別の種類のタロットを学ぶこと

日本ではタロットといえば、アーサー・E・ウェイト氏の作ったいわゆる「ウェイト版」(出版された会社名から「ライダー版」とも言われます)が広く使われており、当然それを習われる方も多いです。


一方、私がリーディングで使用したり、教えているのはマルセイユ版です。


歴史的にはマルセイユ版のほうが古いのですが、ウェイト版は画家のスミス女史による絵柄が印象的で、カードの全部に絵がついていることで読みやすいという特徴もあるようです。


一方、マルセイユ版はシンプルな絵柄で構成されており、描かれているものは中世から近世の西洋のそれであるにも関わらず、日本人である私たちの誰が見てもある程度カードの雰囲気を同じように推測することができます。


どちらのタロットもそれぞれ良さがあり、どちらがよいのかは個人の好みやタロットをどのように使うかによって変わってくるでしょう。


またずっと一種類のタロットしか使わない人もいれば、占い方や目的によってタロットを変える人もいらっしゃいます。


そこで、今回はウェイト版などほかのタロットを学んで、さらにマルセイユ版も使ってみたいと思う人に話をしてみたいと思います。


まず、別種のタロットを同時進行で習わないほうがよいでしょう。ある程度、ひとつのタロットに習熟してからほかのタロットに入るほうが学びやすいです。


これは例えていえば、日本語しか知らない日本人が同時に二つの外国語を習得するかのような困難さがあり、似ているものでも自分の中で混乱が起きやすいからです。(似ているからこそ微妙な違いによって混乱するともいえます)


次に、新しくマルセイユ版を使う場合でも、今まで使っていたタロットと同じ展開法(スプレッド)を使用するのかどうかも検討してください。


例えばケルト十字法はウェイト版でもマルセイユ版でもできますが、同じ展開法を違うタロットでやってもあまり意味はないでしょう。(それならば、慣れているタロットでやったほうが確実だからです)


ですから、マルセイユ版を学んで使うのであれば、今までのタロットでやっていた展開法以外の技法を身につけたほうがよいと思います。


この点、カモワン版マルセイユタロットならば、視線を追った独特のコンビネーション的な展開法を用いますので、今まで別のタロットと固定したスプレッド(展開法)を使って来られた方にも新たな視点と発想が得られることができ、有意義だと思います。


このカモワン流のやり方は、どちらかといえば占いとしての当てモノでやるよりも、相談者の問いや悩んでいる心の内を、相談者自らが引く(選ぶ)タロットによって映し出し、自分で気づきと新しい力を得てもらうといったカウンセリング的な要素があるのが特徴です。

逆に言えば、ズバッと未来を当ててほしいという時や、タロットリーダー・占い師に明確な指針を述べてほしいと考えている人には不向きなこともあります。


ともあれ、複数のタロットと展開法が使えるようになるということは、いわば、多くの有効なツール(道具)を手の内にしているということです。


ですから相談内容や状況に応じて、数種類の相談タイプを提供することもさらに可能となります。


中でもカモワン版マルセイユタロットは、特にヒーリングやカウンセリング的な方法で人の相談をする方に向いているタロットと技法だといえるでしょう。



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