメージが得られたので、スフィンクスの持つ「剣」は、タイミングや調和・調整にかかっているのだなと実感できました。
「剣」が象徴として登場する大アルカナのカードは、ほかにもいくつかあります。
皆、「剣」という意味では同じ部分を共有しますが、微妙にそれぞれ形や大きさが異なっていることも重要で、つまりは「剣」にも細かい点では意味に種類があることを示唆します。
「運命の輪」にあるスフィンクスの「剣」は、小型ながらも不思議な特徴があり、まずはタイミングを計る(刻む)意味があるものと推測されます。
いい流れを逃したり、チャンスをうまくつかめなかったりする人は、タイミングが合っていないことが多いものです。
その多くは意外にも、初期ではためらいの遅れにあり、後期ではあせりによる性急さにあると想像できます。
最初は観察しすぎて腰が重くなり、流れの輪に乗ろうとした時はすでに輪が回転しすぎてとりつくシマのない状態になっており、ならばと、もう一度機会を待つのですが、気持ちの焦りから、無理してシマのない段階でも飛びつこうとして失敗するわけです。
ここでいう「シマ」こそが「運命の輪」のスポークということになります。
そして、当たりくじのように、たまに7本目のスポークとしてスフィンクスの「剣」が混じっているのですが、それは「剣」ゆえに傷つくおそれもあります。
「剣」を差し出されて果たしてそれを握ることができるかと問われれば、よほどの覚悟がない限り、普通はできないと答えるしかありません。
ただし、「剣」をつかむことをせず、タイミングを計る目印(ポイント)として活用することができれば、それはまた有用なものになります。
もしかすると、この「剣」は「剣」に見えて「剣」ではないのかもしれません。そのことに気がついた者だけが自信を持ってスフィンクスから差し出された「剣」をつかむことができ、いつしか「運命の輪」から逃れられることができるのでしょう。
いずれにしても、タイミングと「運命の輪」の考察はとても興味深いものです。
お早うございます。
奥が深くて「素晴らしい」の一言です。
研ぎ澄まされた感性に感動してます。
>terimuさん
いえいえ、私の感性など大したことありません。タロットを学び、タロットにより親しんでくれば、誰でも感性は磨かれますよ。タロットはそういう道具なんですね。
『「剣」は「剣」に見えて「剣」ではないのかもしれません。』
考えれば考えるほど、わからなくなってきました。
自信を持ってスフィンクスから差し出された「剣」をつかめるのは、「運命の輪」から逃れられるのは、いつになるのでしょうか。
>たろさん
これはあくまで私のイメージから出たものですから、人によってはまた見え方や解釈が異なってくるのもタロットの面白いところです。(タロットの表す元型は共通だとしても)
ですから、無理にここに書いたことを理解しようとするより、このようにしてたろさんなりのスフィンクスの剣のイメージと解釈が出てくればいいと思います。
『自分なりのスフィンクスの剣のイメージと解釈』
今から「運命の輪」のカードをじっくり見てみます。
>たろさん
常識とは違う面白いイメージが出るとよいですね。