心理的時間

こういうことはよくあると思います。


たとえば何かに熱中していたり、忙しくしていると時間は短く感じ、反対に何もすることがない弛緩した状態では、時間は長く感じたりしますよね。


これは時計の刻む物理的な進行時間と、私たちの心理的な時間感覚とは異なることを意味しています。(前者をクロノス時間、後者をカイロス時間ということもあります)


だから「時間を超越できる」というようなことは申しません。(笑)


ここで考えたいのは、時間の使い方というものです。


先述したように物理的な時間は誰にも等しく刻まれるものです。「刻一刻」という言葉があるように、これはAさんにはゆっくり、Bさんには速くというようないい加減さや情け容赦はありません。


しかしながら、心理的には速く進んだり、遅くなったりする(と感じる)のも事実です。


ということは、同じ一時間、そして24時間(一日)、1ヶ月、半年、一年と過ごしてきても、感覚的には個人差があるということです。


言ってみれば心理的には、のんびりと生きて時間の進行を緩やかにしていくこともできますし、逆に一定期間の集中によって、時間を短縮する(したような気分になる)ことも可能なのです。


また時間を短縮するということは、作業量にも変化を及ぼすこともあるということです。


普通の状態でできる量を集中することで増やし、結果的に能率を大幅に向上させることも場合によってはあるからです。


従って今まで無駄の多い時間を過ごしてきたという方は、自分が集中できる、つまりは打ち込めるものや方法を見つければよいのです。あるいは集中できる対象を学ぶということでしょうか。


そうすると、年齢や時間というものもあまり気にならなくなるでしょう。


ちなみに時間の進行が感覚的に速くなってすごいスピードになると、その当人は逆に時間経過が遅くなっているように感じたり、ほかの人から見えるということも考えられます。


集中し、楽しく充実した人生を送っている人が若々しく見えるのもそのせいかもしれません。


究極の集中力は、結局、時間をゆっくりさせる(ゆったりしているように見える)のでしょう。


ただそれでも、人はいつも集中できるものではありません。あえて何もしないような、時間を長く感じるような「心理時間」も必要だと思います。


ちなみに今までのことは、タロットカードの「節制」と「運命の輪」から出てきた事柄です。


特にカモワン版マルセイユタロットでの「タロットマンダラ」では、「節制」の隣が「13」であることは、「時間」ということをテーマにして見た時でも興味深い並びとなっています。

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